ツイード
ヘビーツイード
ツイードは本来、手で紡いだ羊毛のうち紡毛糸とされたものを
綾織りで織られた、英国スコットランド特産の綾織物のことを、
いいますが、そのなかでも、ハリスツイードジャケットや
ドネガルツイードのように、より重く、ざっくり感があるツイード
のことを、特にヘビーツイードと呼んでいます。
現在ではざっくり感があり、素朴な風合いのある織物を全般に
ツイードと呼ぶ傾向があり、ヘビーツイードとは反対に、
春先まで着用できるほどの薄手な織りとされたものをライトツイード。
ハリスツイードで400~480g程度、ドネガルツイードでは
610gほどの重い生地も用意されています。
ペッパーアンドソルト
ツイードの1種で「ごま塩柄」とも呼ばれるもの。 白と黒、白と茶、あるいは白と青などでちょうど、ごまをまぶしたような感じの表面感が特徴。直訳すれば「塩胡椒」となる。
ホップサックツイード
目が粗く、ラフな感覚を持ち味とした斜子織りされた平織りツイードの1種。
ビールの苦味原料のもととなるホップの運搬用に用いられた麻袋が
この織り方をしていたため、このようにかごの目状に織られた織物を
ホップサックといい、通気の良い織り上がり感のため、主に夏用の
ジャケット、スーツ用生地などに使われます。
ホップサックとして織られる素材は、ウールばかりではなく
コットン、リネン、レーヨンなど。最近では新しいジーンズの材料として用いられます。
またツイードの中でも、この麻袋のような斜子織りの織り方で織られたツイードを、
特にホップサックツイードといい、Pitty Savile Rowでは、
イタリア製カノニコのメッシュ織りツイード(サマーツイード・ホップサックツイード)
としてご案内しています。
カノニコは、イタリアの高級服地メーカー。
価格に対して高いコストパフォーマンスのある生地ブランドとして人気があります。
ヨークシャー・ツイード
イギリス北部地方の工業都市、ヨークシャー産のツイードのこと。
ヨークシャー・ツイードは、羊毛クズなどを再生して作られる再生羊毛を原材料として織られるため、一般的に安物のイメージのあるツイードで、コットンなどとのブレンド素材とされることもある。
工業生産的な毛織物工業として作られる織物であるため、ハリスツイードやドニゴールツイードなど、その地方独自の文化の色合いが濃く、手紡ぎ・手織りで作られるホームスパンのようなツイードとは、若干その性質が異なるもの。
品質よりも大量生産・工業的に作られるツイード調、ホームスパン調の織物がヨークシャー・ツイードで、ハリスツイードなどは専門の検査協会を持ち、品質認定されたものだけに、通し番号で管理された生地マークが付けられる。
ポーラ
3本の太い強撚糸から作られた平織り・薄地のウーステッド地(梳毛織物)で、肌さわりがさらっとしており、通気性があるため、盛夏用のスーツ、ジャケット、パンツなどに多く用いられる。
ポーラーや、英国流にフレスコと呼ばれる。
オーダースーツで使用される服地に付けられる名前は、ベネシャン、ギャバジン、サージ、サキソニーなどハイカラでおしゃれなものが多いが、その中でも欧風らしいイメージが色濃く、秀逸な響きがある。
たまたま、店長が住んでいる静岡にある「ポーラ化粧品」の子供心におしゃれなCMイメージからの連想なのかも知れませんが・・。。
撚糸は、単繊維がばらばらにならないように、2本以上の繊維に撚りをかけることで、同一種類の糸を撚り合わせた撚合糸、異なる種類の糸で撚り合わせた交撚糸の2種類がある。
ポーラはこの撚糸の中でも、より強い(多くの回数)撚りをかける強撚糸。強い撚りをかけることで、弾力が増し、盛夏用の薄地織物でも強いハリを持つことができるようになる。
ホームスパン
「家で紡がれた」の意で、ざっくりとしたハンドメード(手織り)の感覚を大切にしたハリスツイードを代表とするツイードの1種。太い紡毛糸を用いて、手織りされるため、素朴で野性味のある風合いの生地となるのが特徴で、主にジャケットやコートの素材として用いられ、ウォームビズ傾向の近年では、ホームスパンで仕立てるスーツ、スリーピーススーツというのも秋冬には人気があります。
ホームスパンといえば、アイルランドのドニゴール地方の農家で手織りされるドニゴール・ツイード。ホームスパンが、「厳密な意味においては、手織りスコッチをさす」といわれるように、ドニゴール・ツイードは、アイリッシュ・ツイードの代名詞的な紡毛織物です。
太さにムラがあるところから、ネップ(節)の染め上がりに色の差が出るのがアクセントとなっています。ナップツイード。
ハリスツイード
ツイードのなかでも、もっとも有名なもの。 スコットランドはハリス島周辺を産地とする手織りツイードのこと。
正確には、スコットランド北西部のアウター・ヘブリディズ諸島産のツイードとなるが、ハリスの名はこの諸島のひとつに含まれる「ハリス島」の名からきている。
ハリスツイードは、白髪のように白い差し毛をもつ紡毛織物で、ツイードに特徴的なざっくりとした粗い織りと手触りに特徴のある、素朴な感じのする織物。
その品質管理は、2011年協会発足100周年を迎えたハリスツイード協会によって厳しく管理され、その検査に合格したハリスツイードのみに、協会のトレードマークである十字のついた球状の生地ネームを付けることが許されている。
ハリスツイードは主には、オーダージャケットやコートとして用いられることが多いが、オッドベストやオーダーパンツ、ベスト付きスリーピーススーツとして、また、ウォームビズには、圧倒的な存在感をもつツーピーススーツとしてご愛用いただく方も多い秋冬の人気素材。
ナップ・ツイード
ナップは「節」のこと。 起毛によってできた毛羽。
節糸を使ってナップを織り出したツイードの総称。ナビー・ツイードなどともいい、ナビーは「節玉のある」という意味。
いろいろな色の節のある糸を使って織られたドニゴルツイードは、ナップツイードの代表的な織物。
カントリー調な風合いをもつツイードの生地面に、素朴で自然なアクセントを加えている。
チンチラ加工などに用いられる、起毛した素材に織り目を見せないように、波状、玉状、うずまき状の毛羽を作ることを、ナッピングといい、ナッピング機にかけて、毛羽を人工的に摩擦して、玉寄せする。ナップ仕上げ。
また、生地表面を起毛させた毛織物を総称して、ナップ・クロスといい、これにはモヘア、フラノ(フランネル)などが含まれる。
ドネガル(ドニゴール)ツイード
アイルランドのドニゴール地方で織られたツイードのことで、経糸と緯糸の色を違え、さえた原色が節になって点在する。野生にあふれた感覚が特徴。アイルランド産ツイードを代表することから、単にアイリッシュツイード、ドガネルツイード、ドニゴールツイードともいう。
ドニゴールツイードは、もともとこの地方の農家で手紡ぎされた紡毛糸で織られたホームスパンのことをさすが、現在では似た風合いのツイード調服地を含めた広い範囲のツイードをさす。
太さの揃わない糸で織られるため、織り上った生地にはラフな感じがあり、カントリー調のオーダージャケットやコートを仕立てるのには最適素材。
ツイード生地は、目の詰まりが粗いため運動量の多いパンツには向かない面もありますが、その暖かさからパンツ・スラックスをオーダーする方も多いです。
ドニゴール・ツイードは、同じくスコットランドの北西部・ヘブリディズ諸島産のハリスツイードと並んで、ツイード生地といえば、まずその名前があげられるもの。
ツイード
太い紡毛糸を使って織られた平織り、または綾織りの生地の総称。スコットランドのツイード河流域を原産地とする。スポーティな感覚が持ち味で、カントリーライクなコート、ジャケットに多用される。
高級服地で仕立てられる秋冬のオーダージャケットには欠かせない服地として、近年仕事場にも広く普及したウォームビズへの関心度の高さ人気が高まっている服地のひとつ。
名称は地名などに因んだものが多くハリスツイード、エジンバラツイード、ドニゴルツイード、シェトランドツイード、チェビオットツイード、ヨークシャーツイードなど多くの種類がある。
本来、ツイードは手紡ぎの紡毛糸を手織りで織った綾織物を意味する英国スコットランド特産の織物でしたが、現在ではその風合いに似たざっくり感のある厚地織物を総称する服飾用語として用いられています。ツイードは綾織りを意味するツイルの語源ともなったもの。
※エジンバラ・ツイード
英国スコットランドのエジンバラ産のツイード。経(たて)に白または生なり、緯(よこ)に濃色3~5番程度の紡毛糸を使った平織り。カジュアル・ジャケット、スカートなどが主用途。
チェビオット・ツイード
イギリスはイングランドとスコットランドの境界にあるチェビオットヒルズ周辺を原産地とする、広くはチェビオット羊毛と呼ばれるブラックフェース種の羊毛から織られたツイード地のこと。
黒い顔をしたブラックフェース種はイギリスで一番多い羊の種類で、チェビオットは繊維の太さ28~32ミクロン、長さ70~120ミリほどで細番手のわりに光沢がある英国純血種の羊毛。
綾織りや杉綾(ヘリンボーン)で織られ、その後縮絨起毛して仕上げられる服地は、素朴な風合いと張りが特徴的なツイード生地になります。
ハリスツイードを代表とするような一般のツイードと比較して組織が密で、タッチが柔らかく全体に光沢のあるのが特徴。コート、スポーツジャケットなどに使われる。
チェビオット・ツイードには、紡毛糸で織られる一般的なツイードのほかに、梳毛糸で織られる梳毛チェビオットがあり、より目が詰まった引き締まった風合いの服地となる。
※ツイード
ざっくりした素朴な味わいのある厚手の紡毛織物の総称。
梳毛ツイード
ツイードは紡毛地の代表とされる生地だが、軽い感じを出すために梳毛糸で織られたツイードのことを特にこう呼ぶ。
同様のものに梳毛フラノ、梳毛チェビオットなどがあり、本来紡毛織物であるフラノやツイードを、短繊維を落とし毛の流れをひき揃えるため、梳毛機を通した梳毛糸で織ったもの。
紡毛糸で織った紡毛織物(ウーレンファブリック)よりも、薄地で光沢感があり、目が詰まっているため引き締まって丈夫な生地となる。
サキソニーもツイードに含まれる織物になるが、ツイードの中でも比較的細い紡毛糸で作られるため、梳毛ツイードと同様の風合いの仕上がりとなる。
各地方に特徴のある織りかたや羊毛で作られるツイードも、その用いる糸を梳毛とするか、紡毛とするかで仕上がり感が大きく異なる。
スポーテックス
チェビオット種の紡毛を使った平織りのホップサックツイード。 ロンドンの高級生地メーカー「ドーメル」社の商品名だが、現在では一般名として通用している。
英国スコットランド産のチェビオット羊毛を使って織られたツイードをチェビオットツイードといい、シェトランドツイードと同様、スコッチツイードの代表とされるもの。
ホップサックツイードは、経糸・緯糸を2本以上引きそろえて織られる平織りの一種で、斜子織りと言われる見た目が籠の目のように見えるため、バスケット・ウィーブとも呼ばれる織り方で織られたツイード。
ホップサックは、ビール用ホップを入れた麻袋がこの織り方をしていたためこの名称がある。
夏のビールと、粗い織り目で織られた、手触りにざらつき感のあるホップサックツイードとは良く合うイメージ。夏のオーダージャケットの服地としても最適です。
また、英国製高級服地で有名な「ドーメル」は、現在最も古い歴史をもつマーチャントで、創業170年。1842年に創業者ジュールス・ドーメルが英国から毛織物を輸入し、フランス国内で販売する服地マーチャントとして始まりました。
スコッチ・ツイード
スコットランド産のツイードの総称。 単に”スコッチ”とも呼ばれる。
本来はスコットランド産の手で紡いだ羊毛をざっくりとした風合いに織り上げた素朴で厚手な紡毛織物のことだが、現在ではチェビオット羊毛やシェットランド羊毛などスコッチ種の紡毛糸を使用して織られたツイードの総称となっている。
英国スコットランド産のチェビオット羊毛から作られるツイードはチェビオット・ツイードと呼ばれ、ツイルやヘリンボーン柄に織られ縮絨起毛して仕上げられる。
シェトランドツイードは、英国スコットランド北に位置するシェトランド島産のシェトランド羊毛を用いて織られたツイードで、素材本来が持つ生なりの色をいかし、淡色の色あわせで織られるクラシックな柄が特徴的。
ツイードの代名詞とされるハリスツイードは、スコットランド北西部に位置するアウター・ヘブリディズ諸島産がその初めのもの。
シェトランド・ツイード
英国スコットランドの北に位置するシェトランド群島を原産地とする羊毛糸(梳毛糸)を原料に作られたツイードのこと。ツイードは、代表とされるハリスツイードなどのように紡毛糸から手紡ぎで織られるのに対して、シェトランド・ツイードはサキソニーと同様、梳毛糸から織られる梳毛ツイード。
また、現在ではシェトランド産梳毛以外で作られた似た風合いの織物も、シェトランド・ツイードと呼んでいる。
ごく柔らかなタッチが特徴でコート、オッドジャケットなどに最適のもの。ツイード生地全体に共通していえることだが、素朴でクラシック、飽きのこない色柄が多く、保温性が高い。オーダージャケットに使われる服地の中でも、高級服地に属する。
また、この紡毛糸で編まれたセーターはラムウールと並んで代表的な若者のセーターの代名詞とされる、シェトランド・セーター。
※ツイード
ざっくりした素朴な味わいのある厚手の紡毛織物の総称。
サマー・ツイード
夏用のスーツやジャケットなどに使われるツイードの総称。
必ずしもツイードだけに限るというわけではなく、ツイード特有の
ザラッとした感触の素材がここには含まれます。
たとえばコットン・ツイードやシルク・ツイードなど。
ツイードは、綾織りを意味する「ツイル」の語源ともなったもの。
もともとは、手紡ぎで作られる英国スコットランド原産のざっくりとした厚手を
特徴とした紡毛織物を総称するものであるが、産地や使用される糸の種類などに
よって多くのバリエーションがあります。
サマー・ツイードもそのひとつで、ツイードらしい生地表面をもつものをそう呼んでいます。
ツイードはその風合いから、エルボーパッチ、背バンドなど
カントリー調のデザインと相性が良く、ジャケットやコート、ボトムスとしても仕立てられます。
ツイードには代表とされる、スコットランド北西部のアウター・ヘブリディズ諸島産の
「ハリスツイード」、アイリッシュツイードとも呼ばれるドニゴール地方の農家で作られた
手紡ぎのホームスパンを初めとする「ドニゴール・ツイード」が有名。
サキソニー
メリノ種の紡毛で織られたツイードの1種。 細番手の紡毛であることからフラノとメルトンの中間的な風合いを持つ。ツイードでは比較的目のつんだもの。最初、ドイツのサキソニーメリノを原料として作られたためこの名称が生まれた。
ツイードは、スコットランドのツイード河流域を原産とするざっくり感のある厚地織物の総称。カントリー調のジャケットなどに用いられることが多い。このサキソニー(サクソニー)も含まれるツイードの種類には、ハリス・ツイード・ドニゴルツイード・スコッチ・ツイード・シェトランド・ツイード・ヨークシャー・ツイード・ホームスパン・ナップ・ツイード・アイリッシュ・ツイード・ホップサックなどが含まれる。
これらツイードの中では、肌さわりも滑らかなカシミヤのような風合いを持っている。ウォームビズ傾向の近年では、その暖かな生地表の風合いは見直され、オーダースーツでもジャケット、ジャケパン、スーツなどのスタイルで需要が増えているファブリックのひとつ。
※メリノ
羊毛は緬羊すなわり羊の毛を刈ったもので、元来、褐色あるいは黒色であるため衣料にするには不適当であったが、長年月を費やして交配を繰り返し、19世紀になって白色の羊を作り出すことに成功した。これがメリノ種である。
ケンプ
針金状の粗雑なウール繊維で、一般に死毛と呼ばれる羊毛の粗い毛。 ハリスツイードなどに見られるもの。
ハリスツイードのように、短繊維を使用して織られるざっくりとした紡毛織物製品の生地表面のなかに、一段と強く白髪のように見える、つんつん飛び出している毛のことで、素朴な味わいを出すのにも一役買っている。
また、差し毛は、上毛(じょうもう)とも呼ばれる、動物の身体を守るため、丈夫で強く、はりのある毛のことで、その強い弾力性から刺し毛、英語では「ガードヘア」といわれている。
逆に、カシミアなど滑らかな肌触りの織物を織るための毛は、綿毛(下毛)といわれ、より肌に近いところに生えている、細く長く軽い繊維のことを指す。
アイリッシュ・ツイード
アイルランドを原産とするツイードの総称。 ドニゴール・ツイードなどが有名である。
ドニゴール・ツイード=アイリッシュ・ツイードとされるのは、アイルランド、ドニゴールを主産地とするため。この地方の農家が手紡ぎで手織りしたホームスパンをさす。
もともとは、手で紡いだ糸を使用して織られた織物のことを意味していたが、現在では手織り風のざっくりした風合いを持つアイルランド産ツイードのことを、その製法を問わず総称している。
ツイードは手紡ぎの紡毛糸を綾織物とした、英国スコットランド特産の織物。綾織物を意味するツイルの語源ともされたもので、素朴な風合いを持つことから、カントリー調のジャケットやコート、ボトムスに用いられることが多い。
ツイードの種類には、アイリッシュツイードのほか、ハリスツイード、ナビーツイードなどが有名。