ニュー・ポバティズム

ポバティは「貧乏」「欠乏」を意味する。 この言葉を用いてアメリカで作られた造語。”新質素主義”と訳すことができる。高度に発達しすぎた機械文明社会に背を向けて、より自然な生活を求める若者たちの動きをさしていう場合があるし、Tシャツ、ジーンズなど粗末な服装だけで表現されるファッションをこの名前で呼ぶこともある。ヘンリー・デイビッド・ソローの「森の生活」、チャールズ・A・ライクの「緑色革命」、日本では浜野安宏の「質素革命」あたりが母体となっている。1971年にあらわれたこの動きが、その後エコロジーブームの引き金になったといえる。
ファッションを含む生活スタイル全般にわたる考え方で、質素・倹約の延長線上にあるもの。ファッション的なところからいえば、1枚のジャケットをレイヤード的な組み合わせで、多くの着こなし、着まわしを楽しむ。現在の大量生産的な低価格衣料、プチプライスなファッションアイテムがイコール、ニュー・ポパティズムとはならないと思うが、かなり手ごろな値段で購入できる特にカジュアルアイテムなどは、この傾向がある。
質素に生きようという主義主張に影響を受けたファッションスタイル、モードも数多くある。

※エコロジー・ファッション
自然を尊重し、環境との共生を重視したファッションのこと。エコロジーは自然環境を研究する学問で生態学と訳される。