pitty savile row
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テキスチュアオンテキスチュア
テキスタイルは多くの服地問屋の名称にも見られるように
織物のこととなりますが、テキスチュアには、
織物の組織や構造からくる「手触り、風合い、質感」の
ことをさし、生地の凹凸感や、柔らかい感じ、硬い感じ、
光沢感、ぬめり感などのことを意味します。
テキスチュア・オン・テキスチュアは、これら手触り・
風合い・質感の異なる素材を組み合わせて、
新しい感覚を作り出すテクニックのことで、
マテルアルコーディネートという場合もあります。
服地から仕立てるオーダーアイテムの場合には、
ジャケットをハリスツイードで仕立て、スラックスを
コーデュロイで仕立てるなど、素材(マテリアル)を
変えてジャケパンスタイルを楽しむコーディネートなどが
あげられます。
ティピーオー(TPO)
1963年度のファッションテーマとして、
MFU(一般社団法人日本メンズファッション協会|
THE MEN’S FASHION UNITY)が提唱したことから、
急速に一般化したもので、ファッション用語以外でも、
その場所・状況を理解した行動をしようという意味から、
店長が中学生時代にも、よく知る用語。
ファッションで用いられる場合には、着こなしの極意を説いた用語
として、「いつ、どこで、なにを着るのか」という服装上のきまりの
方向を明確にあらわしており、TPOは、Tはtime(時)、
Pはplace(場所)、Oはoccasion(場合)をそれぞれ意味しています。
オーダースーツのアイテムをTPOに当てはめる場合には、
フォーマルスーツがもっともわかりやすく、
いわゆる略礼服であるブラックスーツやダークスーツで
良いのか、昼夜の別から、モーニングコートもしくは燕尾服など
着用していく衣服を考えます。
TPOが提唱された1963年は、ちょうど、東京オリンピックの
前年にあたり、国際人としてはずかしくない服装のマナーを、
日本の男性に与えようとする意図がこめられていた。
最近では世の中の情勢も変わり、ニューTPOという用語が使われることもあります。
タイドアップ
ネクタイをきちんと締めること。
ドレスシャツにネクタイを締めることは、ビジネスマンのスーツにとって
当たり前のお仕事用のスタイルでしたが、近頃では、
スーツもカジュアル化し、それにともなって、シャツの衿型、
スタイルも多岐にわたり、特に衿腰の高いデゥエボットーニなど、
ネクタイを必要としないカジュアルシャツも多く見るようになりました。
店長的にも室内での作業が多いなか、ネクタイを締めるスタイルは
ずいぶん減っており、ネクタイ必須はフォーマルスーツ着用時ぐらい
なのかも知れません。
夏シーズンのクールビズの影響も強いかも知れません。
タイドアップは、ネクタイを締める、ジャケットを着用するなどして
ドレスアップしたスタイルのことで、またそうした着こなしを
タイドアップルックといいます。
ハリスツイードや、コットンスーツなど、カジュアル色の強い素材の
ジャケットにネクタイを締めて「タイドアップ」のような使われ方を
します。
ソリュージョン・コンセプト
3つ揃えで揃ったスリーピース・スーツを構成する、
ジャケット、ベスト、スラックスの各アイテムを
一度バラバラにしてもう一度まったく別の組み合わせで、
着こなすコーディネート方法。
この揃ったアイテムをシャッフルして再構成する着こなしの
方法はいくつかありますが、総称してアダプタブルコンセプト
(着こなしの交換が可能な考え方)と呼ばれています。
ソリュージョンとは、「分解、分離、解体」などの意味で使われる言葉。
具体的にはネイビーフラノの無地、グレンチェック、チョークストライプ
などの各3ピーススーツを、ジャケット、ベスト、スラックスの
各アイテムにバラバラにして、着こなしの組合せを考えます。
ソフィスティケート
ファッション用語としてのソフィスティケートは、ソフィスティケーテッドと同じく
「洗練された、上品な、都会的な、大人的な、趣味のよい」の意味で
多く使われます。
スーツのシルエットを表現する場合にも、多くのファッション雑誌等で
例えられることがあり、礼装に準ずる紳士の衣服であるスーツ、ジャケット等
とはなじみ深い用語。
本来、ソフィスティケートには、「奇弁でごまかす、こじつける、世間ずれした、
すれっからしの」などいい意味で使われることはありませんが、
転じて「ガキ(ジャリ)でない、大人的な」といった意味を持ちます。
また、ソフィスティケーテッド・トラディショナルという場合、
ニュートラディショナルと同様、「洗練された、教養のあるファッションスタイル」
といった意味で使われます。
ソシアル
本来「社交的な、社会的な、懇親の」といった意味だが、正確にはソーシァルと発音する。特に日本の場合、「ソシアル」はと口の紳士服メーカーの登録商標になっており、その適用方法は難しい。ソーシァルウエアは日本製の英語で、フォーマルウエアほど格式ばらないパーティ着、社交服といった意味に用いられてる。
スポーティ
特に軽快な感じの服装で、現在ではスポーツ用に着用する
上着を総称するものですが、もともとスポーティな服に
軽快さを強調する意味で使われいます。
また、スポーティーなジャケット(スポーツジャケット)と
いう場合、ハリスツイードなどツイードジャケットで仕立てる
スポーティーな雰囲気をもつカジュアルジャケットなど、
気軽なテーラードジャケットを広い意味でさし、
ブレザーなど替え上着と同じようなファッションアイテムの
意味で使われることもあります。
このほか、スポーティスーツ、スポーティスポーツシャツは、
スポーティーなアイテムを代表するもの。
スータブル・コンセプト
スーツのカジュアル化傾向がすすむ中で、その一方で、
スポーツウエアなどをスーツとしてドレッシーに
着こなそうとする傾向のことで、「スーツ化の考え方」の意味。
スポーティなブルゾンや、カジュアル度の高い服地を用いて
作ったテーラードテイストのジャケットに、共地のパンタロンを
組み合わせたり、ドレスシャツを着用し、ネクタイを締めて
スーツスタイルに仕上げることなどがその良い例で、
比較的動きやすい服装に、ドレスシャツ+ネクタイを締めた
学校の先生をイメージすると良いかも知れません。
また、上下共地でなくても、たとえば黒のレザー・ジャケットに
フランネルのスラックスを合わせ、首元に蝶ネクタイを飾れば
立派な「スータブル・コンセプト」の着こなしになります。
シフト・コーディネーション
手持ちのワードローブ、ファッションアイテムを、自由に
組み替えることで、個性的で自由な着こなし方を楽しむコーディネート。
上下揃いの生地で仕立てられた2組のスーツを、ジャケットとパンツで
組み替えたり、それぞれ独立した素材・デザインで仕立てられた、
ジャケパンスタイルのアイテムや、さらにベストを加え3ピーススーツ
として組み合わせた数種類を、自由に組み替える着こなし方。
例えばテーラードのアイテムなら、ジャケットをハリスツイード、
スラックスにコーデュロイ、ベストにはモールスキンなど、
異なった素材で作られた数種類のコーディネートを、組み替えて
着こなすファッションスタイル。
シフトには 「転ずる・置き換える」という意味があり、
マルチプル・コーディネーションと同じ意味で用いられます。
シェイプアップ
身体を健康的で、美しく、適度な体型に整えようとすること。
現代人の健康志向から生まれたもので、器具を使っての運動や
整体の他ジョギングなども含まれます。
オーダースーツから見るシェイプアップは、体重を落として、
若かった頃のようなスマートな体型に戻りたいや、
現在体重を維持することも広い意味で含まれていると思います。
体型変化があれば、まずフィット感が大事なスラックスのウエスト
を調整する必要があり、大きな体型変化なら、仕立て直しという
ことも必要になります。
現在体型維持は、愛用スーツを長くご着用いただくための、
まず第一番にあげられる必須事項かも知れません。
ジーニング
生活のジーンズ化現象をいう。 もともとは某ジーンズメーカーのキャッチフレーズだったが、現在ではことファッションに限らず、ニュー・ライフスタイルのキーワードとして用いられるようになっている。ジーンズのように素朴で人間らしい生活をめざそうというもので、同じような言葉としてジーナリーがあげられる。
サイド・プロポーション
全体のシルエットを、側面からながめた場合の
プロポーション(割合、つり合い)のこと。
スーツの場合には、肩巾からバストライン、ウエストラインの
絞り具合や、裾まわり(けまわし)寸法で、そのシルエットが
構成される。
仮縫い時には、脇下のバランスを見て、前丈・背丈が
適量寸法となっているかどうかを確認します。
サイドバーン
「短いほおひげ」のこと。 アメリカの俗語「バーンサイド」からこの名がある。これもまた同じ意味である。いわゆるモミアゲは”ウイスカー”と呼ぶが、ひげの流行から長いモミアゲのこともサイドバーンと呼ぶのが一般的になっている。
コンビネーション
ファッション用語でいうコンビネーション(結合・組み合わせ)は、
ジャケットとスラックスの組み合わせなどについても
用いられており、独立した素材、色柄で作られた上下のアイテムを、
色のトーンで組み合わせたり、柄の大小で組み合わせたりすること。
ジャケット(替え上着)とスラックス(替えパンツ)の、
を自分の好みや、流行を取り入れてコーディネートします。
また、サドルシューズ※のように白黒2色の配色が特徴の靴や、
上下ひとつなぎの肌着(ユニオンスーツとも呼ばれる)
や仕事着(ジャンプスーツ、キャットスーツ)のこともいいます。
※サドル・オクスフォードのこと。
中央のひも締め部分の色・素材が、
爪先や後部と異なったコンビネーションの靴。
コンテンポラリー
「現代の、同時代の、当今の」といった意味の言葉で、「永久」を
意味するパーマネントの対語。現代的な感性やトレンドを上手に取り入れた、
新しいファッションコンセプトを表現する用語とされるもの。
新しい価値観をもつ人のための新しいファッションという具合に
解釈されいわゆる、ニュートラディショナルを語源とする、
日本的ニュートラ※などがこれにあたる。
テーラードスーツなどの伝統的なファッションアイテムを、
今日的感覚のシルエット、デザイン、素材感で着こなす
コンテンポラリーモデルとは区別して使う必要があります。
※日本独自のスタイルで、いわゆるトラディショナル・ファッションを
きれいな色柄使いなどで<山の手お嬢様>風にアレンジしたもの。
エルメス、グッチなど海外高級ブランドのグッズを組み合わせるスタイルが典型的。
雑誌「JJ」などが取り上げ、1970年代半ばからブームとなった。
語源はニュートラディショナルだが、日本語のニュートラが意味する
内容は独自のもの。ジェイジェイ・ルック。
コンストラクション
服飾用語として使う場合は、コンストラクションは、
コーディネーション(コーディネート)をより意識して、
積極的に取り入れた「着こなし・組み合わせ」のテクニックの
ことを言います。
本来ある、「建造、建設、製造」などの意味が、ファッション用語
として転化したもの。
ジャケット、シャツ、ベスト、スラックスがそれぞれ独立して、
完全なルックスが組み立てられるようになった構成をいい、
スーツのカジュアル化とともに、カジュアル向きな素材で
仕立てられたハリスツイードジャケット、フラノベスト、
ウールパンツなど、ジャケット+パンツのジャケパンスタイルや、
これにベストを加えたコーディネートが、ビジネスの現場にも
多く見られるようになったことから、そのコーディネートに
対しての意識は高まっています。
コンサバティブ
「保守的な」の意味から、ファッション的には、スーツやドレスなどが
その時の流行にとらわれない、昔風のオーソドックスなスタイルの
ものであることをいいます。
スーツとしての原型を保ったスタイルであるため、冒険心がなく
面白みがないものとして使われる場合も多いのですが、
その反面、流行にとらわれないスタイルのため、長期の着用にも
対応することができ、堅実で安定志向のスーツスタイルとも
言うことができます。
コンサバティブは、プログレッシブprogressiveに対して使われ、
「コンサバ」は、コンサバティブの略語、「コンサバリッチ」は、
1970年代頃の世相を反映した、保守的な中に高級感(リッチ)を
求めるものとして使われだしたもの。
コーリレート
ファッションを構成する要素となる、服装の各部分のアイテムに
関連を持たせ、よりよい着こなしを目指そうとする服装術。
コーリレートには「関連性」といった意味があり、服飾関係で使われる場合、
コーディネートを更に発展させた服装術という意味で最近使われる
ようになったファッション用語。
例えばスーツを仕立てる際、ブリティッシュスーツのシルエットでの
オーダーを考えているなら、服地には英国服地らしい織りがしっかり
しており、目付けも重めな、できれば英国ブランドのファブリックを選び、
英国服らしいベスト付きスリーピーススーツにチェンジポケット付きと
するなど、関連を持たせることは、よりファッションを楽しむことに
つながります。
コーディネート
ファッション用語として使われるコーディネートは、
スタイル・色柄・素材などを関連させてその調和をはかり、
ひとつの統一されたルックスに仕上げることをいいます。
コーディネートにもともとある「同等の、同格の、等位の」という
意味から、2種以上のものを同一感覚に統合、調合する意味に
転じて使われています。
コーディネートは、現在では広く「服装術」とも同義とされる
ほどに一般化しており、「ジャケットとスラックスを別素材で
仕立て、その持ち味を生かすマルチプル・コーディネーション」や
「手持ちのワードローブになにか1点をプラスすることで、ルックス
の雰囲気を変化させる、プラスワンファッション」など。
ほか、「カラーコーディネート」「コーディネートルック」
などとも使われています。