シャツの衿型
グランドファーザーカラー
グランドファーザーシャツに代表されるような
台衿のみで作られた衿のこと。多くのシャツや、
ブラウスがこの台衿に上衿を取り付けることで、
ショートポイントカラーや、ワイドスプレッドカラー、
などとしているのに対して、台となる、
バンド状の部分のみで、衿型としたもの。
別名に、「カラーバンド」「ネックバンド」と呼ばれます。
グランドファーザーカラーは、アメリカ西部の
ゴールドラッシュ時代、おじいさんがよく
着ていた綿のシャツによく見られたデザインに
由来することから。
グランドファーザーシャツは、かぶって着用する
短めの前立てがついたタイプのシャツのこと。
プレーンカラー
シャツの衿先の長さがごく標準的なタイプの衿型で、
ショートポイントカラーが6cm以下、ロングポイント
カラーが7.7cm以上の衿先があるところ、
6.8cm前後の長さがあります。
レギュラーポイントカラーの別称で、このほかシャツカラー
の種類には、ワイドスプレッドカラー、ボタンダウンカラー、
ボタンアップカラー、タブカラー、マイターカラーなど
があります。
ワイドスプレッドカラー
シャツの衿型の中で、左右の衿の開き具合が
特に広いデザインのもので、衿巾の広い
クラシコスーツとの相性が良く、また、
衿の開き具合に合うように、ネクタイの結び目
(ノット)が大きくなるウィンザーノットや、
セミウィンザーノットで締められます。
ヨーロピアンスタイルのシャツ衿であることから、
コンチネンタルカラー、ウィンザー公に好んで着られた
ことからウィンザーカラーの別称があります。
また、ワイドスプレッドカラーよりも衿の開きが
少なめのシャツカラーを、セミワイドスプレッドカラー
といいます。
ロングロールカラー
衿腰が高く、首のまわりを巻くようなデザインで
作られるシャツ衿「ロールカラー」のなかでも、
衿先が長く4インチほどもあるシャツカラー、
ロングポイントカラーのこと。
アイビー調のボタンダウンシャツに見られる衿型で、
この大きくロールした衿先をもつアイビーシャツは
本格的なシャツ衿デザインとされています。
また、衿腰のみが立ち、身頃に向かっての折り返りが
平らなものはハーフロールカラーと呼ばれています。
ロングポイントカラー
男性ものシャツは一般に衿先の長さ7~8cmで
作られているレギュラーカラーが標準的なものとなりますが、
これよりも長い10cm前後以上の衿先の長さで作られている
シャツの衿型のこと。
ロングポイントカラーで作られるシャツ衿は衿腰の高さが
高めなものが多く、衿開きの角度は、やや閉じ気味に
作られており鋭角的なためネクタイは細いものを合わせます。
衿先の長いロングポイントカラーに対して、短めなものは
ショートポイントカラーといいます。
レギュラーカラー
メンズのドレスシャツのごくオーソドックスな
衿型・シャツカラー。
衿先が7cm前後で作られたもので、この
レギュラーポイントカラーを標準として、
6cmより短いものをショートポイントカラー、
8cmより長いものをロングポイントカラーと
呼んでいます。
レギュラーカラーは一般的に使われる衿型で
あることから、プレーンカラーはその別称。
ワイドスプレッドカラー、ボタンダウンカラーなど
とともに、ビジネススーツに合わせられる中心的な
シャツカラーのひとつにあげられます。
ラウンドカラー
レギュラーカラーやワイドスプレッドカラーの衿先は、
尖った角型をしているのに対して、衿先が丸くカット
されているシャツ衿のこと。
レギュラーカラーや衿先の短いショートポイントカラー、
衿先の長いロングポイントカラーなど、いろいろな
長さの衿先のシャツ衿を丸くしたタイプがあり、
特にロングポイントカラーの場合には、その形が
うさぎや犬の耳に見えることから、ラビットカラー、
ドッグイヤーズカラーと呼ばれています。
このラウンドカラーは、クラシックでエレガントな
シャツスタイル、クレリックシャツに多くみられる
衿型デザイン。
※ショート・ポイント・カラー
台衿付きシャツ・カラーで、衿先がレギュラー・ポイント・
カラーより短く(約6cm以下)やや開いた形。
一般に細めの背広衿に、ネクタイは結び目を
大きくして合わせる。
ミディアムスプレッドカラー
クラシコモデルなど衿巾が広めのスーツに合わせる
ことが多い、衿開きを広く作られたワイドスプレッドカラー
の開きの角度を少し小さめとしたシャツの衿型。
この衿開きが広いスプレッドカラーは、ヨーロピアン
のスタイルで、コンチネンタルカラーとも呼ばれて
います。
ミディアムスプレッドカラーはその衿開きの大きさ
から、ウィンザーノットの片方をプレーンノットで結ぶ
ことで、ネクタイの結び目が少し小さくなる半太結び、
セミウィンザーノット(エスカイアーノット、ハーフ・
ウィンザーノット)との相性の良いシャツカラー。
マイターカラー
レギュラーカラー、ワイドスプレッドカラーなど
ほとんどの衿が1枚の布で作られているのに対して、
衿先からの垂直線で斜めに切り替えられ、ジャケット
の袖口やベントの端処理に用いられる額縁のように
斜め接ぎにされたシャツ衿のこと。
マイターは斜め接ぎのことで、ストライプのシャツ柄
などを使い、ファンシーな柄効果をマイターカラーで
表現します。
ボタンダウン・カラー
シャツの衿先に作られたボタン穴を身頃に
付けられたボタンで止めて着用するシャツカラーで、
アイビールックなどトラッドなアイテムには欠かせない
定番アイテム。
スポーティーなシャツデザインとして定着しており、また、
ネクタイなしで着用する際、衿元のおさまりが良いことから
クールビズにも相性の良いシャツ衿となっています。
中には、後ろ衿中央にボタンが取り付けられているものもあり、
衿先の釦もただ止めるのではなく、適度なカーブを描くような
衿型に作られているものが、本来のボタンダウンカラーのシルエット。
アイビーリーグ校を卒業したエリートビジネスマンのことを、
ボタンダウンマンと呼ぶことがあります。
新しいタイプのボタンダウンカラーとして、衿開きを
広めに取ったニューボタンダウンカラーや、衿先の
短いショートポイント・ボタンダウンカラーといった
衿型もでてきています。
※ワードローブ
<衣装だんす、持ち衣装>ということで、所有する衣服全体を
いい、また、手持ち衣服の構成を組み立てる衣装計画のことも。
ポークカラー
衿腰が高く堅い立衿(ハイカラー)で、
前下部に小さな持ち出しを付けてボタンで止められる
クラシックな雰囲気をもつフォーマルスーツ用のシャツ。
19世紀中ごろから着用されるようになった、
立ち衿で衿先のみ折り返したシングルカラーの一種。
多くの場合、取り外しのできる衿型(アタッチド
カラー)として作られている場合が多く、
胸部分(ボザム)に胸当てが付けられた正装用の
イカ胸シャツ(ディッキーフロント)として着用されます。
ポークカラーの「ポーク」には「突き出た」という
意味があります。
ピンオアノット・カラー
ナローカラーとも呼ばれることが多い、シャツの衿開きが
狭いタイプのシャツカラーで、カラーピンを付けなくても
良いところからピンオアノットカラーと呼ばれています。
ワイドスプレッドが100~120度の広めの衿開きがあるのに
対して、この狭いタイプのピンオアノットカラーは、60度
前後のため、ネクタイ巾も狭め、結びめも小さく合わせます。
衿巾の狭いモード系のスーツに合わせることが多いシャツカラー。