ベスト

衿つきのベストのこと。 特にクラシックなスタイルのスーツに用いるそれをさすことが多い。ノッチ衿、ショールカラー、ピークドラペルなどの衿型が主である。
ブリティッシュ調伝統的スリーピーススーツスタイルの装いのウエストコートによくあったデザインとなる。衿なしベストよりも衿のついたベストのほうが、よりジャケットを着用したときのイメージに近く、ベスト＋パンツでの作業中にも、ファッション性がより高い。着心地感は、普通の袖なし胴衣的ベストと変わらないので、動きやすい。
衿なしベストと比べて異なるところは、前身を折り返して作られたラペル部分のみ。衿付きベストはゴージはあるが、上衿（カラー）は肩線までで、首の後ろ側には付かないのが一般的。（中には首後ろの衿部分まで付くものもある）衿付きベストにカラーが付かないのは、スーツベストとして着用する場合、この首後ろの衿が、ジャケットの衿腰と重なってしまい着心地感が悪くならないための配慮から。

袖なしで、体にぴったりした、短い衣料のこと。 チョッキは日本での俗称。イギリスではウエストコートと呼ばれている。一般的にはスーツの中着に用いてスリーピーススーツを構成するが、この場合にはスーツベストという。それ以外に独立して使われることも多く、色・柄・素材・デザインのすべてに変化が多い。ウエストコート、ファンシーベスト、オッドベスト。
歴史的には１７世紀後半に登場したもので、もとは袖のある中衣であったものが、１８世紀後半に入ると袖なしとなる。広く普及したのは、背広が三つ揃いの紳士の衣服として着用されるようになった１９世紀後半から。チョッキは、ベストが１９世紀後半日本に西洋から入ってきてから定着した用語。英語でいうところのベストには、女性の肌着も含む用語であることから、日本語のチョッキにあたるものは、ウエストコートとなる。また、フランス語でのベスト（ベストゥ）は上着全般をさし、中衣的なベストは「ジレ」となる。
ツーピーススーツと同じ生地で仕立てられたベストをスーツベスト。差し色的に色柄・素材もカラフル・カジュアルなもので仕立てられたベストをオッドベスト、ファンシーベストという。
ベストのデザインには、フロントデザインや、背の付け方、衿の有る無しなどによって種類も豊富である。

「変わりチョッキ」または「替えベスト」のこと。 派手な生地やファンシーなデザインのものが多い。オッドベストの別称もある。
春夏シーズンには、フランス語でベストのことを「ジレ」ということから、「ベスト＋パンツ」で着こなすファッションスタイルのことを「ジレパン」といって、注目の着こなし方。
秋冬シーズンには「ウォームビズ」で使えるファッションアイテムのひとつとして、オッドベスト的なファンシーベストは、ビジネス仕様２ピーススーツに加える異素材の差し色使いのアイテムとしてその機能性、ファッション性からもとても便利。
特に、ざくざく感のあるハリスツイードや、フラノ、コーデュロイで仕立てたり、ジレパンでは、リネン、コットンなどで上下替えて仕立てると雰囲気です。

夜間の礼装に用いられるベルトの１種で、背中部分がなく、その代わりにバックルまたはボタン留めとされる帯がウエストライン上に付くもの。
バックレスは背部分がないという意味に用いられる服飾用語で、バックレス・ウエストコートのみでなく、ドレス、水着など同様のデザインを持つものをさす。
また、タキシードに合わせるカマーバンドは、ベルトの代わりと勘違いしている方も多いが、ベストの代わりに着用されるもの。中近東の飾り帯をモチーフとしたもので、ヒンディ語では「腰ベルト」。カマーベストと言われるフロント部をチョッキ型とした夏のタキシードに合わせるタイプのものもある。
共に、夜間の礼装用の小物としてのアイテム。

胴着、ベスト、チョッキをさすフランス語。カーディガンや女性の肌着などを意味することもあるが、 もともとは華美な装飾をほどこした袖なしの胴着のこと。現在では英語でいうベスト、英国スーツ的ウエストコートとほぼ同義に扱われ、その種類とデザインの変化も多い。
ジャケット＋パンツで着こなすスタイルジャケパンは、クールビズや最近ではあまり言われなくなったカジュアルフライデーの代表的なファッションスタイル。
ここ数年は若者を中心に、ベスト＋パンツのジレパンといわれるファッションスタイルも徐々に普及しつつある。袖なし胴衣となるジレ（ベスト）は、動きやすく構造も簡易なため、涼しくクールビズのスタイルとしても最適です。

替わりチョッキの総称。 ”ファンシーベスト”、オッド・ウエストコートともいう。スリーピーススーツにみられる共地のベストは”スーツベスト”と呼ばれている。柄物が多くカジュアルな雰囲気が楽しめる効果がある。織物によるベストの他、ニットでのそれも最近人気がある。
オッドベストのオッドには「片方の」、ファンシー・ベストのファンシーには「風変わりな」という意味が含まれるため、共生地で仕立てられる英国スーツ伝統の三つ揃いスーツベストに対して、素材・色柄とも異なったもの、ファッション的な要素を多く含むディテールでデザインされたベスト。
一般にスーツベストでは、ベストの前身はスーツ地と同じもの、後身（背部分）はジャケット胴裏と同じ裏地が付けられることが多いが、背共生地といって、前身と同じ生地で仕立てられるベストの作り方もあり、レディーススーツではその傾向が強い。この場合、尾錠はあってもなくても可。

「替わりチョッキ」の英国的な呼称。 オッドベスト、ファンシー・ベストに同じ。
ベストにはチョッキ、ウエストコート、ジレなどいくつかの呼び方があり、ウエスト・コートはベストをブリティッシュスーツに合わせるスーツベストを呼ぶときに使われる。
オッドには「片方の、変な」、ファンシーには「風変わりな、派手な」という意味が含まれるため、オッドウエストコート、オッドベスト、ファンシーベスト、と言われる場合、上下スーツのスーツ生地と共生地で仕立てられるスーツベストとは異なり、単品アイテムとして差し色的な着こなしのために使われるベストのことを意味する。
ネイビー無地やチャコールグレー無地の上下スーツに、クラシックパターンのグレンチェック柄やウィンドウペーン柄、ブロックチェックなどの着こなし。
また、近頃ではジレパンといい、オッドベスト（オッドウエストコート）＋パンツの２アイテムを使ったファッションスタイルも注目されている。

「ベスト」「チョッキ」のこと。 袖なしの胴衣、中衣で、イギリスで使われる言葉である。
１７世紀ごろからコートの下に着用されるようになったもので、１９世紀からはレディース用衣服にも取り入れられるようになったアイテム。
１９世紀後半から三つ揃い型の背広のスリーピーススーツが広く普及するようになってからは、ベストは欠かせないものとなる。
「チョッキ」は、西洋の紳士背広が導入された１９世紀後期に、、「ベスト」「ウエストコート」をさす用語として使われはじめたもので、なにかの本で確認したわけではないが、ベストのそのシルエットが「ハサミ」とか、「カニのハサミ」に似ているところから、「チョッキン→チョッキ」となったのではないかと、推測する。
秋冬シーズンにはウォームビズなどの要請からも、ファッション的にもジャケット＋パンツと共生地で仕立てる３ピーススーツの注目度は増している。また、ブリティッシュスーツと３ピーススーツはイメージ的にも相性の良いものといえる。