シャンタン
「山東絹」のこと。 中国の山東省を主産地とする柞蚕糸(さくさんし)を使って作られていたことを語源とする。柞蚕糸は、中国・インドで飼育されている野蚕糸の代表的なもの。
ヨコ糸に節糸、経糸に生糸を使い、紬(つむぎ)風に、ネップが浮いて出た平織り絹地”シルク・シャンタン”の略称。元来、絹織物のことをいったが、現在では合繊も多い。
織物のヨコ方向に節糸が作り出すネップが不規則にあらわれ、張りがあり変わった地合いが特徴となってる。婦人もののドレスに用いられるほか、ファンシーなタキシードの生地として使われる。イタリア製のシャンタンは高級品として特に有名。
また、パンツとして用いることは比較的少ないが、オーダージャケットでは高級な服地となる。
※ネップ
紡績工程中に、繊維がもつれて自然にできる繊維の小さな塊。このネップがある糸のことをネップヤーンといい、オーダースーツ素材として特に関わりの深いものがドネガル(ドニゴール)ツイード。自然にできるネップが素朴なアクセントとしての風合いを出す。