スリーピース・スーツ
ジャケット、スラックス、ベストの3つで構成される本格的なスーツのこと。スーツ発祥の地、英国でのブリティッシュ・スタイルのスーツにはベスト付きであることが欠かせないように思える。もともと、背広はこのスタイルが常識であったが、第二次世界大戦以後、アメリカの簡便ルックの影響もあって長く忘れられていた。しかし、現在ではまた主流となりつつある。「3つ揃い」「3つ組み」のこと。レディースでは、ジャケット、ブラウス、スカートの組み合わせのこともスリーピースという。
ジャケット+パンツのツーピース・スーツに、共生地で仕立てられたベスト(ウエスト・コート)を加えたものがスリーピース・スーツとなる。
昭和30年代の採寸・教則本には、採寸は「ベストを着用した状態で、バストなど採寸し、ウエストは、チョッキの上と下両方から採寸する・・」とあることから、当時もチョッキ付きスリーピース・スーツが主流だったことが伺える。
ベストには衿付き、衿なしがあり、また背表のつけ方に、ツルツルしたサベリという化繊の布地を付ける場合と、前身と同じ生地を付ける背表共生地がある。