アメリカン・ナチュラル
IACDが1950年に発表した背広の流行型。 肩がナチュラルショルダー、シングルブレステッドで2個、または3個ボタン。全体にスリムなシルエットが特徴。50年代、60年代のアメリカと日本の背広に大きな影響を与え、現在、日本の年配層の背広型として一般化している。
シルエット的には、アイビー・リーグ・モデルに近いもの。日本では高度経済成長時に着用された典型的なビジネススーツの形と考えてよい。クレージーキャッツの植木等が無責任シリーズなどで着ていたスーツ。ゆったりめな2タックパンツが主流な時代にものごころがついた昭和40年代生まれの店長には、タイトなノータックパンツは一世代前の多少古めかしいシルエットに思えるのですが、平成20年代以降、このタイトがパンツも、ジャケットも好まれています。ジャケットもタイトになると、その着心地感を補うため、肩パットなども極力少なくしたナチュラル・ショルダーがジャケットに多用されることになります。
※ナチュラル・ショルダー
自然な普通の肩ということで、大きく分けて2つの意味がある。①肩線が落ちたドロップ・ショルダーに対して、肩線が通常のショルダー・ポイント(肩先点)を通るセット・イン・スリーブをいう言葉。②パッドを入れて誇張することのない、自然の体型にそった肩のラインのこと。