ファッションセンス
ボディコンシャス
ボディコンシャスは、「ボディコン」と短縮して呼ばれることが
多い服飾用語で、「肉体意識」のこと。
特に、レディーススーツなど女性の身体のラインをそのまま、
もしくは強調して表現するときに用いられます。
1960年代の末にあらわれた考え方でもっと自分の体に
注目しようといった意味合いがあり、1980年代の中ごろ
いわゆるバブル期の再浮上したシルエット。
ボディランゲージ(肉体は会話する)などの新語も生まれ、
伸縮性のある新素材や、裁断の技術向上などによって、
よりセクシーな感覚をもつ衣服が作られるようになりました。
身体にぴったりフィットさせた細身のシルエットまたは、
身体のラインそのものをさすボディーラインを、
大胆なカットアウトで露出させたり、シースルー効果を
狙うなど、が代表的なもの。
ニュー・モダニズム
モダニズムが都会的で洗練された現代的な感覚のものを意味するため、
ニューモダニズムは新現代主義のことで、
都会性、合理性、現実性といったことがポイントとされています。
ファッションにおいては、1980年代のファッションの指針とされており、
伝統的なものを批判して新しいものを生み出す、新しい時代に対応して
それに果敢に挑戦していこうとする姿勢を示したもの。
1970年代のロック・オールドウェーブに対する新しい波とされる
80年代のニューウェーブは、音楽界のみでなくファッションにも影響を
及ぼしました。
ソフィスティケート
ファッション用語としてのソフィスティケートは、ソフィスティケーテッドと同じく
「洗練された、上品な、都会的な、大人的な、趣味のよい」の意味で
多く使われます。
スーツのシルエットを表現する場合にも、多くのファッション雑誌等で
例えられることがあり、礼装に準ずる紳士の衣服であるスーツ、ジャケット等
とはなじみ深い用語。
本来、ソフィスティケートには、「奇弁でごまかす、こじつける、世間ずれした、
すれっからしの」などいい意味で使われることはありませんが、
転じて「ガキ(ジャリ)でない、大人的な」といった意味を持ちます。
また、ソフィスティケーテッド・トラディショナルという場合、
ニュートラディショナルと同様、「洗練された、教養のあるファッションスタイル」
といった意味で使われます。
スポーティ
特に軽快な感じの服装で、現在ではスポーツ用に着用する
上着を総称するものですが、もともとスポーティな服に
軽快さを強調する意味で使われいます。
また、スポーティーなジャケット(スポーツジャケット)と
いう場合、ハリスツイードなどツイードジャケットで仕立てる
スポーティーな雰囲気をもつカジュアルジャケットなど、
気軽なテーラードジャケットを広い意味でさし、
ブレザーなど替え上着と同じようなファッションアイテムの
意味で使われることもあります。
このほか、スポーティスーツ、スポーティスポーツシャツは、
スポーティーなアイテムを代表するもの。
シェイプアップ
身体を健康的で、美しく、適度な体型に整えようとすること。
現代人の健康志向から生まれたもので、器具を使っての運動や
整体の他ジョギングなども含まれます。
オーダースーツから見るシェイプアップは、体重を落として、
若かった頃のようなスマートな体型に戻りたいや、
現在体重を維持することも広い意味で含まれていると思います。
体型変化があれば、まずフィット感が大事なスラックスのウエスト
を調整する必要があり、大きな体型変化なら、仕立て直しという
ことも必要になります。
現在体型維持は、愛用スーツを長くご着用いただくための、
まず第一番にあげられる必須事項かも知れません。
コンテンポラリー
「現代の、同時代の、当今の」といった意味の言葉で、「永久」を
意味するパーマネントの対語。現代的な感性やトレンドを上手に取り入れた、
新しいファッションコンセプトを表現する用語とされるもの。
新しい価値観をもつ人のための新しいファッションという具合に
解釈されいわゆる、ニュートラディショナルを語源とする、
日本的ニュートラ※などがこれにあたる。
テーラードスーツなどの伝統的なファッションアイテムを、
今日的感覚のシルエット、デザイン、素材感で着こなす
コンテンポラリーモデルとは区別して使う必要があります。
※日本独自のスタイルで、いわゆるトラディショナル・ファッションを
きれいな色柄使いなどで<山の手お嬢様>風にアレンジしたもの。
エルメス、グッチなど海外高級ブランドのグッズを組み合わせるスタイルが典型的。
雑誌「JJ」などが取り上げ、1970年代半ばからブームとなった。
語源はニュートラディショナルだが、日本語のニュートラが意味する
内容は独自のもの。ジェイジェイ・ルック。
コンサバティブ
「保守的な」の意味から、ファッション的には、スーツやドレスなどが
その時の流行にとらわれない、昔風のオーソドックスなスタイルの
ものであることをいいます。
スーツとしての原型を保ったスタイルであるため、冒険心がなく
面白みがないものとして使われる場合も多いのですが、
その反面、流行にとらわれないスタイルのため、長期の着用にも
対応することができ、堅実で安定志向のスーツスタイルとも
言うことができます。
コンサバティブは、プログレッシブprogressiveに対して使われ、
「コンサバ」は、コンサバティブの略語、「コンサバリッチ」は、
1970年代頃の世相を反映した、保守的な中に高級感(リッチ)を
求めるものとして使われだしたもの。
ギャツバイゼーション
1920年代を代表するギャッツビー・ルックにおける
着こなし方を広く意味している新用語で、
ギャッツビー・ルックに代表的な白のメンズスーツ、
レディースのショートドレスなどルックス的特長を
さすのではなく、ファッションアイテムの用い方を
ギャッツビールック風に着こなすさまをいう。
「ギャツビー化現象」という意味。
※F・スコット・フィッツジェラルド原作の米国映画
「華麗なるギャッツビー」(1974年)に描かれた、
米国の古きよき時代、1920年代のファッションのこと。
男の服では白のスーツ、女の服ではチャールストン風の
ストレートなショート・ドレスが特徴的スタイル。
カジュアル
カジュアルをファッション用語として使う場合には
「偶然の、思いがけない」「不用意な、無頓着な」などの意味が転じて、
「普段着の、気楽な、手軽な、何気ない」と言った意味に用いられます。
スーツもカジュアル化が進み、カジュアルジャケットとスラックスという
よりくつろいだジャケパン的な着こなしも増えてきており、
衣服全般が、着やすく、スポーティーで気軽な感じのシルエット
デザインが好まれる傾向があります。
ビジネススーツのデザイン、シルエットも基本的なテーラードの
スーツらしいコンセプトを残しつつ、肩パッドをなくし、
芯地・付属も極力省くことで、軽い着心地としたナポリ風アンコン仕立て
のジャケットが高い人気を得ているのも、カジュアル化の大きな
流れと言えると思います。
カジュアルは、リラックスした服のすべて、
またそのような感じを取り入れた服など、広い範囲のものに
ついて使われています。
オーセンティック
オーセンティックには、「真正の、本物の」といった意味があり、
スーツなら伝統的な英国スタイルの紳士服。
たとえば、正統派スーツとして、ベスト付きシングル3つ揃いや、
脇尾錠(サイドストラップ)や後ろ尾錠(バックストラップ)など
懐かしい雰囲気のするデザインを含むアイテムや、
ジーンズなどでも、古くからあるもっともオーソドックスな
スタイルのブルージーンズをいいます。
変化したもの、まぶしいものなどに対して使われ、
オーセンティック・アイビーなどと用いられます。
エコロジー・ファッション
エコロジーは「生態学」を意味する言葉で、
具体的には、自然環境を研究する学問のこと。
ファッションに限定して言う場合、エコロジー・ファッションといい、
自然環境を尊重し、共生に重点をおいたファッションスタイルのこと。
最近自然回帰ブームがさきがけとなり、各分野で広く使われ、
新造成語もサイコロジーcycology(自転車と生態学を結びつけたもの)
などのように多く作られています。
過度な文明発達と自然破壊の恐怖が背景となって、急速に見直されて
きたもので、ファッションに与える影響も大きいです。
コットンやリネンなどの天然素材を用いたり、土に返る服地など、
自然環境にやさしい素材を加工した服や、リサイクルファッション
などが広まっています。
特に若者の間での動きは活発で、行動的にはバックパッキング、
ヒッチハイキング、山奥でのフィッシング、サイクリング、
オリエンテーリングなどにあらわれ、集団的にはコミュニティの
建設などもその一例にあげられる。
小説「かもめのジョナサン」「ウォーターシップダウン」などを含めていよい。
このような意味で、ジーンズはエコロジーブームの象徴であるというとらえかたもされる。
アーバン
アーバンは、「都会風な」「洗練された」「上品な」と言う意味
に用いられ、ファッション用語として使われる場合には、
テーラードで仕立てられる洗練されたスーツやジャケット、
スラックスのシルエット・デザインとも相性が良いもの。
スーツのように都会的で洗練されたファッションアイテムを
アーバン・ウエアといい、これと対比して使われるのが、
郊外(サバーバン)、田舎(ローカル)的な服装(サバーバン・ウエア)
となります。
アーバンと聞くと、ジョン・トラボルタ主演の「アーバン・カウボーイ」
が思い出されます。おそらく、かっこいい田舎のカウボーイが、
大都市に現れ、活躍するというような話だったような。