ドスキン

目のつんだビロードのような光沢をもつ厚地織物。
本来ドスキンは、牝鹿のことを意味するが、一般的にはこの牝鹿の皮に似せて作られた厚地紡毛織物のことをいい、秋冬のフォーマルスーツ用の生地やスーツ地などに用いられることが多い。

ドスキンの柔らかくふっくらとした織り上がりと光沢感は、製織後、縮絨→起毛→剪毛→ブラッシングの作業工程を経て行われる「ドスキン仕上げ」により仕上げられるもの。

現在礼服地の主流、もしくは礼服地を総称するタキシードクロスと比べ、毛羽立ち感があるため、ホコリがつきやすいという使いづらい部分があるが、燕尾服用の生地として以前から用いられてきたもの。

礼服地として使われる繻子目羅紗(しゅめらしゃ)とも呼ばれる。