ファッション産業
コンバーター
原毛仕入れから、染色、製織加工、生地仕上げ、
生地販売までのすべてを行う服地製造・販売業者の
ことで、オーダースーツで取り扱っている毛織物を
製織するミル(毛織物工場)と、マーチャント(毛織物商社)
の、ふたつの業態をあわせもつ業者。
現在では本来、ミル(毛織物工場)を本業とするカノニコや、
ロロピアーナなどが販売を手掛けたり、ハリソンズオブエジンバラ
や、ドーメルなどマーチャントを主な業務とする生地ブランドが、
生地製造をするなど、服地に関しての範囲を広げ、一貫した
業務を行う生地製造・販売業者が増えてきています。
また、アメリカでコンバーターとは、製織されただけの
生成り色の布地を、染色加工する業者のこと。
ライフスタイル
主に衣食住についての生活様式のことになるが、
それだけに限らず、生活の仕方・形態・価値観全般を含み、
マーケティング分析において、消費者の個性化動向から、
重要視されるもの。
また、これからの快適な生活を示唆するときに用いられる
ニューライフスタイルは、消費者をこれまでのように社会的属性で
分類するのでなく、生活形態、つまり、ライフスタイルで分類しよう
とするもの。
季節とともに最適なスーツやジャケット素材を選び、
適した裏仕立ての選択や、トレンドのスーツシルエット、
デザインを取り入れるなど、がオーダースーツ的ライフスタイル。
ユースフルアダルト
ユースフルアダルトは、1971年のMFU(日本メンズファッション協会)の
ファッションテーマとして掲げられた言葉で、ユースフルは「若々しい」
アダルトは「成人」「大人」の意味があります。
ユースフルもアダルトも共にこれからのファッションユーザーをかなり
的確に捉えた言葉であり、ショップの方向性を正しく示していると
いえます。
オーダースーツショップでも、長年お付き合いのあるアダルト層に
満足してもらえるスーツ生地構成や、こだわりのあるデザインへの
対応やご提案などを心がけ、また若年層に対してスーツをオーダー
することの良さをアピールしていくなどの指針となっている。
メーカーブランド
メーカーは「製造業者」のこと、ブランドは「商標」を
意味するところから、衣服に関連するものでいえば、
アイビーで有名な「VAN」や、アメリカントラディショナル
の「J.PRESS」、イタリア服地の「カノニコ」「ゼニア」
イギリス服地の「ダンヒル」など、メーカー(製造業者)が所有する
ブランド(商標)の意味。
原糸、紡績、製織などの一次メーカーがもつものと、それを加工
して製品を製造する既製服業者などの2次メーカーがもつものの
2種類があり、「メーカー品」といって、単に有名ブランドの商品
をいう場合もあります。
これに対比するものとして、「オウンブランド」があり、
デパートや小売業者が、独自の商品につけたブランド名
のこと。
マーチャンダイジング
商品政策または商品化計画のこと。
アメリカン・マーケティング・アソシエーションの定義によれば、
「商品またサービスに関して適正な品質のものを適正な数量だけ、
適正な価格で、適正な時・場所に準備する計画」となります。
以上5つの条件をファイブライツの原則といい、
マーチャンダイザーはこれらの計画を実施する商品更生計画担当の
専門家という意味になりますが、日本では単に「商品仕入れ係」を
さすことが多いです。
簡単に言ってしまえば、ショップや問屋の適正な品揃えのことで、
オーダースーツ店で言うなら、仕立てるスーツ生地、ジャケット生地等
の陳列具合ということになります。
マーケティング
アメリカン・マーケティング・アソシエーションの定義によると、
「商品またサービスを生産者から消費者もしくは使用者にまで
流通させるための企業活動」
一般に「市場戦略」と訳されるもので、ファッション業界だけでなく
広く各業界に取り入れられています。
簡単に言えば、自社の商品等をより多く販売するために、
企業が行う活動の一切。
今年のスーツ生地傾向、スーツデザインなど
市場のトレンド情報を入手し、新規客獲得、
顧客サービスのために活かすこと。
ボルサリーノ
1857年にイタリア・アレッサンドリアに創業した、
イタリアの有名な帽子会社の名称。
創業者はジュゼッペ・ボルサリーノ。
イタリア的ファッションスタイルと、エレガンスの
象徴であるといわれるボルサリーノの帽子は、
フェルト帽を作る上級職人のみを集めた工場を設立した
ことから始まり、以来150年以上世界最高峰といわれる
ハットを作り続けています。
ジャン=ポール・ベルモンド、アランドロン主演で人気を
呼んだ映画「ボルサリーノ」「ボルサリーノ2」は、
ボルサリーノの製造拠点がフランスに近いことから、
この帽子会社の影響を強く受け、タイトルは、この会社
(ボルサリーノ)の商標をロゴタイプ(字体)ごと
そっくりいただいたものである。
老紳士のスーツスタイルに、ボルサリーノに代表される
ような高級帽子はとても相性が良いものです。
ホールセール
「卸し、卸売り」のことで、例えばオーダースーツ店のような
リテイラー(小売店)に対する用語。
ホールセーラーは「卸売り業者」という意味で用いられ、
「仕立て屋」に対しては「生地問屋」や「付属材料店」など
のような関係にある業種があたります。
一般向けではなく、主に業者向けに販売をしており、多品種、
大量の商品を業者価格で供給してくれます。
ベターゾーン
販売商品を品質や価格で分類した際、
プライスゾーン(価格構成)の中で、
一番売れる一般的な価格帯であるボリュームゾーンより、
一段ランクアップした価格帯、いわゆる「中の上」の価格帯。
ベタープライスゾーンとも言われ、デパートの高級品売り場や、
専門店で販売されている商品の価格帯がこれに相当します。
オーダースーツ店では、お店にもよると思いますが、
ボリュームゾーンが4~5万円、ベターゾーンは、
6~7万円というところでしょうか。
舶来服地の中でも、知名度のある服地、高級服地ブランド製
の生地で仕立てたスーツが7万円前後の仕上がり価格となります。
ブランド
「商標」「銘柄」を意味するものですが、スーツなどを含む
ファッションブランドの場合には特に、ブランドのイメージで商品が
購入される傾向が強いことから、重要な販売戦略の方法のひとつ
となっています。
他の商品の品質等と区別するため、また商品に対して責任を明確にするため、
すべての商品に対し、名称・サイン・シンボルとして付けられるもの。
オーダースーツの服地ブランドとして特に知名度の高いものには、
ハリソンズ オブ エジンバラ(Harrisons of Edinburgh)
エドウィン・ウッドハウス(Edwin Woodhouse)
アルフレッド・ダンヒル(ALFRED DUNHILL)
ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)
ドーメル(DORMEUIL)ほか
プライベートブランド
知名度が高く、世間に広く知れ渡ったブランドを
ナショナルブランド(NB)というのに対して、
百貨店や専門店などの小売業者が、独自に開発して
所有するブランドのこと。
PB(プライベートブランド)と略称されます。
例えば当店のようなオーダースーツショップが、
縫製工場に独自のパターン・デザイン等で、
既製スーツ、ジャケット等を発注し、独自の
ブランド名を付けて販売する場合の、そのブランド名。
セレクトショップなどが、カノニコなど比較的名前
の知られた生地ブランドを使用し、自社パターンで
縫製工場に特注したラインなどに、ブランド名を
付けて販売することがよくありますが、その
ブランド名がプライベートブランド。
ファッションフォーカスト
フォーカストは「予想・予測する」の意味をもつことから、
ファッションフォーカストは、来シーズンのファッション予報・予測のこと。
有名ブランドなどでは次シーズンに展開するコンセプトとなる
ファッションショーなど展示会をそのシーズンの半ばから終了近く
に行います。
メンズスーツのトレンドに大きな影響を与える、ピッティ・イマジネ・ウォモも
1月と6月の年2回。クラシコ系スーツがビジネススーツを中心に、
好まれている日本では、やはりこのピッティ・ウォモへの関心度は高く、
来シーズンとなる、2015年春夏シーズンのファッショントレンドを
予想するのには、オーダースーツのお店としても必須、最適な材料と
なっています。