セーター
フェアアイル・セーター
直線や曲線など様々な柄を幾何学的に組み合わせた
ジオメトリックパターンのボーダーが特徴的なセーター。
スコットランド北北東に位置するフェア島を原産とし、
手織りされていたカラフルな色柄のセーター、ソックス、
スカーフがその由来で、アイルは島のこと。
また、ハリスツイードで有名なアウター・ヘブリディズ群島は、
スコットランドの北西部に位置しています。
※英国のスコットランド北方にあるシェトランド群島の中の
フェア島に伝わるカラフルな幾何学模様のボーダーを特徴とするニット。
1922年、ウィンザー公(後のエドワード8世)がゴルフ・ウェア
として着用したところから世界的に知られるようになった。
アイルは島の意。
フィッシャーマンズセーター
北欧やスコットランド、アイルランドなどイギリスの海岸や
諸島周辺に住む漁師たちが着ていた防寒用セーターのことで、
ケーブル編み※を中心に、ジグザグ編みなどバルキーなごく
厚手なセーターの総称。
アイルランド西方にあるアラン島原産のフィッシャーマンズ
セーターは特にアランセーターと言われており、アイリッシュ
セーターを代表します。
フィッシャーマンズセーターの柄種類の多さは、かれら漁師が
海で遭難した際、特定できるようにそれぞれの柄を家紋の代わり
にしたため。
日本では1960年代以降、街着として着る秋冬シーズンの
カジュアルアイテムとしても広まっています。
また、秋冬のツイード生地として有名なハリスツイードも、
スコットランドの北西部アウター・ヘブリディズ群島の
漁師に着られていた防寒用ジャケットから。
※ケーブルステッチともいい、縄編みのこと。
バルキー
羊毛繊維のかさ高性を利用して作られた、太くふっくら厚い
糸でかさ高く加工されたバルキーヤーンを使って編み上げられた
セーターのこと。
バルキーには「かさばった、大きい」といった意味があることから、
ごく太いウールで編まれたセーター全般のことを総称します。
太い毛糸が使われているため、ざっくりとした目の粗い編みめ、
ゆったりシルエットが特徴的なセーターで、ケーブル編みで作られた
フィッシャーマンズセーター、アイリッシュセーターの代名詞
とされるアランセーター、テニスプレイヤーに定番のチルデンが
その代表的なもの。
バルキーセーターのほか、バルキーニット、ジャンボニットと
呼ばれることもあります。
トレーナー
本来スポーツ競技など運動の前後に着るスポーツ用の
セーター、ニットウエアのため、素材には吸湿性の高い
コットンメリヤスを裏起毛するなどの方法で、機能性を
高めたアイテム。
現在では、プリントをほどこすなど色柄・種類も豊富、
日常にも着られるカジュアルウエアには必須の衣服となっており、また
日本発のトラッドファッション、ハマトラ(横浜トラディショナル)では、
コットンパンツ、スニーカーとコーディネートされる、
中心的なファッションアイテム。
セーターコート
1970年代中ごろに流行した、ダブダブな衣服をゆったり着る
ビッグルックや、フォークロアファッション(フォークルック)
の流行から着られることが多くなった、バルキーな糸で編まれた
コート丈ほどに長いアウターセーターのこと。
ニット製のコートで、身頃と共生地で作られるベルトを巻いて
カーディガンのように着るラップタイプのデザイン、ショールカラー
の衿付きとしたものが多く見られます。
巻きつけ式で着るラップコート※の一種。
※ラップは<包む、巻く>などの意で、ボタンや留め具を使わず体に
巻きつけるように打ち合わせ、同素材のサッシュベルトでとめる
コートのことをいう。多くがダブル前で、タイロッケンなどが代表的。
セーター
日本では、プルオーバー形式(かぶるタイプ)の編み物の
ことをセーターと呼びますが、本来はカーディガン形式で
編まれたものも含めたニット上着の総称。
毛糸で編まれた衣服をセーターと呼ぶようになった由来は、
19世紀末ごろにスポーツ選手の発汗作用を促すために
着用されていたスポーツシャツから。
スウエット(汗)から、スウェーターが語源とされています。
セーターにはその産地や素材、編み方から多くの種類があり、
フェアアイルセーター、フィッシャーマンズセーター、
アランセーター、アイスランディッシュセーターなどが
有名です。
スキッパー
Vネックセーターに衿付きのデザインという、
大胆な切り替えを特徴としたスポーティブなセーターで、
衿付きのセーターとVネックセーターを重ね着した
ように見えることから、レイヤードルックセーター、
カーディガンモックもこのスキッパーに含まれます。
衿付き、浅い胸元まで前立ての付けられたポロシャツの
前立てをボタン止めとしないタイプのものを、
スキッパーポロシャツと呼びます。
スエット・シャツ
汗を吸い取りやすい綿ジャージー素材の内側を毛足を長めに
起毛したり、パイル織りされた素材を使用して作られた
長袖シャツのこと。
スポーツ用に用いられる機能的なシャツとして多く使われて
いますが、スーツモデルでも根強い人気のあるアイビーリーグ
モデルで有名なアイビーリーグ校のマークをプリントされた
ものなど、その着やすさから日常的カジュアルウエアと
として取り入れられ、さまざまなデザインのスエットシャツが
商品化されており、カンガルーポケットを付けられたもの
などもそのひとつ。
日本で呼ばれているトレーナーと同じものとなりますが、
トレーナーは日本独自の呼び名となります。
スエットは「汗」のこと。
※スポーツ用のセーターで、吸湿性に富んだ綿メリヤスを主に使用。
現在は若者や子供の日常着として着用される。
トレーナーは日本独自の呼称で、一般にはスエット・シャツという。
サープリス・セーター
キリスト教の聖職者や聖歌隊隊員が儀式に着る、
チュニック型、腰丈のゆったりとした白衣のことを
サープリスといいますが、このサープリスの前合わせが、
キモノのように前で交差して重ねるデザインであることから、
このデザインをもつセーターのことをサープリスセーターと
呼んでいます。
サープラスと呼ばれる場合もあり、多くが袖、裾口が
フレアしたデザインをしています。
アランセーター
フィッシャーマンズセーターの原型とされるバルキーセーターで、
アイルランド南西部に位置するアラン島原産、この地方で生活する
漁師たちが防水・防寒のためにそれぞれの家を表す伝統的なダイヤや
縄などを手織りで織り込んだ柄を特徴としています。
別名にアラン・アイル・セーター、この地方で編まれたセーターを
アイリッシュセーターと呼んでおり、厳しく寒い生活環境、作業用に
着用されることを目的としているために、本来は脱脂しない生成りの
太い毛糸でざっくり編まれています。
※ケーブル編みを主体とした凹凸のはっきりしたバルキー・セーターのこと。
日本では、1960年代後半から一般に街着として取り入れられるようになった。
北欧やアイルランド、英国の漁師(フィッシャーマン)たちが着ていた防寒用セーターに由来。
アイスランディッシュ・セーター
フィッシャーマンズセーターのひとつで、本格的なものは、
アイスランド固有種である毛足の長いアイスランディック羊の羊毛を、
未脱脂(油分を抜かない)、未染色で編み上げたソフトな感覚が
特徴的なバルキーセーターのこと。
未脱脂のまま編まれたアイスランディッシュ・セーターは雨風にも
強い防寒向きのセーターで、スカンジナビアンや、ノルディックセーター
とはまた別種類の新しい北欧調セーターとして人気を集めています。