フックベント
アイビー調に特徴的なベント
アイビー(Ivy)は、ハーバード大学などアメリカ東部有名8大学で構成されるフットボール・リーグに加盟するアイビー・リーグ校の学生やその卒業生たちが、好んでよく着ていた背広型「アイビー・リーグ・モデル」のこと。
アメリカン・トラディショナルの代表的なスーツスタイルで、これを、1955年にIACDが流行スタイルとして発表してからアメリカで人気となり、日本でも1960年ごろから「アイビー族」まで結成されてしまうような流行になりました。火付け役はアイビーの“教祖”VANの石津謙介氏で、平凡パンチが「アイビー族」のバイブルだったというのは少し意外なところです。
このアイビー調スーツは一部のファンにいまだに根強いに人気があるスーツスタイル。
ボックス型のシルエットでボタン間隔の広い3釦上2掛、ラペル巾は狭く、フロントダーツなし(ダーツでウエスト部分を絞らないボックス型)で、全体に5ミリくらいのステッチがかけられています。
普通ステッチというと、上衿・下衿・フロント・胸ポケ・腰ポケあたりに入れるフロントステッチが一般的なのですが、本格的なアイビー調となると総ステッチで、さらに脇・肩・袖・背・ベント・ズボンの脇にまで入ります。
パンツはというと、ノータックで細身のパイプド・ステム(煙突のように上から下まで同じ太さ)で、裾はダブルで後ろ身にバックストラップが付くこともあります。
アイビー・リーグ・モデルのスーツを本格的に復刻するカスタムメイドも気合が入りますし、また釦間隔の取り方、パンツのライン、ステッチの入れ方など、部分的にデザインを取り入れて見るのも楽しそうです。