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   フォーマルスーツ・礼服の歴史

フォーマルスーツの歴史
フォーマルスーツ・礼服というとなにか畏まった、堅苦しいイメージのものを想像してしまいますが、その昔、はっきりと身分の差のあった封建的な時代にその厳しく定められた着衣のランクによって身分の差をあらわした服装の格式などとは違い、式典、冠婚葬祭などの改まった席で着用し、その式の重み・式での立場によって着る服のランクはあるものの、式典の列席者みな同じものを着るのがフォーマルスーツ・礼服の基本です。

もちろん式典や冠婚葬祭など行事として儀礼的な席で着用する礼服・フォーマルスーツですので、招いてくれた相手や列席者に失礼にならない決まりごと的なマナーも数多くあると思うのですが、昼の正礼装・モーニングコート夜の正礼装・燕尾服も、現在では着用機会もごく特別な場合に限られており、ブラックスーツが略礼服として主流な日本では、”黒色上下のスーツを着ていれば良し”、”シャツは白無地で”、”慶なら白ネクタイ”、”弔なら黒ネクタイ”のようなところがあるのかも知れません。

本来、フォーマルスーツ・礼服の種類には、正礼服・準礼服・略礼服の別があり、それぞれ昼・夜で着用する礼服が異なり、式の重みやその式の主催者からの案内状で指定がある場合には、そのドレスコードに沿った礼服を着用して席にのぞむことになります。一般的に日本で礼服として思われているブラックスーツは、略礼服と認識されていると思うのですが、欧米ではただの色の黒いスーツとしか考えられておらず、世界基準での略礼服はダークスーツ(色の濃いスーツ・ダークグレー・濃紺など)らしいです。「仕事の途中、仕事帰りによらせていただくお仏事だからダークスーツにネクタイだけ替えて・・失礼でないかな・・」というご経験もある方も多いと思うのですが、そのダークスーツが本来の略礼装というのは、ちょっと皮肉なものですね。。
独自の礼服文化である日本のブラックスーツは、それまでの和服文化から第二次世界大戦後のオーダーメイド(注文服)の普及からより簡易なイージーオーダーメイドへ、そして既製服へと「着やすく、手入れも楽、価格も安い」他の日常服の多くの洋装化がすすんだこと、ブラックスーツ1着+黒白ネクタイの付け替えだけで、簡単に着まわしがきき、便利なことなどから多くの人に受け入れられることになりました。

正式の、公式の、儀礼的なスーツというほどの、フォーマルスーツ・礼服も、歴史的には平常的な服が礼服として着られるようなことになるエピソードがいっぱい。現在、昼の準礼装(準礼服)とされている【ディレクターズスーツ】の始まりは、エドワード7世(1901〜10年英国国王在位)が展覧会のオープニングで、フロックコートで出席するのは大げさだと考えたため、モーニングのパンツはそのまま+黒ジャケットとして着たのが始まり、夕方5時以降のパーティーなどに気楽に着られるフォーマルスーツとして多くの人に愛用されている【タキシード】もそのはじまりは、1886年ニューヨーク州オレンジカントリーにあるタキシード・パーク倶楽部の正装舞踏会にグリスウォルド・ロリラードという人物が燕尾服に着替え忘れ、ホテルの真っ赤なスモーキングジャケットのままパーティーに参加したことがタキシード事件として有名です。各界著名人の集まる公式な式典などに出席するための服装だからこそ、ちょっとしたうっかりから・・というおもしろエピソードも多いのかも知れませんが、なにを言われようと、そんな起こりの欧米礼装に比べても日本のブラックスーツはそれほど恥ずかしいものとは・・、それも文化です。。ただ、同じ時に同じ色、同じ形のものを着用するため、生地素材の良い悪い、仕立ての良い悪いは差がでやすく、もちろんレンタルなんてもっての他、寸法があっていなければそれだけで恥ずかしいことだと思いますよ。。

学生さん、軍人さん、おまわりさんなど、現在の式典事情では、着る場所・行事は限られているのかも知れませんが、その所属する組織で定められている制服も礼服として着用されます。
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アジャスターはパンツのウエストを±8cm(計16cm)増減させることができるオプション。
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