クリンプ
クリンプは、主にウールにある「繊維の縮れ」のこと。
ウール繊維は電子顕微鏡などで拡大して見るとウロコ状の表皮部分(スケール)と、皮質部分(コルテックス)の2層構造となっており、このそれぞれの層の性質の差が吸湿・乾燥により収縮差を生じ(ハイグラル・エキスパンション)、クリンプ(縮れ)のもととなっています。
このクリンプのためにスプリングのように縮れたウール繊維一本一本を束ねることで、その繊維束には隙間が生じ、より多くの空気をウール内に取り込むことができるので、寒い冬には断熱効果から暖かく、暑い夏には熱伝導率を抑えることから衣服内を涼しく保ってくれます。
コットンやリネンは夏涼しい服地の代表と思われがちですが、熱伝導率の高さではウールはコットンよりも高く、ビジネススーツ的耐久素材、汚れにく、燃えにくいなど優れた点を考えてもウールの品質の高さは盛夏シーズンにも利用すべき点が多くあります。
カジュアルっぽい着心地感、コーディネートではやはり、コットンやリネンにはかないません。