pitty savile row
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キルティングコート
キルティング(キルト、2枚の布の間に木綿、または合繊の綿を
はさんでステッチ止めをした素材)で作られた防寒用コートの総称。
キルティングは、保温を目的とする防寒用のほか、防護、装飾のために
用いられ、イングリッシュ・キルティング、アップリケ・キルティング、
パッチワーク・キルティングなどの種類があります。
古くは7世紀ごろイスラム人の鎧の内着として使われていた
記録があり、その後十字軍の遠征によってヨーロッパに
広まったとされています。
キルティングコートには幅広い用途があり、スキーウエアに
使われる派手な色のものから、冬期の現場作業に使われる丈の短いものまで。
キルティングはコート、ジャンパーなど衣服のほか、バッグ、布団などにも利用されています。
カメラマン・コート
比較的新しい時期に名づけられたスポーティなコート。
戦場カメラマン 渡部陽一さんがメディアに多く登場した時期には、
このページのアクセスが急に増え、カメラマンコートへの関心が急に
高まりました。
デザインや素材に決まった特徴が定められているというのではありませんが、
屋外での作業が多いカメラマンのための機能的な防寒コート
としての名前。
カメラマンコートが作られる素材はコットンギャバジン、コットンスエード、
近年では合成繊維など軽くてもがっちりした生地を使い防水、防寒用に備えているもの
が多く、丈は歩きやすさ、動きやすさを考えてスリークォーターレングス。
ポケットも持ち物がたくさん入るように大きくかつ機能的に作られており、
多くは両胸にタテ型のフラップポケット(フタ付きポケット)、
サイドポケット(腰ポケット)に同じく胸と同じものをつけるか
大型のパッチアンドフラップポケット(フタ付きアウトポケット)としている。
内側をジッパーフロントにしたフライフロントの前あわせで、防寒・防風効果を高め、
ドットボタン※をアクセントとしています。
衿は種類も変化も多いが、フード付きのものが主。
※丈夫な金属製のスナップのこと。
水玉のように見えるところから、このように呼ばれる。
ガーズマン・コート
ガーズマンとはここでは「イギリス陸軍の衛兵」のことをいう。
彼ら英国の「近衛歩兵第一連隊」が着用していた肉厚のウール地を用いて
作られたオーバーコートのことで、アルスターカラー、ダブルブレステッド、
共生地の長いベルト付きを特徴としたもの。
軍服だけに機能性が重視され、一般のダブルブレステッド型のコートに比べて
動きやすいように裾の周りが大きく、バックのセンターに内ヒダ
(インバーテッドプリーツ)※がとられ、大型の衿が付けられている。
”ガーズコート”の別称もある。
※衣服や布などにつけられた細長い折り目のこと。英語のプリーツにあたる
オール・ウエザー・コート
全天候型のコートのことで、晴雨兼用の機能をもつ
コートの総称。
コートに防水性を持たせたもので、中には、裏地(ライナー)を
取り外すことで、気温の変化に対応できるように作られているもの
もあります。
ウエザーコートの略称もありますが、明確なコートのスタイル(型)が
あるわけではなく、主にコットンや合繊生地で作られたニーレングス※の
スポーティなもの。
防水素材で作られる、肩章(エポーレット)付き、ベルト付き、
前合わせダブルのトレンチコートもこのタイプのコートだといえます。
※<膝丈>のこと。
膝頭の真ん中から少し上までの長さをいう。
コートやドレスなどで、もっとも標準的な丈とされている。
また、靴下で膝までの長さのものを、一般にこう呼ぶ。
インバネス
日本では明治期に入り「トンビ」「二重まわし」と呼ばれた、
取り外しのできる長めのケープ※が付いた、男性用オーバーコートのこと。
内側は身頃だけで丈が長く、外側は全体をおおう形の、
丈の短いもので構成されたようなシルエットをしています。
インバネスは、スコットランド北西部にあるインバネス港に
ちなんだ語源で、明治20年(1887年)前後、和服用の外套として
考案されたころに流行し、その形状から「トンビ」の俗称が生まれました。
映画監督・伊丹十三氏が言った言葉に「着物にインヴァネスてのは、
ライスカレーと福神漬け、と同じように和洋折衷大成功の1例である」という
ものが残っています。
※肩からゆったりと下がる袖なしの外套。
円形裁断や直線断ちなどがあり、普通、前中央開き、丈や素材、
デザインの変化は多様で、固有の名前もある。
発生は非常に古く紀元前にさかのぼる
アルスターコート
1860年代に男性用のコートとして登場し、
トレンチコートの原型ともされた、ベルト付き
で厚手の丈の長いオーバーコート。
打ち合いシングル、ダブル両方のデザインがあり、初期のものは、
取り外しのできるフードやケープがついていました。
本格的なアルスターコートは、アルスターと呼ばれる
厚手のコート地が使われ、このコートの衿型を、
特にアルスターカラーといい、他にも多く使われている。
アルスターカラーは、打ち合いの深いダブルの衿型で、衿巾の広い
テーラードカラーのこと。
アルスターコートの名称の由来は、このアルスターと呼ばれるコート地が、
北アイルランドのアルスター地方産ウール素材であることによります。
アラスカンコート
アラスカンシールスキン(アラスカ産のオットセイの毛皮)で作られたコートのこと。
交配のためにやってくる、アラスカ産沿岸沖・ベーリング海、
ファーシール・アイランド(プリビロフ諸島)で捕獲される、
アラスカ産オットセイの純種の毛皮。
アラスカンシール・スキンは、やや堅い刺し毛と密生した柔らかな
綿毛を特徴とする天然の毛皮で、最高級のものは125もの工程を経て
作られれます。
その毛皮はビロードのような柔らかさと光沢があり、またアメリカ政府が
その捕獲を制限しているために高価で貴重なものとなっています。
また、その毛皮に似た生地(ウルグアイ・シール)や、まだら模様の
ダーク・ブラウンのベルベット※などで作られた類似品も
この名称で呼ぶことがあります。
以上は本格的なアラスカンコートになりますが、部分的にファー(毛皮)を
あしらったような防寒用コートのほうが一般的で、ファートリミングフード
(毛皮が付けられたフード)などが特徴となっています。
※ビロードのこと。
元来は絹であるが、アセテート、レーヨンなどの繊維も多く使われている。
スーツ、ドレス、装飾布などに用いられる。
アフガンコート
黄色、赤色、青色などを特徴としたカラフルなアフガン模様で作られた
毛足の長い粗いタッチの毛皮のロングコート。
アフガンには「アフガンの」という意味があり、イラン高原の北東部に
あるこのアフガンで着られてきたアフガニスタンの民族衣装の一種。
アフガニスタンコートとも呼ばれます。
ファッション度の高い防寒コートとしては、フォークロアファッションへの
関心度の高さもあり、最適ですが、その独特の臭いが気になるところ。
同じデザインで作られた「アフガンベスト」もあります。
また、カラクール種の羊の早産、死産、母親が死んだ腹子から
とれたブロードテールのうち、特にアフガニスタン産のものを、
アフガン・ブロードテールとして区別して呼んでいます。
ブロードテールは、とても柔らかく、短く細かい毛が特徴的な
毛皮で、独特のモアレ状の波模様があるもの。
※フォークロア・ルックは民族衣装や民族的な工芸・意匠を
イメージ・ソースに生かした独特の素朴なスタイルをいう。
エスニック・ルック、エスノファッションともいう。
ロックノットタイ
あらかじめセミウインザーノット(ウィンザーノットと
プレーンノットの中間程度の太さとなるネクタイの結び方)
の結び目となったネクタイ。
子供の七五三用のスーツに合わせるネクタイも、
このロックノットタイが用意されているものが多く、
わざわざ締める手間が省けるのが特徴。
日本ではループタイ、スナップタイなどの商品名で
販売されているものがあります。
ロイヤルレジメンタル
イギリスの連隊旗から生まれたレジメンタルストライプの縞の間に、
クレスト(紋章)を配置した重厚感あふれる伝統的な柄のこと。
レジメンタルストライプはネクタイの柄として用いられることが多く、
ロイヤルレジメンタルストライプも同様。
クレスト&ストライプとも呼ばれます。
トラディショナルな雰囲気を強くもつネクタイの織り柄で、
アメトラスーツや、ブリティッシュスーツのブイゾーンに
合わせると、とても相性が良いです。
レジメンタルストライプ
レジメンタルは連隊を意味し、イギリスの連隊が隊によって色、柄の
使い方が異なる連隊旗を使っていましたが、この連隊旗に見られる
色糸が表面にあらわれる比較的太めのストライプとなる、
独特の縞柄をこの名で呼んでいます。
「連隊旗縞」というのはこれに因んでの呼び名。
とても伝統のある柄で、現在では主にネクタイの柄、
特にアイビーなどトラディショナル調の柄の代表として
よく見られます。ボタンダウン※のドレスシャツにレジメンタルストライプの
ネクタイの組み合わせは典型的なトラッドマンのVゾーンとなります。
※シャツ・カラーの一種で、衿先を身ごろにボタン留めする
ようになった衿のこと。トラッドの定番アイテムとして、
またスポーティーなシャツとして定着している。
ボトルシェープドタイ
ボトルシェープドタイ(ボトルシェイプタイ)は、クラシックなスーツスタイル
に、よく似合うネクタイの形で、ワインボトルのように、ネクタイの大剣の
真ん中あたりがちょうどボトル(瓶)のようにふくらんだ形のもの。
瓶型のネクタイで、このふくらみ具合が少なめなものを、
セミボトルシェープドタイとして区別しています。
その他ネクタイのシルエットには、細身なネクタイに用いられる、
バーシェープドタイ、大剣に向けて裾広がりとなった塔のような
シルエットとなるタワーシェープタイ、現在のネクタイのシルエットに
一番多く用いられているストレートタイなどがあります。
ボトルシェープドタイは、クラシコスーツやブリティッシュスーツ
など、クラシック傾向のある現在のビジネススーツにも合わせてみたい
ネクタイの形です。
ポケットチーフ
スーツの胸ポケットに飾るハンカチーフのことで、
もともとは、持ち歩くのに適した実用的なサイズの
ハンカチーフのことで、ポケットハンカチーフの
略称。
ポケットスクエアともいいます。
このポケットチーフの飾り方にはいくつかの種類があり、
その代表的なものに、ティー・ブイ・フォールド、
アイビーフォールドの別名をもつパッフド・スタイル、
フォーマルなスタイルに適したスリーピーク・フォールド等
があります。
ポケットスクエア
アメリカで多く用いられるポケットチーフの別名で、
スーツの胸ポケットに飾る四角い(スクエア)な
ハンカチーフという意味から。
ポケットチーフの飾り方には、アイビーフォールドとも
言われる折りたたまずにハンカチーフの中央あたりを
つまんで、軽く胸ポケットに差し込む「パッフドスタイル」や、
三角に畳んでその角を見せる「トライアングラー・フォールド」
三つ折りに畳んでそれぞれの角を見せる「スリーピーク・フォールド」
のほか、アメリカのテレビ局関係者の間から流行した、四角に畳み
胸ポケットの口から1cm程度ポケットチーフを見せる
「ティー・ブイ・フォールド(スクエア)」が有名です。