ウーステッド

「梳毛」のこと。 また梳毛糸(ウーステッドヤーン)で織った織物(梳毛織物)の総称。原毛の段階で梳(くしけず)られた長くて細い、なめらかな感触をもつ糸(長繊維)で織られている。ビジネススーツのもっとも一般的な生地である。ウーステッドという名称はイギリス・ノーフォーク地方ウーステッド町で開発されたことに因んでいる。特徴としては、織り目がはっきり出ること、コシが強くてシワになりにくいこと、張りがあることである。あまり地厚でない素材が多い。
また、イギリス・ノーフォーク州は、スポーティーなカジュアルジャケットとして愛用者も多いノーフォークジャケットの名前の由来にもなった場所。ノーフォークジャケットは、背から脇にかけてのボックスプリーツと、ウエスト位置に付く釦止めのベルトが特徴的。狩猟用のディテールとして、ガンパッチエルボーパッチ背バンドなどとの相性も良い。
織り上げられた生地の反物には、その両端にブランド名など刺繍した耳が付けられることが多いが、このウーステッド(woosted)は、決まり文句のように織り込まれているほど、スーツ地として用いられている。
梳毛チェビオット梳毛ツイード梳毛フラノ

※長繊維
天然繊維の絹や、化学繊維のレーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの繊維長の長い繊維のことをいう。