パンツ・前立て釦止め
前立て釦止め
ジッパー部分を釦止めとした社会の窓
パンツの前立てというのは、チャックの部分で、別名「社会の窓」。
メンズパンツでは、小用をたす時にお世話になりますし、伸縮性が少ないウール生地の場合には、脱いだり履いたりするときにも、ないと困ります。
この前立ての作り方は、機能性と便利さから「ジッパー(ファスナー)止め」が多く用いられていますが、テーラードのスーツらしくクラシックな雰囲気を楽しみたいときには、「釦止め」とすることもできます。
「釦止め」は、ジャケットのフロント釦などと同じように、打ち抜きで作られた釦穴を、袖ボタン大(15ミリ程度)の大きさの釦で止めるもの。
パンツのシルエットに影響することは全くなく、外見もジッパー止めと区別がつきませんが、履いている自分だけが知っている隠れたコダワリのおしゃれです。ファスナーと相性が悪くてすぐ壊れてしまう人や、過去に大事なものを挟んでしまった痛いご経験のある人におススメ。
バンチェリーナ
クラシコイタリア調スーツのパンツフロントの作り方に、このようなハイカラな名前の仕様があります。仕立て屋で俗にいう、テングという部分を大きくしたような形をしており、この大き目のテングをボタン数個で止めることによって、突き出た下腹を引っ込める補正下着のような役目をするというもの。
テングにももともと、バンチェリーナほどではないですが、下腹部抑えの機能があり、また動くことでシャツがずり上がってきてしまうこともある程度防いでくれる便利なディテール。
このテングがないパンツは、腰まわりのフィット感も異なります。
テングと言われるのは、テングの鼻のように突き出た形をしているためで、オーダーパンツの場合には標準仕様とされています。