ニット
一般にウォーブン(織り)に対して「編み」をいう。 メリヤス生地という意味のニッティッド・ファブリックのことであるが、編み物を総称する言葉として用いられることが多い。
ニットは使われる原材料や、製品別の種類などによって分類されるが、ニット業界では、手編み(ハンドニット)と機械編み(マシーンニット)に分類されたり、組織別に、ハンド・ニッティッドファブリック(手編みニット)、フラット・ニッティッドファブリック(ヨコ編みニット)、サーキュラー・ニッティッドファブリック、ワープ・ニッティッドファブリック(タテ編みニット)の4形態に分類される。
ニットは本来「編む」という意味があり、このニットという言葉は1530年にイギリスのヘンリー8世の王女が書いた書物に初めて出てくる。ニットが広く工業的に普及するようになったのは、イギリスの牧師ウィリアム・リーが1589年に考案した靴下編み機から。
1列の糸が作るループのつながりによってできるニット生地は、スーツ生地の織り方である、糸を経てヨコに交差させて織るウーブン・ファブリックとはその構造が異なるもので、伸縮性、ドレープ性、柔軟性などの特徴がある。
このニットを通常の毛織物と同様に裁断・縫製することをテーラード・ニットといい、スーツではレディースのスーツやジャケットに用いられることがある。