色・色彩
こっくりカラー
「ファッションの秋」を感じさせてくれるような、
深みのある茶系を中心とした秋色のこと。
具体的には、「ブラウン」「モカ」「カーキ」
「グリーン」「オリーブ」「マスタード」「イエロー」
「ベージュ」「ボルドー」「ワイン」「レッド」など、
色めの巾はとても広いこっくりカラー。
落ち着いた秋の色なので、大人らしいコーディネート
に合わせやすいカラーアイテムです。
ネイビーやグレー系中心のビジネススーツから
すると、茶系スーツは、靴やシャツ、ネクタイを
合わせることから考えれば、おしゃれ度が高く、
大人の余裕を見せてくれる、表情豊かなスーツ色。
毎シーズン展開されるオーダー生地の中でも、
数少ない色めになります。
ラピスラズリ
絵の具のウルトラマリンと同一色となる、強い紫色を
帯びた美しい藍色で、「瑠璃色」のこと。
色名の由来となる青金石は、ラテン語で石を意味する
「ラピス」と青を意味する「ラズリ」(準宝石ラピスラズリ・瑠璃)に
由来し、古くから宝石として貴重なものとされていました。
強い色味のスーツ色。
この色のスーツ生地を探すのはなかなか難しいところですが、
価格に糸目をつけなければ、市橋毛織の「王侯の装い」や、
豊富なバンチブックをもつホーランド&シェリーなどから
探すことができそう。
また、逆にメーター数百円程度で市販されている婦人服の生地
などからも探せそう。
バブル期のソフトスーツに見られた色。
マルチカラー
マルチカラーは、多色配色、多色使いのことで、一般に
スーツやジャケットの生地の中には、いくつかの色が
使われている場合が多いですが、2色~4色までで、
それを超えるとマルチカラーと言われる場合が多いです。
例えば多くの色を使っている縞柄をマルチカラー・ストライプや、
多色使いの格子柄をマルチカラー・チェックなど。
オンビジネスで使われるアイテムよりもカジュアル向きな
シャツやスポーティーなスラックスに使われます。
また、多くの異なる生地柄や場合によっては異素材を使い、
ジャケットやスラックスをパーツ(左右の身頃や、袖、
ポケットなど)によって使い分けて仕立てたものを、
クレイジーパターンといいます。
ハンターグリーン
ハンターズグリーンとも呼ばれる、狩猟用の衣服に
用いられたことから名づけられた「くすんだ緑色」。
ぼんやりと黄色味がかって見えるダークグリーン。
狩猟用のスタイルはハンティングルックといわれ、
動きやすいようにアクションプリーツのついた
ノーフォークジャケットや、ガンパッチ、
エルボーパッチなど機能的なアイテムが特徴的な、
ハンティングジャケット、シューティングジャケット
などが含まれます。
ハンティングルックに使われる素材は、丈夫で耐久性に
優れていることが要求され、ハリスツイードや、
ポーター&ハーディングなどが人気の生地ブランド。
バーガンディ
バーガンディは、深くて贅沢な感じのする赤色のことで、
フランス南東部ブルゴーニュ地方産の赤ワインの色を
特にバーガンディーといいます。
赤ワインに由来する色名にはバーガンディのほか、
ボルドー、クラレット、ブルゴーニュ、ルージュ
などがありますが、バーガンディは、クラレットよりも
暗い赤色になります。
これら赤ワインに由来する色名は、ワインレッドと
総称されることも多いです。
イタリアのセリエAミランから帰国した際に、
本田圭佑選手が着ていたワインレッドの色が鮮烈な
スーツにサングラス姿は記憶に新しいところです。
トリコロール
トリコロールは3色配色を意味するのですが、
特別に、フランス国旗に見られる「青」「白」「赤」
色構成をいいます。
とてもわかりやすい配色なことから、ファッションでは、
テニスウエアなどの服飾デザインに用いられており、
近年メンズスーツのデザインを手がけるトムブラウンに
多用されるトリコロールテープによって、その関心、
知名度が高まっています。
また、イタリアでは「赤」「白」「緑」の配色をトリコロール
と呼んでおり、新しい3色配色として、クリケット競技の
ユニフォームに使用されている「黒」「白」「赤」の
3色配色をクリケットトリコロールと呼びます。
テラコッタ
植木鉢などによく見る、黄色みの強い赤、
赤褐色のこと。
粘土を焼いたときに出る赤みのかかったオレンジ色
であることから、テラ・コッタはイタリア語で、
赤土を素焼きした粘土製品を意味します。
ファッションアイテムにも多く取り入れられており、
落ち着いた大人の女性を感じさせるレディーススーツや
スカート、秋から冬にかけてのシーズンが似合いそうな
メンズカジュアルのジャケットなど。