パンツ・後ろポケットフタなし
フタなしポケット
ビジネス用スーツの標準、フタなし左ボタン止め
パンツの後身、ヒップに付くポケットのことをピスポケットといいます。ピスポケットは昔、この後ろポケットにピストルをおさめていたことに由来するもの。もっと簡単にバックポケットとか、ヒップポケットのほうがわかりやすそうなのですが、オーダースーツ店を含め縫製業界では、「ピスポケット」が普通に使われます。
この「ピスポケット」は「フタなし左釦止め」という形がビジネス標準。この尻ポケットのデザインでは、左右ともフタは付かずに、左側だけ打ち抜きのボタン止めにする形になります。
このピスポケットは札入れ用財布を入れておくのに使う人が多く、また右利きの人の場合には左手で出し入れするため、この用心のための左釦止めにはやはり意味があります。
逆に、左利きの人は(右手で札入れを収納する人)には、右側のピスポケットが釦止めとされていたほうが便利なのかも知れません。
ヒップはできるだけスッキリ、機能的なボタン止めも最小限に抑えたデザインが「フタなし左釦止め」。オッドパンツとして着用するオーダーパンツのオプションにあるフタ付きとした場合の、「クモフタ付き」「角フタ付き」「ループ付き」「ベロ付き」などを用いたパンツとは対象的に、カジュアル素材でもクールなお仕立て上がり。
左右(両)ボタン止めもできます
ピスポケットを使わない方用にはポケットの袋布を付けないこともできます。
よくあるフォーマル用のジャケットの腰ポケットにあるデザインで、ポケット口のみ普通に玉縁(パイピング)で作っておいて、開かないように縫い付けてしまいます。
新調してから時間が経つと若干開き気味になってしまうポケット口が気になる方にもおススメ。オプション料もかかりません。
また、「フタなし左右ボタン止め」というピスポケットのデザインでも、長期間きれいなポケット口を維持できるうえ、更にボタンが1個多い装飾的デザインは、オーダーパンツとしての個性的なデザインともなりそうです。