カジュアルシャツ

深い青と白のチェック柄が特徴的なハワイ生まれのコットン素材のシャツ。
アロハシャツの原型であると言われています。

19世紀、サトウキビ産業のために多くの日本人が従事していました。
その際、日本人が着物を元に試行錯誤しながら生み出した
作業着がパラカシャツでした。
チェック柄になったのは、現地で手に入れやすい生地を
使用したことに由来しています。裾をズボンに入れなくても、
作業の邪魔にならず、ゆったりとしたシルエットで風通しが良いため、
ハワイの気候に適していました。時代と共にパラカ（＝作業着）の
意味合いが変化し、生地そのものをパラカと呼ぶようになりました。

現在は、夏服のお洒落として様々なカラーの
パラカシャツやパラカジャケットが楽しまれています。

布地にプリントがほどこされているシャツのこと。
手捺染、機械捺染などの方法で、プリントされる
柄種類は多種多様。
ドット柄に幾何学模様を重ねるなど、プリントの
うえにプリントを重ねることで、新しい柄を
作り出すプリント・オン・プリントといった
捺染の方法もあります。

プリント柄の種類には、具象的な柄となるフィギュラティブ
プリント、土地・風俗に由来するフォークロアプリント、
ハワイアンプリント、グラフィックプリント、アフリカンプリント、
ズーパターンなどアニマルプリントほか、さまざまな
デザインをモチーフにして作られます。

仕事から解放され、リラックスした余暇を過ごすときに
着られるシャツの総称で、多くの形、種類のレジャーシャツ
がありますが、パイロットのシャツデザインをモチーフに
作られたパイロットシャツや、アフリカのサファリ探検を
モチーフにデザインされたサファリシャツなどがその
代表的なもの。

スポーティーなデザインを大きな特徴にもつアウターシャツで、
フラップ付きのアウトポケット、ビッグポケットやスリーブポケット、
エポーレットなどが取り入れられた、より解放感のあるシャツ。

※サファリはアフリカでの＜探検旅行＞の意で、
その際着用した服に着想を得たスタイルが1960年代に流行。
厚地綿などの防水素材にパッチ・ポケットがついた
スポーティなシャツ。

アウター感覚で着る、大きな格子柄の厚地なウール素材、
左右の胸に大きめなポケットが特徴的な、シャツ型ジャケットの
ことをランバージャック・ジャケット、ランバーコートといいますが、
中でも特にシャツ感覚で着られるタイプのものを、ランバージャック
シャツと呼びます。

ランバージャックには「きこり」といった意味があり、
このシャツ型ジャケットは、カナダのきこりたちによく
着られたことから、「カナディアンシャツ」の名称でも
呼ばれます。

胸あたりまで取られた丸首シャツの開きをボタン止め
とするヘンリーネックラインで作られたらくだ色の
メリヤス肌着のこと。
ループを絡み合わせることで、１枚の布に編まれる
メリヤスは伸縮性もあり、着心地の良い肌着として
年配者によく着られており、ラクダ色で作られている
ことから、「ももひき」とならび、「らくだ」と
通称されています。

ポロ競技に使われていたことに由来するシャツデザインで、
ポロネックといわれる衿腰が立ち、前に傾斜しながら折り返る
衿型、半袖、胸あたりまでの間に２～３個の前立て釦止め、
脇裾にプラケットを特徴とするプルオーバー型のニットシャツ。

現在では、ニットのほかテリー織りされたタオル地などの
夏向き素材で作られたものもあり、スポーツから普段着として
多くの人に愛用されるシャツデザインになりました。
ポロ競技は、ホッケーににた馬上競技で４人１組のチームで
戦う紳士のスポーツ。

※プラケット
おもにスカート、ドレスなどの脇あきをさすが、
衣服の着脱を容易にする目的のためにあけられた
あきのこともいう。

イギリスのテムズ河畔の町ヘンリーで開催されるボートレース、
「ヘンリーロイヤルレガッタ」に出場する選手のユニフォームに
由来する、衿型ヘンリーネックを特徴とするプルオーバータイプの
シャツデザイン。

ヘンリーネックは、Ｔシャツにプラケットが取られたように
丸首の前中央あたりから開きが取られボタン止めとした衿型で、
なかには、紐が通せるようにデザインされたヘンリーシャツも
あります。

フラネレットはコットンフランネルのこと。
生地表面に肌ざわりの良い毛羽のある綿ネルシャツで、
カーゴパンツ、カーペンターパンツなどワークルック
に合わせるカジュアルシャツとして人気が高く、
格子柄やピケ、無地など色柄の種類も豊富。

秋冬シーズンの子供服として、その他パジャマや
肌着としても愛用されています。

バギーパンツと同様に、袋のようにだぶだぶとしたシルエットを
もつことから、たっぷりとしたゆとりのあるオフボディなシャツ
のことを、バギーシャツといいます。

そのゆったりとしたシルエットから、カジュアルに着る
ファッション感覚の強いデザインや、派手めな色柄のもの
が多く、主に夏用の半袖シャツのシルエットに使われています。

多くのビジネスパンツが裾に向かって細くなるテーパード
なのに対して、バギーパンツやオクスフォードバッグスは、
ワタリ～裾まで巾広なストレートのシルエットをもつパンツ。

左右の肩にエポーレット（肩章）、胸にフラップ付きの
ビッグポケットが特徴的な、パイロットのユニフォーム
または、パイロットが着用するシャツをイメージして
作られたアウターシャツのこと。

日本では１９７８年の夏に流行したシャツデザインで、
現在でもレジャー向けシャツとして愛用されています。

パイロットシャツのほか、パイロット（飛行機操縦士）
が着る衣服から一般にも普及したアイテムには、
ボンバージャケット、ダムジャケットなどがあります。

編み地で作られたニット製のシャツの総称。
布帛製の衣服よりも動きやすく、シワにもなりにくいこと
からＴシャツ、ポロシャツなどスポーツシャツタイプの
カジュアル向きシャツ、ニットシャツにプリントを
ほどこしたプリントニットシャツとして普及しました。

ニットには大きく分けて４種類の編み方があり、
ハンド（手編みニット）、フラット（横編みニット）、
サーキュラー（丸編みニット）、ワープニット
（経編みニット）。
ニットの歴史は古く原始時代から。
ジャケットやスーツもニットで作られることがあります。

スカートやドレス、シャツなど動きやすくするために
取られる「脇あき」や、着脱を容易にするなど
デザイン上の目的で、プルオーバータイプのシャツの
首元・前部に取られる前立てのことをプラケットと
いいますが、このプラケットが特に深くとられている
もの。

また、プラケットは袖口や裾などにも取られ、
ドレスシャツの前立てを表側に折り返して作るタイプ
のものを「プラケットフロント」と呼んでいます。
これとは逆の裏前立ては「フレンチフロント」。

1960年頃からアメリカを中心にジーンズに合わせる
アウターウエアとした着用されるようになった
丸首・半袖のメリヤス肌着で、身頃に対して袖が
直角に付けられているため、広げた際、「Ｔ字型」
に見えることからＴシャツの名前で呼ばれています。

全体的にルーズなシルエットをもつ丸首、
動きやすく着やすいメリヤス製のＴシャツは、
1970～80年代に日常着として全世界に普及し、
タンクトップとならび夏には必須のカジュアル
アイテムとなっています。

※メリヤス
編み機でメリヤス編みにした生地のこと。

Ｔシャツのように袖と胴を筒型で作られた
ボクシーなシルエットを持つファンシーなシャツ
の総称で、古代ローマのトゥニカを語源とする衣服のこと。

古くから世界の多くの民族で使用されており、
古代ギリシャのキトン、中世ヨーロッパのコットは
その代表的な表着で、下着としても使われていました。

また、チュニック丈といわれる腰からヒップが隠れる
程度のロングジャケットのことをチュニックジャケット、
共生地のスラックスを組み合わせたものをチュニックスーツ
といい、ベルテッドスタイルとされたミリタリー調の
ジャケットを、チュニックと呼ぶこともあります。

※ボクシー・ライン
箱のように四角いシルエットのこと。
トップスやコートにみられるストレートで直線的なライン。

シャツとネクタイを共生地（同一生地・同一色柄の生地）
を使い作られたシャツセットのこと。
シャツをオーダーする際にも、余り生地でネクタイを
作ったり、ハンカチを作ったりするサービスをして
くれるメーカーもあります。

オーダースーツでは、共生地で作られるジャケット
＋パンツのスーツにベストを加えたスリーピース、
ネクタイを同一生地で、またはコートも共生地でと
いうコーディネートもお楽しみいただけます。

シャツには大きく分けてビジネススーツなどに合わせて
着用するドレスシャツと、サッカー、テニス、ランニングなど
スポーツ時に着用し大きさをＳ・Ｍ・Ｌなどのサイズで表示される
スポーツシャツの種類があります。

スポーティ・スポーツシャツは、衣服のカジュアル化がすすみ、
ドレスシャツとスポーツシャツなどのカジュアルシャツとの
差があまりなくなってきたことから、スポーツシャツらしい
スポーツシャツ、本格的なデザイン仕様で作られたスポーツ
シャツを強調してこのように呼ぶようになりました。
アメリカ海軍下士官の制服をモチーフに作られた
ＣＰＯシャツなどに対して使われています。

夏シーズンのクールビズ時には、ネクタイなしで着られる
ことも多い半袖、長袖などカジュアルなシャツのこと。

スポーツシャツの作られる素材・色柄はとても豊富で、
グラフ用紙ほどの小さなチェック柄のグラフチェック、
２色の格子で作られるタッターソールチェック、カラフルな
色数の縞で作られるベンガルストライプなどが代表的です。

タイドアップしたドレスシャツとして着用されることも
あり、カバナセットは、ボトムスに共生地の海水パンツを
組み合わせた男性のビーチウエア。

アイビールックには欠かせない着丈が短めな
アウタージャケットのことで、アメリカ海軍
下士官が艦上で着たＣＰＯシャツの別称。

大きなチェック柄の厚手紡毛地で作られることが
多く、シャツカラー、両胸にはパッチ＆フラップポケット、
裾は水平にカットされているのが大きな特徴。
本格的なものは、肩にエポーレットが付けられます。

アメリカ海軍の下士官ＣＰＯ（チーフ・ペティー・オフィサー）が
艦上で着用した制服デザインをモチーフに作られたシャツ型の
ジャケットのことで、両胸にパッチ＆フラップポケット、エポーレット
を大きな特徴。
水平にデザインされた裾を外に出して着るアウタージャケットとして
アイビールックを代表するアイテムとなっており、多くが厚地の
ウール地を用いた派手なチェック柄などで作られています。

※エポーレット
肩章・肩飾りのこと。肩につけたタブ状の布片で、
元来兵士の肩当てだったもの。
トレンチ・コートなどによくみられる。

フィールド内を４人一組の馬上で戦うホッケーに似た
ポロ競技のユニフォームに由来するシャツデザイン、
ポロシャツの、衿（ポロネック）・カフスと袖・身頃の
生地を変えて作られた、クレリックシャツのような
ポロシャツのこと。

ポロネックは衿腰が立ち、前身に向かって傾斜しながら
折り返る衿型。
クレリックシャツはビジネススーツにも合わせられる
ことが多いシャツデザインで、１９２０年頃大流行
しました。