パンツ裾・シングル
裾シングル
シングルのほうが正統派
20世紀のはじめに、ターンナップ(ダブル)がボトムのデザインとして登場するまでは、パンツの裾仕立てはシングルのみ。なんとなく、シングルは折り返してまつっただけの簡単な仕立て方のため、ダブルのほうが格調高い雰囲気があるのですが、シングルのほうが正統派。
また、よくお客さんからの質問で、「上着がダブルだからパンツもダブルでないと・・」というお問い合わせをいただくことがありますが、そういったドレスコードはありません。
ドレッシーでフォーマルなイメージのダブルスーツには、裾仕立ても重めな折り返しがあるダブル仕立てのほうがぴったりくるとお考えの方が多いようです。
静岡でも確かに、クリスチャン系の学校に通う生徒さんのパンツの裾は、しっかりダブルだったような気がしますし、同様にアイビースラックスも裾はダブル仕立てが本格派です。
パンツの裾巾
シングルでもダブルで裾巾を特別変更するということはありませんが、モモ巾(ワタリ巾)が太めなら裾巾も若干太め、現在人気のタイトなパンツならそのシルエットに合わせて裾巾も細めに仕立てます。一般には、モモから緩やかにテーバードして先細りするパンツシルエットでは、175前後の背丈で22m~23cm位のスソ巾が適量のような気がします。
パンツ全体のシルエットはモモ巾とも関係がありますが、ワンタックパンツ、ツータックパンツなどのタックありパンツと、ノータックなどのタックなしパンツとで調整します。
裾巾17cmというご希望寸法が、店長の経験上一番細い裾巾。メンズスーツの袖巾とあまり変わらない寸法になるので、かなり細めです。あまり細くしすぎると足を入れづらくなってしまうので注意が必要です。
また、パンツの股下寸法は、裾巾を細くしたらパンツ丈は短く、、裾巾を太くしたら、パンツ丈は長めとなります。裾巾が細くパンツ丈が長いと、靴甲の上で余るブレイクが多すぎてあまり見映えが良くありません。裾が太めなら靴甲に沿ってストンと落ちるため、足元もスッキリです。