シャツ地で作られたジャケットのことを指すとともに、シャツタイプのデザインで仕立てられたジャケットのことも意味する。カジュアルムードの風潮から生まれた、ごくカジュアルなスポーツウエアとして人気がでてきた。
ここ数年はクールビズ、さらには2011年の東日本大震災以降、スーパークールビズ、節電ビズなどの要請から、注目度が高まっている。
素材は主に綿を多く含んだシャツ生地、オーダーで仕立てる場合には芯地・付属などを極力省いたアンコン仕立てのものが多く、完全なシャツ仕立てとは大きく異なる仕立て方となる。
Pitty Savile Rowでおススメなのが、ナポリタン・クラシコ仕様のジャケット。このシルエットには肩パッドが入らず、芯地・付属も極力省き、袖付けを「雨降り袖」といわれる袖まわりの「いせ込み」を多くとることで、袖の運動性を上げる仕立て方をしたもの。裏地・芯地を極力省くため、若干のデザイン制限がありますが、盛夏用ジャケットのデザインとは最適シルエットです。
一般に上着を意味する。特に背広型のそれをいうことが多い。ウエストレングスのジャンパーから、スリークォーターレングスのコートまでジャケットと呼ばれることもあり、その種類と変化も多い。
具体的には、テーラードの背広型のものの他、カーディガン型、パーカ（ジャンパー）型、ボレロ型などがある。
近世までは17世紀を中心に男性に着用された「ジュスト・コール」、18世紀以降の男性用礼装上着となる「アビ」など着丈の長いコート型のものが主流で、短い着丈のものは労働者向けのものだった。
ジャケットの語源は、13～15世紀に着られた「ジャック」といわれる兵士の胴衣を小ぶりにしたものを意味するフランス語の「ジャケット」からといわれている。
現在のジャケットが今日的な形で男女の衣服として定着したのは19世紀になってからのこと。
裾をシャーリング（布地を間隔をおいて縫い縮めて、立体的な美しいヒダを出すこと）したブルゾンの総称。シャーリングは女性用の衣服に多く使われるが、現在、男性用にもファッショナブルなアクセントとして採り入れられることがある。
シャーリングにはその技法から３種類に分類され、用途に応じて使い分けられる。基本は、手縫いまたはミシン縫いでギャザーを作り立体的な浮き彫り風の装飾。
ミシン目の下糸を引くことでギャザーを作る「ミシン・シャーリング」。ピンキングすることでギャザーをつくる「つまみシャーリング」。コードを用い、ギャザーを寄せ、蒸気をあてて固定することで立体的な装飾を出す「コーデッド・シャーリング」
ブルゾンの裾のほか、袖口にも見ることができる。
デニム製の軽快なジャケットの総称。 オリジナルのものはウエストレングスで両腕にパッチ＆フラップポケット、全体に独特なトリプルステッチを特徴としたリベットボタン留めのものである。ファッション化の傾向から最近では各種のジャケットのデザインを取り入れたものやコートタイプもある。
いわゆる「ジージャン」のことで、英語では「デニム・ジャケット」のこと。
ブルーデニムに、金茶のステッチが鮮やかで、ジーンズ素材のため丈夫であり、古くなってもユーズドな色落ち感を楽しめる。
近年はその種類も豊富で、ウォッシュドジーンズほか、穴あきジーンズ、クラッシュジーンズ、ダメージジーンズ、ブロークンジーンズなどわざわざ着用後感覚を作り出したものや、古着としても多く流通している。
衿、袖口、裾の３ヶ所をニット遣いにしたジャンパーのこと。 オーソドックスなジャンパーデザインで、はやりすたりがない
身頃や袖に使われる生地とは異なるニットなどの異素材をつかうことでアクセントにもなり、またその色使いでも特徴を出すことができる。
衿をニットとすることで、首まわりも暖かく、袖口や裾のニットはゴム入りのものも多く、寒さを服内に入れない防寒対策にもなる。
ファッション性と機能性の両方を兼ね備えているため、使い勝手も良く多くの人に長く愛用されている。
スポーツ選手やその観戦者が防寒用に着るスタジアム・ジャンパーにも、衿、袖口、裾をニットにしたものが見られる。
また、これら３箇所のほか縁取りを飾るファッションアイテムは多い。
サファリとはアフリカでの動物狩りを意味する。 本来、この目的で作られたシャツカラー、エポーレット付き、両胸と両脇にプリーツ入りのパッチアンドフラップポケットが付き、共地ベルトでウエストを締める。背中にはインパーテッドプリーツがとられる。素材は厚いコットン、色は生成りで前記のディテールデザインのものが本格的だが、これらのムードを感じさせるのもサファリジャケットと呼ぶようになった。共地のスラックスをつけた一式がサファリスーツと呼ばれる。
別名、ブッシュ・ジャケットともいう。アフリカへの探検、狩猟旅行のために２０世紀初めに考案されたもので、フランス語ではサアリエヌ。
素材も前述の厚地のコットンのような丈夫で、アフリカ・サファリの気候に適してものが選ばれ、ディテールもフタ付きのポケットの多く付いた機能的なもの。
エポーレットは、元来兵士の肩当てだったもので、装飾的なもの。トレンチコートなどにもよく見られる。
※インバーテッド・プリーツ
ひだ山が突合せになっているプリーツ。内ひだ・拝みひだ・逆ひだとも呼ばれる。
ヨットクルージング（ヨットで外洋を航海すること）の時着るブレザーのこと。多くは、ネイビーブルーのテリークロス（タオル地）で作られる。ヨットや船舶などのマリンスポーツや船員の衣服から街着などのカジュアル衣料として普及してものは多い。
防水加工のほどこされたフード付きのヨットパーカ（別名セーリングパーカ、デッキ・パーカ、ボーティング・パーカ）。
また、下級船員のことをクルーといい、クルーネック（丸首）を特徴とするクルーセーター、くるぶし丈のリブ編みを特徴とするクルーソックス、クルーカットと呼ばれる髪型は作業がしやすいように短く刈り上げたもので、第二次世界大戦中アメリカ陸軍でＧＩカットと呼ばれたもの。
あのＧＩジョーの髪型です。
グラウンドでスポーツ選手などが着る防寒用のジャンパー、胸にレター（文字）が入ったり、肩から袖口までストライプの入ったものがある。丈の長いものはスタジアムコートと呼ばれることがある。
いわゆるスタジャンのことで、身頃と袖の色が違ったり、衿、袖口、裾がリブ編みになったりしているところが特徴的。野球選手などが、スタジアム（競技場）で着る防寒用の衣服だったためにこの名があるが、街着で着るカジュアル素材としてもずいぶん普及している。
また、着丈が長めなスタジアム・コートはスペクテイター・コートと同義で、衿や胴裏にボア、前合わせをトグルや釦止めなどとした七分丈のショートコート。
素材には防水性のある合成繊維、ハイテク素材などが使われることが多い。
衿なしの上着の総称。 ビートルズが初期に着用したステージユニフォームのカルダンジャケット。またチロリアンジャケットやカーディガンジャケットにこのタイプのものが見られる。
カルダンジャケットは、ピエールカルダンによってデザインされた中国清朝の高級官吏が着用していたマンダリン風のジャケット。
衿なしジャケットはテーラードにもあり、レディーススーツなどのＵネックジャケットはご注文をいただくことも多い人気のシルエット。
かっちりと堅めな装いより、軽く羽織る感覚で、肩パッド・芯地も薄いものを使用し、柔らかなラインが特徴的で、同様の形をしたチロリアンジャケットは、オーストリアのアルプス地方（チロル）の民族衣装で、衿、袖口、ポケットの端に縁飾りのあるもの。
オッドとは「片輪の」「ちんばの」といった意味。 つまり、それひとつでは成り立たない性格を持った上着のことをさしているが、一般にスポーツジャケット、ブレザーなどを含む替え上着の総称。
パンツと対になっていない替え上着のこと。
主にビジネススーツで使用される場合には、上下揃いの２ピーススーツ、３ピーススーツが一般的。またスーツそのものの語源が、上下共生地で仕立てた衣類をさすことから、それひとつでは成り立たないオッドジャケットとなるが、逆に他アイテムとの組み合わせ自由なジャケット単体でも意味をもつ衣服とも言うことができる。
ジャケパン（＝ジャケット＋パンツ）、ジャケスラ（＝ジャケット＋スラックス）のジャケットに相当するもので、セパレートでコーディネートすることに向いたカジュアル向け素材・色柄のものを多く見ることができる。
大きな衿、斜めジッパー、フロントジッパー、ポケットを特徴としたウエスト丈の短い上着。衿に毛皮を付けたり、ショールカラーでボタンフロントにするなど、そのデザインの変化は多い。飛行機乗り愛用のジャケットだったが、今ではオートバイライダーたちに良く着られている。エイビエイターは飛行士のこと。
トムクルーズの出世作となった「トップガン」には必須のアイテム。映画チラシのトムクルーズもこのエイビエイター・ジャケットをしっかり着用。オートバイに乗るシーンもあるので、大活躍なエイビエイタージャケットです。ちょっとライバルっぽいアイスマンを演じたヴァル・キルマーがのちのバッドマンだということを最近知りました。ヒット作、名作など注目を集めた作品からは、そのまわりの人にもスポットが当たるんですね。。
※ショール・カラー
へちま衿のこと。タキシードやドレッシング・ガウンによく見られる。
ウエストラインに、はっきりとウエストシームがとられたジャケットで、背中にプリーツやパネルが付けられることもある。第一次世界大戦後のジャズエイジに流行した。
パネルは「羽目板」の意味で、本来の表生地とは違う生地を縦にはめ込む装飾的な布。中心部にはめ込んだ「センターパネル」、脇側にはめ込んだ「サイドパネル」、装飾的に別布を垂らす形となる「フローティングパネル」があり、この別布でできる切り替え線を「パネルライン」という。
このウエストシームジャケットは、ヨーク、背中のセンタープリーツ他アウトポケット、ステッチ、背バンドなどと相性が良い。
このデザインは、Pitty Savile Rowのカスタムメイドライン他、ビスポーク仕様のスーツで標準対応が可。
「防風衣」のこと。 野球その他のスポーツ選手がユニフォームの上にはおるジャンパータイプのジャケットのこと。また、ゴルフ場などで風雨を避けるためにも使われる。目のつんだナイロン、コットンなどが素材に使われ、衿と袖口にはニットをあしらって機能性第一に考えられたものが多く、フード付きのものもある。
機能的にすぐれたスポーツ用のアイテムを街着に着こなすファッションスタイルから、ウインドブレーカーのようなスポーツジャケットも多くの色柄のものを見かけるようになった。この場合、ヘビーな「防風衣」というよりも、色柄素材にはよりファッション性を重視したもの。
ウインドブレーカーと似た用途、形のものに、「パーカ」「アノラック」「ヤッケ」などがある。
イギリスの有名な学校「イートンカレッジ」の制服として用いられる丈の短いジャケットのこと。ごくオーソドックスなオッドジャケットのウエストから下を切り落とした感じである。また制帽として用いられたものは”イートンキャップ”、イートンハットは黒のシルクハットのこと。
着丈の短いジャケットは、胴を短く見せ足長に見せる効果があり、またこの極端に短いイートンジャケットのシルエットをもつものは、裾回りがウエストラインをすっきりと見せる。
この「イートン校」の制服などを含めたスタイルからは、ほかに製服用のシャツとして使用された白地の広巾衿となる「イートンカラー」、髪型から流行した「イートン・クロップ」はボーイッシュな短い断髪を横わけにし前髪を片側に撫で付けたもので、アメリカでは「ボーイッシュ・ボブ」、フランスでは「ギャルソン」と呼ばれる。
※オッド・ジャケット
ズボンと対になっていない上着。替え上着のこと。
フード付きにした防風衣の総称。 登山、スキー、ヨットなどのスポーツ用衣料として広く用いられる。
このアノラックは本来、イヌイットの衣服でアザラシの毛皮で作られていたもの。イヌイットはエスキモーと呼ばれるツンドラ地方の民族集団に属する民族で、アラスカ北部以東に住む人たちのこと。
アザラシはイヌイット族により食用にされていたもの。毛皮はヘア・シールといわれ珍重され、乱獲されたために現在では保護協定が確立されている。
このアザラシの毛皮は成長段階により模様が異なり、中でも「ホワイトコート」「ピーター」が稀少。綿毛がないのが特徴で、灰銀色の毛は長く硬いため、一度寝てしまうともどりづらいため扱いが難しい。
