pitty savile row
Posts by :
モールスキン
太い番手の綿糸を起毛させながら織り上げたコットンのこと。
本来は、モグラの毛皮のことを意味するため、現在モールスキンと
呼ばれるコットンの生地表面も、モグラの毛皮と同様、ベルベットの
ような光沢感と柔らかな肌触りがあります。
コットンは太い番手で織られるとごわつくものですが、両面を起毛させて
あるため、多くの空気を含ませることができ、保温性に優れた機能性と
肌触りの良さを感じさせてくれる織物となっています。
ハリスツイードジャケットなど、ツイードジャケットとの相性は抜群。
日本名は「もぐら」
もぐらの毛皮はほとんど使われることがなくなりましたが、
イギリスの王女が、スコティッシュ・モール製のガーメントを
着用したことが初めとされています。
ジレパン
ジレパンはベストとパンツを組み合わせるコーディネートのこと。
「ジレ」はフランスでいうベストのこと。「ベスト」は米語で、
英語では「ウエストコート」。日本ではチョッキともいいます。
ジャケット+パンツをジャケパンというのと同様の略語で、
スーツアイテムの着こなしも多様化しています。
スーツはジャケット+パンツを共生地で仕立てたもの、
ジャケパンはセットアップ、スーツにベストが付けられたものが
スリーピーススーツ。
三つ揃いのスーツはビジネスシーンで最もフォーマル度の高い
組合せのため。
ジレパンとする場合には、ベストの背を共生地で仕立てたり、
ファンシーな裏地を用いる、またベスト生地そのものに、
プリント柄などを使用し、比較的カジュアルな装いとして
着こなします。
肩巾
スーツでいう肩巾は、ジャケットの左肩先~右肩先までの寸法。
ジャケット現物を採寸する場合、衿下2.5cmを測るのが基準と
されており、一度には測りづらい場合、左肩先~背縫い線(衿下2.5cm)
までの位置を採寸し、2倍する。
この肩巾は流行により広くなったり、狭くなったりしますが、
基本は人体のバスト寸法。バスト寸法が大きければ肩巾も広く、
小さければ狭くなります。
また、メジャーで肩巾を採寸する場合、肩線と腕外側のそれぞれ
延長線上の交点を、肩パッドの厚みなどを考慮して測ります。
ジャケットのシルエットにも大きく影響する寸法で、
広めの肩巾となるアメリカントラディショナル・モデルや、
イタリアン・コンチネンタル、比較的狭めの肩巾となる、
ブリティッシュモデルなど。
仮縫い
「中縫い」や「フィッティング」とも言われるもので、「本縫い」に
入る前に、着用者の体型に合わせてしつけ糸を使って作られたジャケットや
パンツなどを、着合わせをします。
デザインやクラシコスーツやブリティッシュスーツなどシルエットの確認や、
寸法や体型に合わないところを調整するための、スーツを仕立てる上でのひとつの工程。
イージーオーダーやパターンオーダーというものは、この「仮縫い」
のないオーダースーツの縫製の仕方をいい、メジャーや、
ゲージ服を用いて、フィッターが寸法・体型確認をした上で
「本縫い」に入ります。
※「仮縫い」付きのスーツに対応している縫製工場は年々減少しており、
また新しいパターンでの縫製には不向きな点、「仮縫い」をするための
費用、納期、「仮縫い」のための来店回数等や、熟練したフィッターが
採寸するメジャー、ゲージ服からのパターン調整がいわゆる「仮縫い」と
同じ効果を持つことなどから、大きな体型補正が必要な方におすすめしています。
背広
ジャケットとパンツ、若しくはベストを同じ生地仕立てた一揃いの衣服のことを
「スーツ」と呼ぶことは広く浸透していますが、テーラードスーツと同義の
日本語訳として古くから用いられているのが「背広」。
スーツ発祥の地・英国、ロンドンのウエストエンド地区にある、
腕の良い職人の集まる仕立て屋街として現在でも有名な「サビルロウ」を
語源とするという説もありますが、その詳細不明です。
オーダースーツ店の屋号にサビルロウを目にすることが多いのも、
こんな「背広」「スーツ」の語源からでしょうか。
ちなみに、ピッティ・サビル・ロウのサビルロウはスーツシルエットの
代表とされるブリティッシュスーツをイメージするサビルロウと、
クラシコスーツ発祥のピッティ・イマジネ・ウォモからいただいたもの。
目付け
スーツ生地などの織物を1平方メートルあたりの重さで表示する
もので、g/㎡などの単位で表現されるもの。
また、生地巾は関係なく、その織物1m分の重さで表示される
場合もあります。
オーダースーツにおいては、自分がスーツを仕立てる際の目安に
することが多く、「このリネンは220g/㎡だから薄手」「この
ハリスツイード、ドネガルツイードは450g/㎡あるので、厚地で暖かそうなど」
ただ、薄地でも打ち込みが良く目詰まりがしっかりしているもの
などは薄手でも重かったり、繊維そのもの重量などもあり、
目安としてお考えいただくと良いと思います。
海外の生地ブランドでは1ヤードあたりの重さをオンスや、ポンドで
表示していたり、日本の和服の場合には匁付けなどといいます。
額縁仕立て
衣服など服地の裏布処理、後始末の仕方で、額縁のように見えることから。
額仕立て若しくは鏡仕立てとも言われるもの。
オーダースーツでは、ジャケットのサイドベンツがこの額縁仕立てで処理されており、
袖を本開き仕立てとする場合の、袖明きがこの額縁仕立てとされることが多い。
また、衿の仕上げ飾りとなるトリミングや、布団の裏布などにも用いられる。
袖本開きの場合の袖先の処理は、額縁仕立てにすると袖丈に伸縮調整の必要が
仕上がり後に出てしまった場合に難しく、敢えて額縁としない選択もできる。
一般に額縁仕立てとなる袖本開きに対して、釦止めをフェイクとし、袖先のみ
本開き同様の切り込みを入れ、額縁仕立てとしたものを「半額縁仕立て」という。
クリンプ
クリンプは、主にウールにある「繊維の縮れ」のこと。
ウール繊維は電子顕微鏡などで拡大して見るとウロコ状の表皮部分(スケール)と、皮質部分(コルテックス)の2層構造となっており、このそれぞれの層の性質の差が吸湿・乾燥により収縮差を生じ(ハイグラル・エキスパンション)、クリンプ(縮れ)のもととなっています。
このクリンプのためにスプリングのように縮れたウール繊維一本一本を束ねることで、その繊維束には隙間が生じ、より多くの空気をウール内に取り込むことができるので、寒い冬には断熱効果から暖かく、暑い夏には熱伝導率を抑えることから衣服内を涼しく保ってくれます。
コットンやリネンは夏涼しい服地の代表と思われがちですが、熱伝導率の高さではウールはコットンよりも高く、ビジネススーツ的耐久素材、汚れにく、燃えにくいなど優れた点を考えてもウールの品質の高さは盛夏シーズンにも利用すべき点が多くあります。
カジュアルっぽい着心地感、コーディネートではやはり、コットンやリネンにはかないません。
フロントカット
背広のジャケットの前裾カットのことをさし、カッタウエーフロント、ラウンデッドフロントなどの種類がある。
フレンチフロント
「裏前立て」と言われるシャツの前合わせの
作り方で、シャツの前端を内側に折って、
補強用とされることから「裏立て」とも呼ばれています。
このフレンチフロントが、欧風なクラシックスタイルの
シャツの作り方なのに対し、現在主流なのが、
アイビーシャツでおなじみな、シャツの前合わせの表側に
前立てのつく、「表前立て(プラケットフロント)」。
ボタンダウンシャツに多い前立ての作り方です。
フレンチフロントで作られたシャツは、シンプルな
前立ての作り方のために清潔感があり、フォーマルに
向いたシャツスタイルとされています。
フレンチカーフ
カーフはカーフスキンの略。 中でもフランス産の上質カーフのことをいう。スエードやパテントレザーに仕上げられることが多い。
フロックコート
昼間の正礼装として用いられた礼服のこと。 ダブルブレステッド6つボタン、膝までの長い丈、拝絹がかけられたピークドラペル、胸にウエルトポケット、ウエストシームと特徴としている。これに黒白の縞ズボンを組み合わせる。しかし、近頃ではこのコートの前裾を切り落として生まれた”モーニングコート”に昼間の第一礼装としての価値が認められ、使われることはほとんどない。
フィンガーチップレングス
ジャケットやコートの着丈を表現するときに用いられ、
ジャケット等着用時に、手をまっすぐ自然におろしたとき、
着丈の裾が、指先程度の長さのもの。また、その長さ。
スポーティなコートの丈は、大体この程度におさめられて
おり、フィンガーチップレングスはおもに紳士服の
ジャケットの着丈をあらわす用語として使われます。
ドルマンスリーブ
身頃からつながった感じの、ゆったりした深袖のこと。 もともとはトルコ人の着た外套ドルマンの袖ににていたところから、この名称が生まれた。夫人のニットウエアに多様されてる。