パンツのタック
インタックパンツ(内ヒダスラックス)
スラックスのタックは一般的には外側に向いている外ヒダ(アウトタック)
ですが、このインタックはヒダの向きが内側に向いているもの。
アウトタックの1タックパンツや2タックパンツと同じく、
内側に向いたヒダが1本あるインタックの1タックパンツや、
2本ある2タックパンツなどの種類があります。
オーダースラックスらしいディテールデザインで、
ただ外側に向いたヒダを中心(内側)に向けているだけのもののため、
オプション料などもかからず、見た目のオーダースラックスらしい
効果は大きいものがあると思います。
インバーテッドベントやタック、ハコヒダ、ボックスプリーツなどと
言われるものは、このインタックとアウトタックの両方を用いて
デザインされています。
ワンタック
スラックスの前部のスタイルで、タックが1本とられたもの。 ほどよいフィット感を腰に与えるため、ビジネス向きのスラックスはほとんどこのスタイルである。内倒し(インタックパンツ)になったもののほうが新しい感覚である。
パンツはタックの数が多いほど、そのタック量分モモ巾(ワタリ巾)が必要になる。ある程度太さを調整することができるオーダーパンツでも、その調整には限界があるため、バギータイプの太めなスラックスが希望なら、ツータックパンツなどその選ぶシルエットからよく考える必要がある。
ごく稀にいただくタック数についてのお問い合わせに、ワンタックパンツのことを「左右1本ずつ計2本タックなので、これがツータックパンツ?」というもの。このタック数の数え方だと、通常ツータックパンツと言われるものは4タックパンツということになります。
人気のタイトでスポーティーなノータックパンツを少し太めにしたいが・・、ワンタックパンツでは・・、と抵抗のある方も、ワンタックパンツでもヒダの量(タック量)を調整して、できる限りモモ巾を細めに調整という方法も、オーダーパンツ・スラックスでは対応可。
ボックスプリーツ
「箱ヒダ」のこと。 向きの違う折り山が向き合うような形になったプリーツのこと。これを逆にしたのがインバーテッドプリーツである。
一般的なボックスプリーツのことを、アウトボックスプリーツ、これを逆にした(裏からみたときにはボックスプリーツとなる)インバーテッドプリーツをインボックスプリーツと呼ぶ場合がある。
ボックスプリーツとインバーテッドプリーツは表裏一体で、どちらかを表にすればその逆は必ずもう一方のプリーツとなる関係にある。
ボックスプリーツは、インタック、アウトタック、2つのタックを組み合わせて作られるフロントプリーツのため、モモ巾(ワタリ巾)にはゆとりのあるシルエット。更に外側に1タックを加えて3タックパンツのようなフロントプリーツで仕立てるオーダーパンツも見かけることが多い。
アウトボックスもインボックスも、ボックスプリーツ、インバーテッドプリーツすべてを含めてボックスプリーツ。また、箱型をしたデザインのものをボックスと呼ぶこともあり、混同されやすいところ。
インバーテッドには「逆にした」という意味があるため、「アウトボックス=箱ヒダ(ボックスプリーツ)」と覚えておくとわかりやすい。
フロントプリーツ
スラックスの前身頃にウエスト部分から付けられる1本または2本のヒダ。プリーテッドトラウザース。前ヒダ。一般的にメンズやレディースのパンツに見られるタックのこと。
このフロントプリーツの付け方には数種類があり、タックの数によりワンタックパンツ、ツータックパンツ、タックの向きにより外ヒダ(アウトタック)パンツ、内ヒダ(インタック)パンツ、内向きと外向きのタックを組み合わせたボックスプリーツなど。
腰まわりがフィットするタイトでスポーティーなタックなしのノータックパンツに比べ、タックが1本入ればモモ巾(ワタリ巾)にはゆったり感が出る。またタック1本に比べタック2本のほうがより太いモモ巾(ワタリ巾)で仕立てることができる。
体型的に、ウエストに比べてヒップの大きな人には、身体のラインに合わせるために、タックを入れたほうが良いとされている。オーダーパンツでは、このヒダの量(タック量)も調整可。
ノータック
スラックスの前部のスタイルでタックのないもの、腰のフィット感が強いのでスポーティなスラックスはほとんどこのスタイルである。ジーンズのそれに見られる。
2012年現在主流・トレンドなパンツがこのノータックパンツ。タイトな細身のパンツで、ヒザ巾も細く裾巾も細いスリムシルエットなパンツとなっている。採寸寸法では、通常ヌードのヒップ寸法に対して、3分の1程度をモモ巾(ワタリ巾)とすることが多いが、それよりも狭いモモ巾のパンツ・スラックスも多くある。素材としておススメなのが、ウール100%の素材を使用し織りのみでストレッチ性を出したナチュラルストレッチパンツ。仕立て上がり寸法が細身なため、立ったり座ったりする時に若干の伸び縮み感があると動きやすく着用感も良い。
また、ノータックパンツには、他のワンタックパンツやツータックパンツでは選ぶことができない、脇ポケット横切りやスラッシュポケットなどのディテールがあるため、デザイン選択の巾広い。
ツータック
スラックスの前部のスタイルでタックが2本とられたもの。 相当、腰にゆとりが出るので肥満体用のスラックスはほとんどこのスタイルである。クラシックな型のスラックス、年配者用のズボンに多く見られたが、現在ではオックスフォードバッグスやバギーパンツなどたっぷりしたスラックスの機能的な意味はもちろん、ファッション的にも重要なディテールデザインとして用いられる。
同じタックの2本入ったパンツでも、そのタックの向きが外向きなものを外ヒダタックパンツ、内向きなものを内ヒダタックパンツといい、同じヒップ回り・モモ巾などのゆとり量でも、そのシルエットが異なる。一般的な外ヒダタックパンツに比べ、インタックな内ヒダタックパンツは、オーダースーツでもカスタマイズ度が高く、オーダーパンツらしいアイテムと言える。
現在トレンドな細身パンツには合わせることが少なく、また股上は深い寸法で仕立てられることが多い。
※タック
<折り込む><縫いひだをとる>などの意で、布を人体にそわせるためんk、布をつまんで縫ったひだのこと。
タック
「ヒダ」のこと。 スラックスのウエストバンド下部によく見られ、これのないものを"ノータック・スラックス”、1本のものを”ワンタックスラックス”2本のものを”ツータックスラックス”などと用いられる。
ダーツとタックとの違いは、ダーツが折り畳まれたヒダを縫い止めてしまうのに対して、タックは折りヒダ上部のみを縫い止めるのみで、ヒダとなる折り目が作られるところ。
折り畳まれたタック量分、モモ巾(ワタリ巾)が必要となるなるため、タックなしパンツに比べて、ワンタック、ツータックの順でパンツの太さは太い寸法で作られるという点、タックの有無・本数はパンツのシルエットを考える上で、とても重要。
アイビーリーグモデルのパンツとして着用される、パイプドステムのシルエットをもつアイビースラックスは細身のノータックパンツ、オックスフォードバッグスなど、モモ~ヒザ~裾まで、ドカンのように太いシルエットをもつパンツは、腰まわりもゆったりしており、タック入りのの1タック、2タックパンツのデザインとなる。
また、タックにはタックの縫い止め方により、外側となる外ヒダスラックス(アウトタックスラックス)、内側となる内ヒダスラックス(インタックスラックス)、アウトタック+インタックで箱ヒダとなるスラックスなどの種類に分けられる。