pitty savile row
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ワンピース・スリーブ(一枚袖)
ワンピーススリーブは、一枚袖のことで、
多くのテーラードジャケットの袖の作り方として、
標準的な二枚袖(ツーピース・スリーブ、
テーラードスリーブ)に対するもの。
二枚袖が、内袖(下袖)、外袖(山袖)の2枚で
作られていることに対して一枚の型紙で作られる
直線的な袖シルエットで、動きやすいメリットがあり、
ゆったりめなコートやジャケットの袖シルエットとなる
ストレートスリーブなどに代表的な袖の作り方になります。
スポーティブなボックスラインのコートや、ソフトな
シルエットをもつジャケットと相性が良いです。
深袖(ディープスリーブ)
一般的なジャケットの袖ぐり(アームホール)よりも
刳り下げた深い袖の作り方で、ディープスリーブとも
いわれるもの。
パターンオーダーでは、バストサイズに応じて、
袖ぐりの大きさもその大小が決められることに
なりますが、体型に合わせる補正を取り入れる
ことで、メンズスーツではバスト線よりアームホール
底部までの鎌深寸法を深くする微調整をすることが
できます。
逆にタイトスーツでは、袖巾も細くなるデザイン、シルエット
が一般的なため、鎌深の浅い「鎌浅」の補正を併用する
ことで、よりタイトなフィット感、シルエットの
オーダージャケットをお楽しみいただけます。
また、あまりアームホールの深い深袖は、腕の運動機能を
損なうことになりますので、身巾に合わせた適正量を
考えながら補正することが大事です。
袖口
ジャケットの袖口は、寸法的にも意匠的にもデザインの
ポイントとなるところになります。
袖口はスーツのなかでも、目に止まりやすい部分なので、
アクセントとしての利用価値、効果が高く、オーダースーツでも
ファッションポイントとしていくつかのオプションがあります。
寸法的なところでは、標準ではジャケットモデルに対して
セットされている袖シルエットの袖口巾や、ひじ巾等を
微調整したり、袖口巾を広げることでフレア気味でエレガント
袖シルエットを作れます。
また、現在の多くのスーツでは、袖釦は開かない「開きみせ」が
標準ですが、釦止めとする「本開き」や、釦を重ねる「キス釦」
切羽や穴かがりを色糸指定のほか、カフス付きとするこだわり度の
高いデザインまで。
ストレートスリーブ
ゆったりめに作られたコートやジャケットに付けられる
直線的なシルエットに裁断された1枚袖のこと。
ボックスラインのスポーティブなコートに
ワンピーススリーブは、動きやすく相性の良い
袖シルエットとなります。
一枚袖は1枚の型紙で作られる袖の作り方で、
ストレートスリーブをはじめ、ゆとりのある
ソフトなシルエットのジャケットなどに用いられる
袖の作り方。
二枚袖は、外袖、内袖(下袖)にわかれる2枚の
パターンで作られる袖で、ほとんどのテーラード
ジャケットはこの袖の作り方で作られています。
シャツスリーブ(シャツ袖)
シャツスリーブは、アンコン仕立てのジャケットにも一部
使われているメンズシャツの袖付けの作り方で、
袖付けの縫い代を身頃側に倒して仕立てられています。
オーダージャケットの一般的な袖付けとなるセット・イン・スリーブに
比べて運動性に優れ、動きやすい作り方で、
シャツ、ブラウスのほか、作業服などで用いられています。
肩パッドがなく、芯地・付属のほとんどを付けないで
仕立てるアンコン仕立ては、軽く羽織る感覚で作られる
ジャケットのため、シャツスリーブとの相性がとても良く、
春夏シーズンのみでなく、秋冬シーズンの厚手なジャケット
にも人気のジャケットモデル。
Pitty Savile Rowのナポリクラシコのジャケットモデルが、
このシャツ袖仕立てのアンコンジャケットになります。
カフ・スリーブ(カフス付き袖)
カフ・スリーブは正しくはカフト・スリーブといわれる、
コートやジャケットの袖口に折り返されたカフスを付けた
デザインの袖仕立ての総称。
テーラーメイドならではのデザインで、カジュアル向きな、
ツイードジャケットやフランネルのジャケットの
袖先を飾ると相性が良いです。
ノーフォークジャケットの袖先にカフスリーブ、背ベルト、
衿タブ、エルボーパッチなどが合わせて付けられます。
ホーランド&シェリーのグラウスモアや、ポーター&ハーディング
のハーツイストがおススメな生地ブランド。
撫で肩(ローショルダー)
標準的な人の肩傾斜となる角度22~23度よりも、
傾斜角度の多い体型のことで、「下がり肩」とも
いわれるもの。
既製スーツはすべて標準的な肩線となる「並み肩」で
作られているため、オーダースーツの製作時に
補正の対象となることもあります。
ただ、あまり「撫で肩」に作りすぎたジャケットは、
着づらいといわれることが多いため、その量については
注意が必要。
女性的な肩傾斜に見られることも多い「撫で肩」なので、
それを嫌う人は、ジャケットの肩パッドの厚みを増すなど
して、「並み肩」に近づけるなどの工夫をすることがあります。
また、ローショルダーには、あえて「撫で肩」に見えるように
誇張したデザインのことをいう場合もあります。
「撫で肩」の反対は「怒り肩」。
アメリカンショルダー
19世紀の末にアメリカで流行した肩巾の広いジャケット
やコートのシルエットのこと。
裁断や肩パッド、場合によっては肩章(エポーレット)を
付けるなどして肩巾を誇張するブロードショルダーや、
ワイドショルダーと同義で、アメリカンショルダーは、
主にイギリスで使われる呼び方になります。
ブロードには肩巾が広いという意味があり、タイトスーツ
の肩巾となるナロー(狭い)ショルダーとは対語。
アメリカンショルダーのような広い肩巾のジャケットには、
標準では衿巾も広めなものがセットされ、タイトスーツには
ナローラペルと呼ばれる、狭めの衿巾がセットされます。
略礼服
祭事仏事等、おめでたいことにもご不幸にも多くのシーンで
見られる黒い生地で仕立てられたスーツ。
ご結婚式やイベントなど華やかなフォーマルの場面では、
同じ黒色の生地でも光沢感のあるものが好まれ、
仏事や兼用で作られる場合には、光沢感は抑えめのもの
が選ばれます。
いわゆるブラックスーツで、春夏シーズンには、
近年、シングルの2釦の上下スーツで仕立てられる方も
多くなってきていますが、ベスト付きのシングル三つ揃え
のものやダブル6釦2掛のフォーマルスーツが、
用いられることが多いです。
黒生地で仕立てるほか、色の濃いネイビーや、ダークグレー
の生地で仕立てられたダークスーツを略礼装、インフォーマル
スーツとして着用する場合もあります。