ズート・スーツ
1940年代初期に流行した、極端にだぶだぶしたシルエットを特徴とするスーツ。大きな肩パッド、膝までの長い上着丈,、裾口で急につまった感じのスラックス(ペッグトップスラックス)を合わせる。品の悪い連中の好んで着たスーツであったが、クラシックリバイバルの影響で、またぞろ復活しそうな気配がある。ちなみに”ズート・スーツ・ルック”を着込んだ若者たちのことを”ズート・シューター”と呼んで、大人たちは軽蔑していた。
円筒形のクラウンに巾広のブリムをつけた帽子を合わせてかぶることが多く、アグレッシブ・アヴァンギャルドなファッションというよりは、奇抜な若者風俗。ズート・スーツの「ズート(zoot)」は、「大麻」という意味もあるらしく「ズーティー(zooty)」では、けばけばしいとか派手なという意味。
1981年には劇場未公開だが、製作国アメリカで「ズートスーツ」という名前で映画にもなっている。監督ルイス・ヴァルデス、主演ダニエル・ヴァルデスは兄弟でしょうか、メキシコ系アメリカ人で、ズートスーツが当時隷属的な扱いを受けていた有色人種が、白人の着る仕立ての良い上品なスーツに反抗して着はじめたということなので、ただしく時代背景をとらえた映画になっている。