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スーツに使われる織物の種類
- ギャバジン
- ウール、またコットンから作られる綾織り地。 綾目が斜め65度にのぼっていくのが特徴。それぞれ”ウールギャバジン””コットンギャバジン”の名称で呼ばれる。昔は仕事着、子供服に使われることが多かったが、現在ではコート、スラックスの生地として使われることが多い。どんな色でも少し白っぽく染まり、金属的な光沢が出る。戦後、”ギャバジンルック”として 大流行したことがある。
- サージ
- 梳毛糸、または綿糸を使った綾織り地のこと 。綾目が斜め45度にはっきり出るのが特徴。「背広はサージに始まりサージに終わる」と言われたように背広地の代表的な生地である。しかし最近ではブレザー、コート、学生服などに使われることが多い。
- サクソニー
- メリノ種の紡毛で織られたツイードの1種。 細番手の紡毛であることからフラノとメルトンの中間的な風合いを持つ。ツイードでは比較的目のつんだもの。最初、ドイツのサクソニーメリノを原料として作られたためこの名称が生まれた。
- サッカー
- 正しくはシアサッカーという。 表面がリップ状になった、夏用の綿、または合繊地のこと。薄手でさらっとした肌触りを持つ。ストライプ、チェックの双方がある。
- シアサッカー
- サッカーの正式名称。 夏になると、カジュアルなスーツからスイムトランクスにまでよく見受けられる。
- バラシア
- スペインを原産としたメリノ種の羊毛の梳毛糸でななこ織りした生地。多くは黒またはグレーでネクタイや夜間向きのフォーマルウエアに用いられる。
- ポーラー
- 太い強撚糸から作られた平織りのウーステッド地。盛夏用のスーツなどに用いられる。
- フレスコ
- 極端に目の粗い織り方をしたポーラーの1種。 ロンドンのガニヤ商会の商品登録名。蚊帳のような感触に特徴がある。イギリスではポーラーをこの名称で呼ぶ。
- ベネシャン
- サテンのような感じの重ね繻子織りの生地。 スーツなどに用いられるほか黒無地のものはフォーマルウエアとしても用いられる。イタリアのベニス(ベネチア)にちなんで、この名称がある。
- ホームスパン
- 「家で紡がれた」の意で、ざっくりとしたハンドメード(手織り)の感覚を大切にしたツイードの1種。厳密な意味においては、手織りスコッチをさす。
- モヘア
- アンゴラ山羊から作られる、金属的な光沢のある平織り梳毛地。サマーマテリアルの代表的なもので、夏季のフォーマルウエアによく用いられる。羊毛、木綿などとの混織にもみられ、キッドモヘアはその1種である。
- フラノ
- ツイードと並んで、紡毛地を代表する織物のこと。 平織り地をフェルト仕上げにしている。やわらかく、暖かいタッチが特徴となっている。正しくは”フランネル”という。フラノは後ろ半分を省略した呼び方に”ネル”があり、共にフランネルのことをいう。クラシックリバイバルの影響で、フランネルの、特にスーツでのそれが流行の気配を見せている。
- コーデュロイ
- 畝を特徴とした光沢のある木綿地のこと。 一般に”コール天”と呼ばれている。カントリー素材として最適であるし、最近ではジーンズに変わる素材として、街着用にも進出している。畝をなくした”リブレス・コーデュロイ”脱色されフランスで人気を呼んでいる、”デラベ・コーデュロイ”など変化、種類も特に多い。特に畝の狭いそれを”ピンウエール・コーデュロイ”広いものを”ワイドウエール・コーデュロイ”と呼ぶ。
- ツイード
- 太い紡毛糸を使って織られた平織り、または綾織りの生地の総称。スコットランドのツイード河流域を原産地とする。スポーティな感覚が持ち味で、カントリーライクなコート、ジャケットに多用される。名称は地名などに因んだものが多くハリスツイード、エディンバラツイードなど多くの種類がある。
- ベルベット
- 絹で作られたビロードのこと。 濡れたような光沢を持ち、ドレッシーなパーティウエアなどに用いられる。種類としてはアンカットベルベット(パイルのワナを切ったもの)、エンボスドベルベット(模様のあるもの)などがある。
- ベルベッティーン
- 綿で作られたビロードのこと。 俗に「別珍」と呼ばれる。もちろんフルネームがなまった呼び方である。ベルベットよりもくだけた味が楽しめ、カジュアルなジャケット、スラックスにもよく使われる。
- ベロア
- 織り目がつんでいるにもかかわらず、ビロードのような感触が特徴の、柔らかく、ケバのある紡毛地の1種。もともとは、パイル織り、また繻子織りのしっくりとした光沢をもつ厚手織物のことをいった。転じて、このような風合いをだすことを”ベロア仕上げ”とよんでいる。コート地に多用される。
- リネン
- 亜麻繊維から作られる糸、織物などの総称。なめらかで強く、光沢のあるのが特徴。リンネルと一般に呼ばれ、シーツ、テーブルクロス、ハンカチーフなどによく使われる。
- カシミア・ドスキン
- カシミア、またはカシミア調の柔らかなウール地をドスキン織りに仕上げたもの。礼装用の服に多く用いられるように、上品な感覚にあふれている。
- ドスキン
- 目のつんだビロードのような光沢をもつ生地のこと。 礼服地として使われる繻子目羅紗(しゅめらしゃ)とも呼ばれる。
- ツイル
- 撚糸(2本ないし、3本の糸を撚り合せた糸)で織られた織物の総称。目のつんでいるのが特徴。材質によってナイロン・ツイル、テトロン・ツイル、コットン・ツイルなどと呼ばれる。コート、ジャンパーに使われることが多い。
- キャバルリーツイル
- 非常にはっきりしたダイヤゴナル柄を特徴とする織物。 さまざまな素材で作られ、カジュアルなスーツ、ジャケットなどに用いられる。”トリコチン”の別名もある。
- アムンゼン
- 梨地織(表面にちりめんのようなしぼりを特徴とする織り方)の生地のひとつ。ハンカチーフなどに用いられるほか、最近ではスーツ素材としても使われる。
- ウーステッド
- 「梳毛」のこと。 また梳毛糸(ウーステッドヤーン)で織った織物の総称。原毛の段階で梳(くしけず)られた長くて細い、なめらかな感触をもつ糸(長繊維)で織られている。ビジネススーツのもっとも一般的な生地である。ウーステッドという名称はイギリス・ノーフォーク地方の町の名前に因んでいる。特徴としては、織り目がはっきり出ること、コシが強くてシワになりにくいこと、張りがあることである。
- ウーステッド・ファブリック
- ウーステッドを原料とする織物の総称。 織り・柄の変化が多く、丈夫でカチッとしているところから、ドレスアップ感覚、シティの雰囲気にマッチしてもっとも使いみちの広いメンズ素材とされている。使われる色糸の数によって3杢(もく)、4杢ウーステッドと呼ばれたり、起毛することによってミルドウーステッド、織りの状態によってマットウーステッド、毛羽を残したアンフィニッシュド・ウーステッドなど変化と種類も多い。
- ウーステッド・フラノ
- ウーステッドを原料に作られたフラノのこと。 普通、フラノは紡毛から作られるので、特にこの名称で呼ばれる。”梳毛フラノ”ともいうことがある。
- マットウーステッド
- ウーステッドの1種で、表面感がマット状に仕上がった平織りのものである。多くは色無地で使われる。
- ミルドウーステッド
- 縮絨加工された梳毛地のこと。 表面がわずかにケバだち、柔らかな感じを特徴とした綾織りである。ケバの感じによってハーフミルド、クォーターミルドと呼ぶ。
- ウーレンファブリック
- ウーレンとは「紡毛」のこと、原毛段階で梳られた時、機械に落とされた太く短い、ケバだった糸(短繊維)で織られたものをウーレン(紡毛)と呼んでいる。ウーレンファブリックはこうした紡毛を原料に作られた織物の総称である。ざっくりしたラフな感覚でスポーティ、またカントリーライクな衣服の材料とされている。代表的なものにツイード、フラノがある。
- クレープ
- 「縮み織り」の1種。 シャツ、サマージャケットに使われる。”クレープシャツ”といった場合は、夏の下着として快適なアンダーシャツのことになる。近頃は伸縮性の考慮されたクレープ地も開発され、さわやかなフィット感が楽しめる。また、腕や帽子に巻く喪章のこともこの名で呼ばれる。黒クレープ地で作られたそれが多いことから名づけられたものである。
- 梳毛チェビオット
- チェビオットは普通、紡毛糸で織られるが、梳毛糸(ウーステッドの項参照)で織ったチェビオットのことを特にこの名で呼ぶ。
- 梳毛ツイード
- ツイードは紡毛地の代表とされる生地だが、軽い感じを出すために梳毛糸で織られたツイードのことを特にこう呼ぶ。
- 梳毛フラノ
- 梳毛ツイードと同じように、梳毛糸で織られたフラノのこと。 ウーステッドフラノともいう。
- チェビオット
- イギリスはイングランドとスコットランドの境界にあるチェビオットヒルズ周辺を原産地とする、ブラックフェース種の羊毛から織られたツイード地のこと。一般のツイードと比較して組織が密で、タッチが柔らかく全体に光沢のあるのが特徴。コート、スポーツジャケットなどに使われる。
- スポーテックス
- チェビオット種の紡毛を使った平織りのホップサックツイード。 ロンドンの高級生地メーカー「ドーメル」社の商品名だが、現在では一般名として通用している。
- トロピカル
- トロピカルは「熱帯(地方)の」意味。 つまり強撚糸で織られた盛夏用の平織り、もしくは綾織りの薄手生地。トロピカルウーステッドが正式名称。また、サマーウーステッドの別称もある。
- ナップヤーン
- 「節糸」のこと。 糸のところどころに節があり、生地にした場合、これが表面にでて野趣あふれた変わった効果を与える。
- パームビーチ・クロス
- サマースーツ用の平織り地。 タテに綿糸、ヨコにウールを用いて織られる。アメリカのパームビーチ社の商標登録名である。
- ビエラ
- 正確にはビエラフランネルであり、フランネルの1種。梳毛糸と綿糸を交織して作られ、独特の柔らかみが出る。カントリーライクなシャツなどに用いられる。もとは英国ウイリアムホーリンスの商品名。
- メリノ
- メリノ種の羊。 または、その羊毛で織り上げられた梳毛織物のこともいう。メリノ羊はスペインを原産地とする羊で、非常に繊細で良質の毛がとれることで有名。高級ウーステッド地として用いられる。
- ラムズウール
- 生まれて7ヶ月ほどの仔羊(ラム)の毛から作られた。 柔らかで良質の織物または毛糸。セーターに多く用いられる。
- テーラードニット
- スーツ、ジャケット、スラックスなど男の重衣料の素材用に開発された、新しいニット素材のこと。多くはポリエステル100%またはポリエステル/ウールの混紡から作られる。外観がウーステッドとそれほど違わず、シワにならない、伸縮性があるなど数々の利点をもち、新しいメンズウエア素材として期待されている。アメリカではすでに一般化してるが、日本では特にゴルフスラックス用に多く使われている。
- 杢糸
- ファンシーヤーン(意匠撚糸)の1種で、異なる色の単糸を2本または3本拠り合わせて作られたもの。使う色糸の数によって3杢、4杢などと呼ばれる。英語ではツイストヤーン、といい、左撚りをZツイストと呼ぶ。
- ケンプ
- 針金状の粗雑なウール繊維で、一般に死毛と呼ぶ。 ハリスツイードなどに見られるもの。
- テキスタイル
- 織物、布地、織物の原料、テキスタイルデザインといえば織物を考案することとなる。
- ファブリック
- いわゆる生地の総称。 単に織物をさすこともあるが、それよりも繊維製品(織物、編物、組物、不織布など)全般を意味する度合いが強い。
- トラウザリング
- トラウザー、つまりスラックスを作るのに適した素材の総称。 しかし、主としてモーニングコートなどのボトムに用いる縞ズボンの生地を指す場合が多い。
- スーティング
- スーツを作るのに適した素材の総称。 狭義の意味では、あらかじめスーツ用として織られた生地のことをさし、広義の意味ではスーツ用として使える可能性のある生地全般をさす。
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