燕尾服
夜間の正礼装として用いられる礼服のこと。テイルコート、スワロー・テイルド・コート、イブニングコート。
公式レセプション、観劇、結婚式などに着られることになっているが、現在ではタキシードで代用されることも多く、クラシック音楽のコンダクター(指揮者)の服装以外に、見ることはめったにない。
ダブルブレステッドで6ボタン、衿はピークドラペル、ウエストに切り替えがとられている。前身頃が短く後身頃にかけて斜めに長くカットされているシルエットが、一見、ツバメの尾に似ているところから燕尾服(スワロー・テイルド・コート)の名がある。
生地は、黒、時としてミッドナイトブルーのドスキン、カシミヤ、上質のウーステッドなどを用いる。ベストは白ピケでダブルもしくはシングルブレステッド。トラウザースは上着と共生地で仕立て、左右の脇線に側章が2本飾られる。男性の最高の盛装であるだけに、アクセサリー類も最もシックなものが選ばれている。
※側章
紳士服の正装用トラウザーズの両サイドに縦につけたテープのことで、燕尾服では2本、タキシードでは1本が正式とされる。このデザインはユニフォームやトレーニング・パンツなどにも用いられる。