重ね着をしたルックスの総称。 セーターにカーディガンを重ねるなどの形はすでにあったが、長袖シャツの上に、半袖のニットウエアを重ねるといった着こなしは、新しい。特に新しい感覚の重ね着をいうことが多い。ニューレイヤードルックの用語もある。ツインセットもそれのっひとつである。
ツインセットはツインニットともいわれ、衣服のコーディネート方法としては古く1930年代に流行したもの。色柄・デザインが同じのカーディガンとプルオーバーを重ね着するアンサンブルで、レイヤードルックのはしりのようなもの。
下の衣服をどのように見せ、上の衣服の色とのバランスをどのように組み合わせるかで、ファッション的なセンスや上手下手がの差がでる。２枚重ねをレイヤード、３枚以上重ねればスーパーレイヤードなどという。
ヨーロピアン調のカジュアルルックの総称。 アメリカンカジュアルに対峙するものだが、よりエレガントな外観に満ちているのが特徴。また着こなし的には、かなり自由な組み合わせが許されている。
ヨーロピアン・カジュアル（ＥＣ）と、アメリカン・カジュアル（ＡＣ）はともに和製英語。アメカジと俗称される、アメリカン・カジュアルのほうが現在若者には、なじみの深いファッションスタイル。アメカジは、米国東部のアイビールックや、西部のカリフォルニア風のスポーツファッションを代表とするものだが、これと比較される欧風調なヨーロピアンカジュアルは、優雅な休日的な雰囲気をもつスタイル。
ヨーロピアンカジュアル的な装いには、素材使いや素材そのものの質感にも注意したいところ。
ユニは「同一の」意味から性別意識のない服装などについて用いられる用語である。もともとは１９５６年、アメリカの性科学者ソローキンの著書「米国の性革命」に端を発するものである。その思考がファッションの世界にまで及んだ結果といえる。モノセックスともいう。トランスセクシュアルファッション。
色柄や素材使いの傾向によって、男女とも性別の区別なく使用することができるファッションアイテム。ユニセックスのユニは「男女の性が同一の」といった意味、モノセックスのモノはより結合した感じに「性別の区別がつかない」といった意味がある。
衣服の構造的な面からは、左前はメンズスーツ、右前はレディーススーツという見方もあるが、以前ほどその厳密な区別は少なくなっている。
Ｔシャツやセーターなどプルオーバー的なアイテムは、より性別の壁を越えやすい。
マスが「集団、多数、多量」を意味することからもわかるように、一般化し大衆化したファッションのことをいう。機械で大量生産される既製服のこともさす。
規格化された学生服でさえ、着丈を短くしたり、長くしたり、パンツはタック数を増やしてモモ巾はゆったりめ、裾巾を絞ったボンタンスタイルなど仕立てる学生さんまで。制服的なビジネススーツとは一部対極にあるオーダースーツは、やはり仕立ての良さはもちろんですが、画一的に大量に機械生産されてしまうスーツでは標準体型にならざるを得ない、個人的な寸法の違いや、好みに合わせたディテール、シルエット、デザインなどにも細かく対応。
大衆化しすぎてしまった既製スーツに対して、脱マスファッション的な位置づけのオーダースーツです＾＾
健康的なファションの意味。 スポーツを核とした都会的な感覚のファッションを総称するもので、たとえばテニスルック、マリンスポーツルックなどがこれにあたる。
ヘルシーとファッションは縁が全くないものではないと思うが、一つのファッション用語として結びつくのも少し不自然なような。これも健康ブームからのつながりでしょうか。ゴルフウエアやジョギング用の衣服など、スポーツをするために快適な素材・構造をもったもので、原色もしくは原色に近いような活動的な色柄のものが多い。
また、胸や袖にスポーツクラブなどのロゴや、対象スポーツの用具をモチーフとしたような刺繍やプリントなどが入っているのも特徴的。
衣服のカジュアル化がすすみ、その高い機能性や着やすさから、ちょっとコンビニ、友人宅など街着を中心として利用する人も多い。
超・重ね着ルックのこと。 一般のレイヤードルックの考え方を一歩おしすすめた着こなし方をいい、シャツオンシャツ、セーターオンセーター、またそれらのミックスなど縦横に取り入れたものとなっている。スーパーレイヤードともいう。
レイヤードは２枚の重ね着、ヘビー・レイヤードは３枚以上の重ね着をするファッションスタイル。また、ヘビーレイヤードはスーパーレイヤードのほか、マルチ・レイヤードと呼ばれることもある。
スーツ的にいう場合、ジャケット・ベスト・シャツ・ネクタイもそれぞれにレイヤード効果を持ち、その色あわせ・柄あわせから演出されるＶゾーンはメンズスーツにおいてのファッションセンスの見せどころ。比較的釦位置の高いスーツでは、ベストが隠れて顔を見せてくれなこともありますが、身頃や衿付きベストの衿部分などは、動きによって見えたりします。。夏場にネクタイを外してちょっと物足りない気分の方は、ヘビー・レイヤード的スーツのＶゾーンに是非挑戦して見てください＾＾
プレップルックともいう。 プレップとはアメリカの大学進学コースの私立高校、予備校のことで、そうした学校の学生や卒業生たちの服装をこう呼んでいる。’５０年代ファッションの復活から、こうしたキャンパスルックが注目され、日本ではニューアイビーとして流行の気配をみせている。
プレッピー・ファッションは素材使いや仕立てが上質なものを、さりげなく気軽に装うのがポイント。少し崩した着こなしが特徴。
また、プレッピーにはプレップ・スクールは学費が高いことなどから通っている学生は良家の子女が多いため、暗に「お坊ちゃん・お嬢ちゃん」というようなからかう意味合いもある。
プレッピーファッションとは、オーソドックスで上質、見ただけでその良さがわかる老舗スタイルというところでしょうか。
※キャンパス・ウエア
大学生達の通学服をさす。ただし制服の場合はこういわない。流行により激しく変化するので特定のものはない。（カレッジ・ファッション）
現時点より進んだファッション。またこれからのファッションをリードしていく立場にあるファッションのことをいう。アバンギャルドファッション、プログレッシブファッションに似た言葉である。
アバンギャルドはフランス語で、前衛的なという意味で、一歩先を進んだ先端的なファッション・スタイルのこと。時代を先取りしたもののため、場合によっては「奇抜な」という意味合いで使われることもあるのですが、その時代に前衛的、先端的なファッションでも、現在ではごくオーソドックスなファッションだったりすることもよくあることです。
2011年の現在スーツ事情は、タイトスーツがメインで震災・原発以降更に景気低迷なためか、フォワード・ファッションといえるほどのものは全く影を潜めてしまった感じですが、オーダースーツらしくビジネススーツ寄りに少しだけカスタマイズを楽しむのがおススメです＾＾
世界の民俗（族）衣装にアイディアを求めて作られた服装、またはそれの影響をうけた（フォークインフルエンス）服装、またそれを直接用いた服装あどの流行をいう。一般的には「民俗（族）的なファッション」のこと。フォークルックとも呼称する。西洋的なそれに代わって、現代ではオリエンタルルック（東洋調）のものに関心が集まっている。
フォークロア・ルックは、エスニック・ルック、エスノ・ファッションとも呼ばれ、1960年代のフォークロアブームなどにより、東欧・北欧、さらにはアジア系オリエンタル調、未開な発展途上の衣装・ライフスタイルにまでその広がりを見せている。
また、フォークロア・プリントという場合、その地域に古来から受け継がれてきた伝承、風俗をイメージソースに図案化されたプリント柄をいう。日本の着物文化も世界的に見た場合の民族的衣装、フォークロアファッションの一つといえる。
金物、鉄器など金属類（ハードウエア）をアクセントとして取り入れたデザインを”ハードウエアスタイル”と呼ぶ。以前、フランスの前衛デザイナー。パコ・ラバンヌが”ヌーベルクチュール”と称し、金属やプラスチックのみで服を作ったことがあったが、これほど奇抜でなくても、ハードウエア類が目立つファッションのことをいう。未来を暗示するひとつの方向かも知れない。
オーダースーツの一部に金属的なハードウエアを組みこむスタイルは、かなりアバンギャルド。どこかの国のファッションショーでは過去にあったのかも知れません。。パンクロックの黒革ジャンに鋲打ち程度のものとは違い、袖口を金属板の輪で装飾したり、生地そのものがハードウエア調といえそうなメタルっぽい素材、チンツ加工やカレンダー加工などで仕立てると、そんな雰囲気がでるかも知れません。。
ポバティは「貧乏」「欠乏」を意味する。 この言葉を用いてアメリカで作られた造語。”新質素主義”と訳すことができる。高度に発達しすぎた機械文明社会に背を向けて、より自然な生活を求める若者たちの動きをさしていう場合があるし、Ｔシャツ、ジーンズなど粗末な服装だけで表現されるファッションをこの名前で呼ぶこともある。ヘンリー・デイビッド・ソローの「森の生活」、チャールズ・Ａ・ライクの「緑色革命」、日本では浜野安宏の「質素革命」あたりが母体となっている。１９７１年にあらわれたこの動きが、その後エコロジーブームの引き金になったといえる。
ファッションを含む生活スタイル全般にわたる考え方で、質素・倹約の延長線上にあるもの。ファッション的なところからいえば、１枚のジャケットをレイヤード的な組み合わせで、多くの着こなし、着まわしを楽しむ。現在の大量生産的な低価格衣料、プチプライスなファッションアイテムがイコール、ニュー・ポパティズムとはならないと思うが、かなり手ごろな値段で購入できる特にカジュアルアイテムなどは、この傾向がある。
質素に生きようという主義主張に影響を受けたファッションスタイル、モードも数多くある。
※エコロジー・ファッション
自然を尊重し、環境との共生を重視したファッションのこと。エコロジーは自然環境を研究する学問で生態学と訳される。
ニートとは「さっぱりした」「きちんとした」「きれい好きな」「均整のとれた」などの意。ダーティファッション（うす汚れたほこりっぽいルックス）の反動としてあらわれた、すっきりとして感じの良い服装、着こなしの総称。
清潔感のある好青年的なファッションスタイルで、白の洗いざらしのシャツに、ブルーデニムなどがイメージされる。金額的に高価なものよりも、かえって安価な市販品を丁寧に手入れして大事に着ているところがいい。
ニート的なファッションというと、アキバ系（Ａ系）ファッション的に、格子柄のネルシャツに、ボトムスはチノパンにデニム、背中にはリュックをしょって・・という、オタクファッションとは大きく異なる。
ソフィスティケーテッドは「洗練された、教養のある」などの意味がある。つまり、洗練された感覚をもつトラディショナルモデルのことである。ニュートラディショナルと同じ意味だが、さらに「大人の」といった感じがこめられている。ソフト・トラッドとも言われ、日本では「ソフ・トラ」と俗称することがある。
ここにいう「ニュー・トラディショナル」と、エルメス・グッチなどの海外高級ブランドを組み合わせ「山の手お嬢様風」にアレンジ、ニュートラ系雑誌「Ｊ.J」に代表されるような「ジェイ・ジェイ・ルック」とは異なるもの。
「ニュー・トラディショナル」は1960～70年代の現代的で新しい感覚を取り入れた、ヨーロッパ風の雰囲気をもつものだが、特に決まった形があるわけではなく、新しいファッションの方向性と理解できる。
セーターの上にもう一枚セーターを重ねる新しいレイヤードの仕方。単純にセーターを重ねるというのではなく、例えば厚手のセーターに厚手のカーディガンを重ねるといった新鮮な組み合わせであるところがミソ。
衿型も種類が豊富で、代表的なものだけでもクルーネック、Ｖネック、ロールネック、スクエアネック、ハイネック、ラウンドネックなど。レイヤード効果を狙ったいろいろな組み合わせを楽しめる。
また、セーターのような編み物で作られたセータージャケット、セーターとニットスカート、ニットパンツなどを組み合わせたセータースーツ、ニット地で作られたコートなど、セーターアイテムの使い方もセーターオンセーターという重ね着レイヤードでは注意したところ。
ドレスアップとドレスダウンの中間に位置する着こなし方として新しく登場したもの。ドレッシーな素材をスポーティな型に用いる、またドレッシーなデザインの服をスポーティな素材で仕立てるなど、ドレスウエアのスポーティ化、またその逆を意味する。新しい着こなしのルールとして、現在のファッションの主流とされている、スポーティ・エレガンス、スポーツ・ドレスアップ、カジュアリー・ニートルックなどさまざまな言葉で呼ばれる。
オーダースーツの分野では、ドレッシーなベルベット素材をヨーク、アクションプリーツなどをつけたノーフォークジャケットで仕立てる、またその逆に、カジュアルなコットン素材をドレッシーさを感じさせる黒、グレーなどダーク調な色柄でピークドラペル、打ち合いダブルのジャケットを仕立てるなど。
カジュアルアップは、カジュアル＋ドレスアップからきた造語で、同じような意味に使われる。カジュアルな衣服にドレッシーな高級感を加えたもの。
※ニート
すっきりとシンプルで、洗練された感覚をいう。
「型、流風、様式」の意味で、多様な使い方がなされる。 ファッション用語としては流行型、流行様式のこと。ファッションと同じ意味ともされるが、しいて分ければファッションが変化するものであるのに対し、スタイルは固定したものといえる。流行したファッションが、一般的に広く認識されるとスタイルと呼ばれるようになる。
スタイルに広く含まれるファッション的な用語の中で、見た目・外観に強い特徴をもつものを「ルック」、一時的な流行の色合いの強いものを、「モード・ファッション」
その人個人の生き方を「ライフスタイル」というなど、ファッションに限らず広く使われ、人の体型・プロポーションを「スタイルが良い」という。
スーツの分野にも、スタイルといわれるものは多く、ブリティッシュスタイルや、イタリアンスタイル、ジャーマンスタイル、カジュアルスタイルなど、伝統的、仕様が一般化したものがそう呼ばれている。
新しいレイヤード・ルックのことで、これまでの常識的な考え方を超越した着こなし方をさす。カラーオンカラーといって衿を幾重にも重ねたり、セーターオンセーターといってアウター的なタートル・ネック・セーターを下に着てさらにアウターセーターを重ねるなどの方法がある。
具体的には、レイヤードが２枚重ね、スーパー・レイヤードでは３枚以上の衣服を重ね合わせることをいい、マルチ・レイヤードは別名。
衣服を下からだんだんに重ねていく上で、下に着ているものをどう効果的に見せられるかがポイントで、形、色柄など全てを含めたファッションセンスが必要。
洋服を着こなすうえで、極端にレイヤード効果を狙ったスーパー・レイヤードルック的なスタイルの場合ではなくても、衣服の重なり具合、色合わせなどは常に気を使うところ。ひとつ間違えるとちんどん屋になってしまいそうな着こなしだが、上手になれればファッション上級者への早道かも知れません。。
シャツを２枚重ねて変わった効果を生み出す新しい着こなし方。シャツオンシャツオンシャツなどという３枚重ねる方法もあらわれている。
アウター感覚で着るシャツ、インナーで着こなすシャツなど、レイヤード効果を楽しめ、シャツならではの発色や素材感の組み合わせは独特なファッション性がある。
シャツジャケットというと、衿、袖付け、カフス、前立てなどテーラードのジャケットとは異なるシャツ仕立てによって作られたものになるが、シャツオンシャツの着こなしでは、カットソー的なカジュアル色の濃いアイテムを、組み合わせる。色の濃淡、柄の大小、着丈の長短、サイズの大小などをうまく利用する、重ね着ファッション。
形作られたファッションの意味で肩をきちんとつくり、ボディラインもすっきりと整えられたスーツやジャケットなどをさす。ルーズな作りの服に対抗してこのごろ台頭著しく、注目されている。
また、シェイプド・ラインも同様の意味に使われる。シェイプは服飾用語では、体型に合わせて形作られたシルエットのこと。シェイプド・ラインは、主にメンズのスーツを表現するのによく使われるが、レディーススーツの場合には、テーラード仕立てを代表する高い縫製技術やカッティングで仕立てられた立体的なシルエットを形成しているものをいう。
アンコンストラクテッドなアンコンスーツなど芯地、付属などを省き、楽な着用感となるオフボディスーツとは反対のもの。
伝統的な英国スタイル、シェイプドルックをイメージさせるもの。