ボタン・ボタン穴
レザーボタン(革ボタン)
革でくるんだボタンのこと。 いわゆる革ボタン。カントリーライクなジャケットに多く使われる。ノーフォークジャケットには必ず付けられるボタンである。
ツイード、ハリスツイードのような野趣ある素材で仕立てられるジャケットはざっくりした織り感。それのみで存在感があるが、そういった重厚感のある素材のなかにあって負けないレザーボタン(革ボタン)。レザーボタンをくるむ革の色にも微妙な差があるため、ジャケット用生地の色合いとで相性を選ぶ。
ノーフォークジャケットに特徴的な、背バンド、ヨーク、アクションプリーツ、エルボーパッチなど、それぞれのオプションを用いたスポーティーなジャケットとも、レザーボタンはしっくりくる組み合わせ。
ラクトボタン
合成樹脂で作られたボタンのこと。 俗に「ねりボタン」と呼ばれている。現在使われているボタンのほとんどはこのタイプのものである。
オーダースーツで使用される釦も高級練ボタンとサイト内でもご案内させていただいているもので、無料オプションの全てがこれに当たる。
プラスチック釦の一種であるラクトボタンは、ミルクに含まれるカゼインを主原料とする合成樹脂をもとに作られるボタンで、本水牛釦やナットボタンなどとは異なり化学的に作られるもの。
その特徴としては、摩擦に強く丈夫で割れにくい。加工がしやすく、染めやすい、またコスト的にも優れたボタンのため、現在広く普及することとなっている。
色柄も、無地、光沢感の強いもの、マーブル調などバリエーションも豊富。
メタルボタン
金属で作られたボタンの総称。 ブレザーのボタンはこれでないと、正式なものとは呼べない。コートなどにも用いられることが多い。プレーンなものから、メッキをほどこしたもの、彫刻や鋳型を用い模様を付け、装飾をほどこしたものまで種類が多い。
紺のブレザー、いわゆる紺ブレに金ボタンなどは、トラッドファッションの定番スタイル。
七宝ボタンなどは高級ボタンとして1セット8千円~1万円程度するものもあり、カジュアルジャケットに独特のテイストと存在感を与えている。こういった、良いボタンはジャケットが古びて着れなくなってしまったも、新調したジャケットに付け替えて使用するのがおススメ。手のあぶらなどで、深い光沢を増し、アンティークというほどではないが、ファッション性が高く、ひと目をひくアイキャッチ、アクセントとしては最適な部品。
ボタンホール
ボタン穴のこと。 穴かがりはボタンホールアイレット、ボタンホールステッチ、という。また、イギリスではボタン穴にさす飾り花をこの名称で呼ぶことがある。
オーダースーツに用いられるボタンホールには穴かがりとしてのステッチが施されており、ボタンホール・ステッチにはいくつかの種類がある。クローズ・ステッチといわれる穴かがり縫いがこれにあたる。ボタン穴の切り口のほつれ止めと使用頻度の高いボタン穴を丈夫にする目的がある。ブランケットステッチで縫われることが多いが、ステッチ先端の縫い目に山を作ることで更に丈夫な穴かがりとして、ダブル・パール・ステッチで刺したテーラード・ボタンホール・ステッチという種類のものもある。
このように服飾のポイントとして利用度の高いボタンホールには、その穴かがりに使用する糸の色を指定するというオプションも用意されています。また、ラペルに付けられる衿穴(フラワーホール・ラペルホール)も古くはボタンホールとして利用されていたもの。
ボタン
衣服の開き部分を留め合わせる球状、平板状のもの。表に糸通しの穴がついているものと、裏側にシャンクが付いているものがあり、釦穴やループにくぐらせて止める。
実用的また装飾的に重要なアクセサリーである。ボタンが一般化したのは産業革命以降と比較的新しいが、それ以前13世紀ごろからヨーロッパを中心に、中国のとんぼ玉に影響され、当時は富裕を象徴する装飾的なアクセサリーとして、金・銀・宝石などを用いて作られていた。婦人服では、テーラードジャケットが着用されるようになった19世紀以降。素材は合成樹脂(ラクトボタン、ねりボタン)、パール(真珠)、クローセ(クローセ編みおおい)、貝(貝がら)、金属(メタルボタン)、ブラスボタン、レザーボタン(皮革おおい)などがある。
オーダースーツ的なオプションとして人気のある共布釦は、スーツ生地と同じ生地でボタンをくるんだもの。くるみ釦ともいう。
日本では、和服・着物という衣服の形態から必要とはされなかったが、普及したのは明治維新以降、軍隊の軍服に用いられたところからその需要が高まった。ボタンはポルトガル語に由来するもの。
※ラクトボタン
プラスチック素材のボタンの一種である。牛乳の中のカゼインを原料とした合成樹脂を用いて化学的に作られたもの。丈夫で摩擦に強く、加工性、生産性にもすぐれ、酸性染料で簡単に染めることができる。
ホーンボタン
動物の角から作られたボタンの総称。ボタンの歴史から言えば、もっとも古くから用いられた素材、高級ボタンとして今でも愛用する人が多い。オーダースーツでは、水牛の角から作られた本水牛釦(リアルホーン釦・バッファロー釦)が有名。天然のもののため、ひとつひとつ微妙に色柄が違い、独特の光沢感がある。また、割れづらいという品質の良さも使用頻度の高い釦という部品としては最適な素材。
使い込むと更に良い味がでて、古いジャケットやスーツに使用されていたものを、わざわざ付け替えて使用する方もいらっしゃいます。
また、ピーコートのトグルの代わりに、水牛の角の先端部分を使ったものなどもあり、野趣あるデザインに大きなアクセントとなっている。
シェルボタン
白蝶貝、黒蝶貝から作られたボタン。 いわゆる貝殻で作られる貝ボタンのことで、小さいものはシャツ用のボタン、大きいものは夏用のジャケットのボタンに使われることが多く、二つ穴、四つ穴などバリエーションも多い。
ほか、メキシコアワビ貝、高瀬貝、広瀬貝などを使用し、天然の色合い光沢を生かしたグリーン、ブルー、ピンクなど高級感のあるアイテム。
また、白蝶貝、黒蝶貝はフォーマルにも用いられることが多く、白蝶貝は、燕尾服・イカ胸シャツに付けるフロントボタンとカフス用。黒蝶貝は、タキシード用。白蝶貝には正装用、黒蝶貝には、準礼装用という区別があります。
昼用・夜用に着用するのに使用される白蝶貝・黒蝶貝それぞれの白・黒の色合いは、考えられたもの。
カラーボタン
アタッチドカラーをドレスシャツの身頃につける場合に用いるボタンのこと。
アタッチドには「取り付ける」などの意味があり、カラーボタンはこの取替え可能なデザインを持つアイテムを止める際に用いられるもの。カラーボタンのほかに、スナップ止めや直接糸で取り付けられることもある。カラーボタンで止められるアタッチドカラーの代表的なものには、メンズシャツの「替え衿」がある。
このとき使われているカラーボタンのカラーは「色」ではなく「衿」のこと。
礼装用に用いられることが多いが、衿の台となる衿腰部分に、このカラーボタンで替え衿をセットし、同じ身頃のシャツで違った雰囲気を楽しめる。衿型、色・柄などでカジュアルジャケットやパンツの着こなしにも巾ができる。
アイレット
鳩目のこと。金具で縁を飾った靴紐を通す穴やベルト穴のこと。また、それに付ける輪状の金具のことも意味する。
学生当時のスニーカーやバスケットシューズの鳩目穴の金属部分が取れてしまって、あと不自由した思い出も。金色や靴と同色の白色などに塗装された小丸の金属金具。
広くは、小さな穴のことを意味し、コットンやリネンなどにこの鳩目穴をモチーフとしたものを模様化して刺繍したものにをアイレットステッチ、この刺繍された鳩目穴をアイレット・エンブロダリーという。
鳩目穴は、ジャケットやパンツの釦穴、ラペルの衿穴などと同じ、穴かがりの一種で、布地表面に切り込みを入れ、使用頻度の多い釦止め、紐通しの部分を丈夫に作ることを目的としたもの。
穴かがりを色糸で指定するなどは、オーダースーツ的にも大きなファッションポイントのひとつ。