ブランメル
派手さよりも仕立ての良さを求め追究した、
正統派ダンディの象徴とされる19世紀初期の英国人。
本名をジョージ・ブライアン・ブランメルといい、1778年にロンドンに
生まれイートンカレッジ、オックスフォード大学に学んだ。
非常に独創的な洒落ものであり、またその趣味や作法の良さから、
1840年、62歳で没するまで、ボウブランメル
(ボウはしゃれ男、美麗などの意味)と呼ばれ、
プリンス・オブ・ウェールズ(後のジョージ4世)との
ごく密接な友人という立場からも、ロンドン社交界の花形として活躍します。
このジョージ4世の摂政時代を特にリージェンシーといい、19世紀初頭の
メンズファッションの基礎ができた時代として、ブランメルは大きくこの
時代の服飾史に関わりがあります。
現在我々がブランメルから学ぶべき点は、シンプリシティな考え方。
彼の「単純美の追及」思想は、華麗な色柄・装飾を省き、
簡素に装うことを意味した。19世紀半ばから現代に至る
メンズファッションの、特にフォーマルウエア※に
対するルールは彼によって決定されたといっても良い。
※正式なパーティーや会合に着用する礼装。
国や地域の慣習、会の趣旨、社会的地位などにより形式は異なり、
また時間により服装は変わる。
たとえば男子では昼はモーニング・コート、夜間は燕尾服やタキシードとされる。