コートのデザイン
ヨーク
コートやジャケットの肩や胸や背部分、またスラックスの腰などに
入れる切り替え※布のこと。シャツの肩に入れられるヨークが
一番目にすることが多いかも知れません。
ヨークには直線的な形をしたストレートヨークのほか、
アーチ型やV字型などを基本とした変わり型(ファンシーヨーク)として
スカラップヨーク(逆山型)やウエスタンヨーク(逆山がふたつ付く型)などがあります。
またジャケットの背中にタテ型のサイドヨークが付くこともあり、
ヨークは装飾的に入れられるほか、平面的な生地を立体的な
身体に沿わせるための機能的な縫製技術として、横方向に、
ゆとりを持たせたい場合に用いられます。
また、ヨークの切替部分には、ステッチが施されている
ことが多いのも特徴的なところです。
※デザイン効果を狙ったヨークやパネル・ライン、
プリンセス・ラインなど、また、体型に合わせるため
構造上必要な縫い目のこと。
ディーリング(Dリング)
トレンチコートのベルトや、袖口、ベストのアジャスタブルベルト
としてつけらるD字形をした金属環のこと。
シンチ・クロージング、Dリング・クロージングとも言われるもの。
D形の二重のリングを止め具として使うもので、ベルトのストラップ
などをまず二つのリングに通し、つぎに一方のリングのみに通し、
最後に逆方向に引っ張ることで固定します。
本来は手榴弾などを吊るために付けられていたものですが、
装飾的なデザインとして、本格的なトレンチコートにはその名残として
付けられています。
ダッフルフロント
主にコートや毛布などに用いられる、両面起毛した厚地紡毛地ダッフル
を使って作られたダッフルコートに特徴的なトグル(浮子型の木片)を
細ロープで開閉する前合わせの型の1種。
現在では、このトグルボタンを付けられたものに限らず、ボタン止め
とされたフロント部をもつダッフルコートもあるため、
この特徴的なトグルボタン付きデザインを特にダッフルフロント
と呼んでいます。
ダッフルはこの両面起毛された厚地紡毛織物のことをさし、
ベルギーのアントワープ付近の地名に由来するもので、
北欧の漁民が防寒着として着用していたものが、
第二次世界大戦中、英国海軍が軍用に採用したことから、
一般に普及したもの。