トレンチコート
ダブルブレステッドでベルト付きとなっているのが大きな特徴となる、
肩にエポーレット(肩章)、背中のケープ型のヨーク、ガンパッチ(※1)、
チンウォーマー(衿もとのカバー)、胸のストームストラップ、
袖口ストラップなどディテールデザインは戦闘服の機能性を元とし
作られた防水素材製のコート。
第一次世界大戦中、イギリス陸軍が塹壕(トレンチ)戦用に開発した
起源はあまりにも有名。生地は防水加工を利点とするバーバリーを
使ったものが本物だが、近頃ではコットンタイプのギャバジンや
ツイルに加えて、ウールのそれも多用され、色柄的にも変化が多い。
「完成された機能の極限がもっとも美しい」とは、このコートに最適な言葉である。
キングオブメンズコートの異名さえ付けられる。
もっとも代表的な男のコートである。
(※1)ジャケットの肩から胸にかけてつけられた当て布、当て革のことで、
片側のみにつく。ガンは<銃>、パッチは<つぎ布>の意。
元来、猟銃を支えるために補強用として作られたことからの呼称。