段返り
トラディショナルモデルの背広に見られるボタンの付け方で、第一ボタンがラペルの裏側に隠れた感じのものをいう。したがって、そのボタンホールは衿の外側からはっきり見えることになり、こうしたデザインはトラディショナルモデルの象徴とされる。
いわゆるアメリカン・トラディショナルモデルのフロントデザインで、ブルックス・ブラザーズがアメリカ合理主義的、着心地の楽なボックスシルエットとするスーツに「ナンバーワンサックスーツ(Ⅰ型スーツ)」と名前を付けて商品化したモデルのもの。アイビースーツは、3釦上2掛・フックベントを特徴とするが、このアメリカン・トラディショナルを代表するトラッドスーツは、この段返りの衿型+センターベントとなる。「ナンバーワンサックスーツ」はアメリカ型ビジネススーツの典型と言われる型。
それまで、ぴったりタイトなオーダースーツのみがスーツとされていた時代から、多くの人に着られる標準体型・プレタスーツが躍進するきっかけとなった背広型となる。