パンツ裾・ダブル
裾ダブル
裾に折り返しのあるダブルはスナップ止め
英国的にはターンナップと呼ばれている、折り返しのあるパンツの裾仕立てのことになります。格調が高く、ずいぶん歴史もあるイメージのあるパンツ裾ダブルなのですが、比較的新しいもので、そのはじまりは20世紀の初め。
アメリカのマッキンリー大統領が地方の遊説中、突然の雨に降られてしまい、そのぬかるみを避けるために無造作にパンツの裾を折ったのが初めとされています。アメリカではダブル裾のことをカフスと呼ぶそうなのですが、マッキンリーにちなんで、マツキンといったりもします。
裾を折り返すと、シングルに比べパンツ裾の落ち着いた感じがするのも、人気の理由なのかも知れません。アイビー・スラックス、オックスフォード・バッグスなど、パンツの裾ダブルを特徴とするパンツシルエットも多く、ビジネス用のパンツにも足元のアクセントとして大事なデザインのひとつ。
店長のただの思い込みなのですが、「ん・・ダブル・・」と思っていた時期があり、ただの食わず嫌いで、実際やってみると、それ以降は「裾はダブルでなくては・・」あんまりびっくりするようなデザインでは、考えてしまいますが、オーダースーツの一般的なデザインはひと通り試してみるのも楽しいスーツ生活のヒケツかも知れません。。
カフス巾指定
人気のクラシコ調スーツのカフス巾は一般に太めで4.5~5cm程度。甲高の靴や若干広めな衿巾と相性の良いバランスだとこれぐらいです。先日は6.0cmという高いカフス巾でご注文がありましたが、その方の場合には足がかなり長いので、一般人には5cm程度と考えていいと思います。股下に対してのバランスも大切です。
標準は4.0cmで浅くて3.5cm。店長が作って失敗したことのあるカフス巾3cmは浅めで、浅めにも関わらず、2.8cmで出来てたりして。さすがに2ミリでは文句も言えなかったですけど、ジャンボ尾崎は決まってダブル巾3.7cmだし、暗黙の了解的縫製業界での寸法指定が5ミリピッチも当然のことなのですが、微妙なときもあります^^
こういった時には、逆に浅くて良かったと思えるように着こなしてしまうというのが店長的な解決方法です。。