バルカポケット
バルカポケット
クラシコイタリア調の胸ポケット
ジャケット胸ポケットの基本形・箱ポケットと良く似た形なのですが、その箱ポケットの脇側にかけて、舟のへさきのように三角形にとがった形を、バルカポケットとか舟型ポケットといいます。
作り方は、胸位置の切り口にへり飾りを付ける箱ポケット(ウエルトポケット)とまったく同じ。へり飾りの形が長方形の箱なら箱ポケット、先端が尖っていればバルカポケット。
胸ポケットをこの型にしておくと、バストが体型にそって丸みをもち、立体的できれいなシルエットになります。
バルカポケットは、クラシコ仕様のスーツととても相性が良く、またイングリッシュ・ドレープが特徴的なブリティッシュモデルのスーツにもおススメです。
ジャケットのデザインもイタリア流にアレンジして着こなす
胸ポケットは総ステッチ・フロントステッチのご指定、どちらでもステッチの入る箇所ですから、バルカポケットに手縫い感のあるピックステッチで伝統的なテーラードスーツの雰囲気を強調して、フロントデザインを3釦1掛中段返りでサイドベンツ、パンツの裾をダブルにして巾深めにしたら、もう気分はイタリア人です。
よく知られているのは、袖を本開きにした袖口釦の釦ハズシ。本開き釦止めに作っておいて、袖先の釦を、1個か2個外したり、互い違いに外したりするというファッション雑誌から受け売りの着こなし術。
また、腕時計をシャツカフスの上からはめるなんていうのも見かけます。子供のころに見た、宇宙防衛軍の無線通信機・・などとからかわれてしまいそうなのですが、あのジャンニ・アニエッリ氏(フィアット総帥・ユベントスオーナー)や、ルチアーノ・バルベラ氏(クラシコ系バルベラ社オーナー)がお気に入りの着こなし方らしいです。
ボタンダウンシャツの、剣先ボタンをわざとはずして、レギュラーカラーのように着るというのも、イタリア的。ただの止め忘れと間違われてないためには、自信をもって堂々とシャレ者を気取る・・、というところでしょうか。われわれ一般人には、ワイドスプレッドのシャツに、大きめノットのネクタイというのがせいぜいかも知れません。