ジーンズ
リンディ
ジーンズのスタイルの1種。幅広のウエストバンドで、バギーパンツのようなシルエットをもったもの。裾には幅広の折り返し(カフス)が付けられ、プリーツ(タック)がとられることもある。パンツの裾をダブルとするのはオックスフォードバッグスの影響があるのでしょうか。
リンディの名称は1927年ニューヨーク~パリ間の大西洋無着陸横断に初めて成功した、チャールズ・リンドバーグにちなんだ名称ともいわれています。ジーンズにも20年代ルックが影響してる証拠である。
20年代ルック、1920年代調ファッション・トゥエンティーズは、第一次世界大戦後、女性の社会進出が広まったため、レディーススーツなど女性ファッションを中心に変化が見られるようになります。基本は活動的で動きやすいシルエットの傾向で、ルーズウエスト、ローウエスト、ショート丈のスカートなどが特徴的。ギャルソンヌルックもこの時代のものになります。
※バギーは<袋のような、だぶだぶの>の意味で、幅広でゆったりとしたシルエットが特徴のパンツ。全体のシルエットは、ストレートなもの、先細り(テーパード)なもの、裾を絞ったものなどさまざまな形がある。
リサイクルドジーンズ
古くなった数本のジーンズをバラバラに分解し、異なったパーツ(部分品)をつなぎ合わせて1本にしたジーンズ、また使い古したの意味から、ユーズドジーンズ、つぎはぎ加工をすることから、パッチワークジーンズの名もある。パッチワークは「つぎはぎ細工」のこと。
リサイクルドジーンズはいわゆるリサイクルファッションと言われるもので、使用済み中古衣料に少し手を加えて再利用すること。
リサイクルファッションの思想は、現在のエコロジーファッションにつながるものとなっています。
ヨーロピアンカットジーンズ
ヨーロピアン調のしゃれた雰囲気を特徴とするジーンズ。 多くはフレンチカット、イタリアンカットのジーンズの総称として用いられる。
ヨーロピアンカジュアルはポップで軽いアメリカンカジュアルに対してエレガントな雰囲気をもつカジュアルスタイルのことをいう。また、フレンチカジュアルは、パリカジなどともいわれるフランス風カジュアル。アニエスベーなどがその代表とされている。
イタリアンカジュアルは、ビビッドな色使いを特徴とするモダンなイタリア風カジュアルスタイル。現在ではソフトでシックなアルマーニ風カジュアルスタイルなどがその代表的なもの。
フェードアウト・ジーンズ
インディゴブルー(藍色)のジーンズが洗いざらされて自然にさめた感じ、着古した感じのするジーンズをいう。フェードアウトは映画の用語で「音や映像が自然に消えていく」の意味。
漂白剤等を用い人工的に青みの抜けた白っぽいジーンズとするブリーチドジーンズほど白くなく、自然味のあるところに新しさがある。ウォッシュドアウトジーンズと同義。
ウォッシュアウトは40~50度の温度のお湯で10~15分程度の柔軟洗いをすることで、ジーンズに洗いざらし感を出す、ジーンズの製品洗いの一種。
パッチワーク・ジーンズ
張り付けジーンズのこと。 カラフルな布片を随所に張り付けて、アクセントにしたもの。ファッションジーンズとしての一面もあり、また単純に傷んで開いた穴をふさぐために貼り付けるという意味合いもあり、この補修的に再利用するというところからリサイクルドジーンズということもある。
パッチは「接ぎ」「当て布」、パッチワークは、「つぎはぎ細工」を意味する手芸技法のひとつ。パッチワークにはいくつかの種類があり、決まった形の布を縫い合わせて作るピースド・パッチワーク、細長い布を四角い布のまわりに貼り付けて作るカナディアン・パッチワークはその代表的なもの。
エルボーパッチ(ヒジ当て)、ガンパッチ(肩当て)などジャケット、ジージャンなどのディテールにもある。
ノンジーンズ
ジーンズらしからぬジーンズの総称。 ジーンズのファッション化にともなって、従来のジーンズのイメージをはるかに超越したものをいう新しい言葉。
プリーツ※を入れたり、バギースタイルにするなどデザイン上の変化と種類も多い。
ファッション的な感覚を取り入れたジーンズを総称するものにファッションジーンズがあり同義。ジーンズの形・シルエットはそのまま変化がなく、素材や色柄を他のファンシーなものに替えたり、ディテールデザインに変化を付けるなど。
ノンジーンズには、別にエレガンス・ジーンズ、シティ・ジーンズ、ドレスアップ・ジーンズなどとも呼ばれることがある。
※<ひだ><折り目>のこと、布を立体的に装飾化したり、衣服に運動量をつけるために、布を折りたたむこと。またたたんでできたひだをさす。折り山が途中で消えるものはダーツ、折り目のあいまいなものはタックという。
装飾ジーンズ
リベットやビーズなどを全面にほどこしたジーンズの総称。
ジャケット(ジージャン)の背中にリベット※で文字やマークを飾ったり、ジーンズの脇線にリベットを並べた単純なものから、カラフルなビーズ、時には宝石などを全身にちりばめた豪華なものまである。後者のタイプは”ジュエルドジーンズ”とも呼ぶ。
装飾用にリベットを施されたものは、ワイルド感があり、パンクロックのステージ衣装から反体制的シンボルとして普及した、黒革、鉛の鋲、ボンテージパンツなどに代表されるパンクファッションにも通ずるものがある。
パンクファッションは1970年代半ばにイギリス・ロンドンのキングスロードの一角にあるワールズエンドの若者ファッションから広まったもの。
※補強のために打つ金属製のびょう。ワークウェアのポケットや袖口などの止まり位置につける。また、飾りびょうとして水玉模様を作る場合もある。胴色のものをとくに、コパー・リベットという。ドットの一種。
シガレット・ジーンズ
紙巻きタバコのように、ストレートなシルエットをもつジーンズのことであるが、この紙巻タバコのようなシルエットのパンツはジーンズに限られたものではなく、一般にシガレット・パンツと呼ばれるシルエット。
※オーダーパンツでも寸法指定により対応可。
シガレットのように細長い筒型で、折り目(クリース)が強調されない特徴がある。
このシガレットパンツは、脚にぴったりしたスリムタイプのそれをいうわけではなく、ワイダーレッグ(幅広型)であり、本来の意味からすると、シガー(cigar=葉巻きタバコ)・ジーンズとするほうが正しいとの説もある。
また、シガレットラインといえば、シガレットパンツ同様、細長い筒型・細身のシルエットをさす。
ジーンズ
コットンデニムで仕立てられた軽快なパンツのこと。
もともと、ジーン(厚手の細綾織コットン地)から作られた衣服を”ジーンズ”と称したが、ジーンはデニムと同じタイプの生地であったところから、この名称をパンツにもつけたと考えられる。
ジーンズの語源は、イタリアの港町ジェノバをフランス語で「ジェーヌ」と呼んだことから。
パンツとしてのジーンズの起源は1850年、西ドイツ南部のバヴァリア州出身のリーバイ・ストラウスが、サンフランシスコの金鉱探したちのために、テント用のカンバス地で丈夫な作業ズボンを作ったことに始まる。その後、数々の工夫を加えて現在の形となった。オリジナルのそれは、色がインディゴブルーで14オンスのコットンデニムを使う。
ポケットの端々に、”カッパーリベット”(胴の鋲)が付く、前ポケットはLポケット(L字形のホリゾンタルポケット)であり、右ポケットの内側にフォブポケット※が付けられる。後ろポケットはパッチポケットで右ポケットの上部に”レザーラベル(オイルレザーの上に商標などが描かれているもの)がつく。
全体にダブルステッチがかけられる。ジーン素材でできたパンツという意味合いから、アメリカで”ジーンパンツ”と呼ばれ、フランスでは”レビ”と俗称されることもある。ジーパン。
一般にこの形のズボンをジーパンと呼ぶようになったのは1950年以降。50年代になるとハリウッド映画の衣装として登場し、60年代には反戦運動参加学生のシンボルとして、70年代にはファッションがカジュアル傾向に普及するのと同時に広まっていった。その後、デザイナーなどもデニム素材を用いたジーンズを手がけるようになり、デザイナーズジーンズ、ファッションジーンズ、ステイタスジーンズ、装飾ジーンズなど付加価値の高いジーンズが登場することとなる。
※<時計隠し>のこと。ズボンの右前部につけた小さいポケットで、懐中時計を入れたことからこの名がある。
ウォッシュドアウト・ジーンズ
ウォッシュドアウト、ウォッシュアウトは「洗いざらしの、色のさめた」の意味。
ジーンズ本来の色、インディゴブルーのデニムを5回ほど水洗いした感じのジーンズ。色落ち感とともに、洗うことによって柔らかな履き心地を得ることができるもので、40~50℃の温度のお湯で10~15分程度洗われる。
漂白剤で脱色洗いをするブリーチアウト(ブリーチ)することで作られる、ブリーチドジーンズとインディゴブルーの中間の感覚を狙って作られたもの。フェイド・アウトジーンズと同義。
インディゴはインド藍。世界共通となる藍の総称で、ジーンズもこのインディゴブルー染めで染められており、そのためこの色で染められたジーンズはブルージーンズとも呼ばれることも多い。
イタリアンカット・ジーンズ
パンツのモモ巾・ヒザ巾・裾巾で構成されるパンツのラインをごく細身に仕立てられたジーンズの1種。 いわゆるヨーロピアン・ジーンズの代表的な形として知られ、股上が深くスレンダーなストレートシルエットを特徴とする。
現在ヨーロピアン(ヨーロッパ調の)という、ファッションスタイルの区別は少なくなって来てはいるが、アメリカンの対語として使われる。
例えば、イタリアンカットといえば、袖なしジャケットの袖刳りが、肩先よりも内側にカットされたデザインをしたもの、アメリカン・ショルダーは、広い肩幅をさし、ブロード・ショルダーと同義。
スラックスの作り方として、一般には股上が浅い+タイトなシルエットはセットとなっており、逆に股上が深ければモモ巾も太くなるなどのバランスとなる。
デニムやコットンパンツ、リネンパンツとして仕立てるオーダーパンツでも、イタリアンカット・ジーンズのシルエットとした対応は可。
※股つきのパンツ類の股よりウエストまでをさす。